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The STAR BAR


喉の奥に生ぬるい空気を感じながら、
突き刺さる塩辛い湿気に鼻を鳴らし、
ようやく明るさを増した朝一番の海へと腕を伸ばす。
昨夜の色とりどりの喧騒などなかったかのように
銀色のバーカウンターの窓はしっかりと閉じられ、
自分の靴がウッドデッキを擦る音がたったひとつのノイズ。
カラっと氷が動いたような気がしても、
それは昨日の記憶を置き忘れているというだけのこと。
日常に戻れば気づくこともない小さな記憶。

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