コールドプロセス製法って?
長野県富士見町の手作り石けん屋、アトリエスクランブルです。
当店の石けんには様々なこだわりが詰まっているのですが、商品を見ただけではなかなか伝えきれないことが多いのです。
というわけで、石けんってなあに?ということを時々文章にしてみたいと思います。
今回は石けんの製法である「コールドプロセス製法」について。
当店のHPには
「油脂に水酸化ナトリウム溶液を加えて撹拌し、加熱せずに反応熱だけで鹸化(けんか)させる、昔ながらの製法」
https://www.atelier-scramble.com/brand
と説明を掲載しています。
ピンとこない方もいるかと思いますので、この機会に説明をしたいと思います。
石けんの原材料は油脂(当店では植物性油脂)、水、苛性ソーダ、の3種類が基本となっています。
苛性ソーダは鹸化(けんか)反応を起こさせる強アルカリの劇物です。(完成した石けんには残留しません)
鹸化は文字通り、「石鹸」に「化ける」反応ということです。
苛性ソーダを水分に投入すると反応熱が起こります。70~80℃ほど一気にあがる強い反応です。
この水溶液を油脂に投入し、反応熱を利用して鹸化反応を起こします。
外部から熱を加えず鹸化反応させるため「コールドプロセス(非加熱製法)」と呼ばれているのです。
その後撹拌をすることで鹸化を促進していきます。
反応が進んだ石けん生地はカスタードクリームのように粘性が出るので、型に流し入れて固めます。(大体2~3日)
型から出し、石鹸のサイズにカットして熟成に入ります。
作って数日の石けんはアルカリ度が高く、まだ柔らかい状態です(見た目も硬さも羊羹のよう)
じっくりと熟成させることで弱アルカリ(ph9前後)に落ち着き、また乾燥させることで石けんが固くなります。
熟成期間は最低でも1ヶ月。時間をかけることで良い石けんが出来上がるのです。
コールドプロセス製法の石けんは保湿成分のグリセリンが含まれ、お肌を優しく洗い上げてくれます。
そのため水分を引き寄せやすく、市販の石けんより溶けやすい難点があります。
「手作りの石けんは溶けやすくて・・・」というご意見をいただくことはわりとあるのですが、
長持ちさせるコツとして
・水切れの良い石けん皿をつかう(スポンジ状や水切れ穴の大き目なもの)
・湿気の多い浴室から洗面台などに一時避難させる
など、「表面を乾燥させる」ことで長くご使用いただけます。
お肌が乾燥しやすい今の季節、コールドプロセス製法の石けんをつかってお肌をいたわってはいかがですか?
アトリエスクランブル
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?