悪人正機

「自分は素晴らしい存在だ」という自己認識と「自分は罪深い」という自己認識。
この２つを矛盾することなく心に調和させることが必要です。
（）をつければ難しい話ではありません。

「（潜在的に）自分は素晴らしい存在だ」
「（現実的に）自分は罪深い」

これで良いと思います。
この両方が必要だと私は思います。

前者だけでは自惚れ屋になり、高慢になります。
後者だけでは自虐的で、陰鬱になります。
まとめると「素晴らしい未来像に向かって成長中の自分」という自己認識が、正しいのではないでしょうか。

倫理観が緩み、宗教心の弱くなった現代において、自分の罪深さを自覚するのは本当に難しいことです。
ですから今日は親鸞上人の話をします。
ご存知でしょうけれども、復習も兼ねて。
親鸞上人はだいたい次のようなことを言ったのです。

「自分は悪い人だという自覚のある人ほど、救いを求める。
だからこそ救いに値する。
御仏は人を救いたいと願っている。
救われたいと願うものをこそ救いたい」

要するに、
「罪を自覚する人は幸いである。
それは天国への階段になる」
ということです。

驚くほど、イエス・キリストと言っていることが同じでしょう。
また、これは霊界の真実を正しく映してもいます。
このような言葉が出てくるほど、またはこのような言葉が心に染み入ってくるほど、自分は自分の罪過ちというものを知っているだろうか？　感じているだろうか？　そしてそれを晴らそうとしているだろうか？　と深く自問するようにしましょう。
やはり現代、私たちはあらぬ方ばかりを見ているのではないでしょうか。

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