2022年 NISA活用術
2020年からの投資ブームによって、金融資産を持っている人が増えました。
僕は、これを大変良い事だと考えています。
時々数百万円の資産額を小馬鹿にしてしまう個人投資家さんもいらっしゃいますが、数百万円だって、素晴らしい資産です。
100万円に満たない額だって、素晴らしい資産です。
投資収益額が年間数万円の人も素晴らしいと思います。
一円だって、なんの価値も生み出していない人の処には舞い込んで来ません。
それを資産に働いてもらう事で獲得する人が増えた事は素晴らしい事ですし、資産が運用されれば、それだけで社会の血流は良くなります。
僕は投資ブームがこのまま板につき、一億総投資家時代に突入してくれる事を望んでいます。
ここで心配になってくるのが、ここ最近の株式市場は投資家にとって、イージーゲーム過ぎた事です。
この先、2〜3年スパンで見た時に、折角今回の投資ブームで資産運用を始めてくれた人々が市場から撤退してしまうのではないか、という事を心配しています。
出来れば、皆で金融市場の恩恵を受け続けたい。
であれば、持続可能な運用戦略を共有していきたいと願います。
なので今日は来年2022年にNISA枠を使った、市場に振り落とされない為のちょっとした考え方を皆様と共有させて頂きたいと思います。
この記事は
S.A.ham.ponta@SxAxTwがお送りします。
はじめに
〜投資はやめない事が大切〜
昨今の投資ブームによって、多くの人が投資を始めました。
書店には投資関連の本が増えて、特集を組む雑誌も増えました。
特に米国株はトレンドで、加えて仮想通貨も度々話題になります。
資産を増やす事に成功した人、値下がりをしない事で積み立てを続けていられている人が沢山いる事はとても素晴らしい事だと思います。
さて、これからも、このような時代が続くかというと、残念ながら答えはNOになってしまいます。
特に多くの人々が投資に関心を持ち、ブームになると、それがバブルとなります。
正直、ここまでは特段、問題ではありません。
問題はバブルが弾けたり、ブームによって押し上げられてきた株価の伸びが鈍化した際に多くの投資家さんが振り落とされてしまう事です。
プロの投資家さんは、下がった時に買い込みます。
彼らは資金とノウハウがあるので、行動を取る事が出来るのですが、多くの個人投資家はそうはいきません。
積み上げてきた資産が日々、刻一刻と目減りしていく中で更に資金を投入し、成長を確信して資産を投入し続ける事は容易ではありません。
良くて塩漬け、悪いと狼狽売り祭りが始まってしまいます。
この心理が恐慌を生み出します。
売りが売りを呼んで、毎日市場平均が下値を更新し続ける事になります。
そして、ブームやバブルの終焉がいつ訪れるのか、僕達は誰もそれを事前に予期する事が出来ないのです。
しかし、結局僕達の経済は長い目で見れば成長を続けてきました。
当然と言えば当然で一日に100個製品を作れるやり方を見つけた人は100個作り続けますし、10個しか作れない人は100個作れる方法を探ります。
1日に3個しかモノを売れない人は10個売れる方法を探しますし、同じ値段であれば10倍価値のあるモノを買おうとするのは人の心理です。
僕達は常により良くなろうとしますし、一回良さを知れば、その良さを複製する動物ですから、僕達の性質の写像(この表現を使うと、ひろゆき氏が頭に浮かびます…)として、経済は成長し続けます。
下落局面というのは、そういった前に進む経済の性質上のちょっとした躓きのようなモノで、長い目で見れば、経済は成長し続けます。
しかし、全体ではそうであっても、一つ一つの会社、一人一人の個人はそうはいきません。
社会という大きな集団が転んだ時に、その集団の構成要素の一部は、破壊的ダメージを受ける事になります。
僕達が転んだ時に僕達はまた立ち上がり、また歩き出すのですが、膝の細胞はきっと沢山死んでいます。
そして、いつ転ぶのかわからないですし、僕達や僕達が投資している会社が膝の細胞の役回りを演じないとも限らないという事が問題です。
全体としては立ち上がっても、壊れた部分に属している人々はひとたまりもありません。
今日は、個人投資家の皆様が膝の細胞にならないで済む、立ち上がる全体に投資をし続ける事が出来るお役に立てるかも知れない、ちょっとした考え方を共有させて頂きたいと思います。
市場平均より勝っていた人は要注意
今日、僕が書くお話は特に、この2年において、投資成績が市場平均より勝っていた投資歴5年未満の方々にお伝えしたいモノです。
僕自身が投資歴5年で、この二年間、市場平均を上回る成績を出していたので、その状況をこれからの三年間に対応させようと考えた施策の一部をご紹介するモノだからです。
僕自身は米国株式を中心に、暗号資産、為替取引をサテライトとして運用しており、起業家でもある事から一部の投資収益を自らと関連のある事業に投資するローカル投資も展開してきました。
事業投資の件は今回の趣旨から外れるので割愛させて頂き、僕自身の資産成長を市場平均を上回らせた要素は
①ハイテク株
②暗号資産
③エネルギー株
④新興国ETF
⑤食品産業
です。
ハイテク株はテスラの暴騰を掴み、暗号資産はBitcoinの暴騰を、エネルギー株はエクソンモービルを筆頭に下落からの高騰を、新興国はインドネシア、ベトナムのコロナからの立ち上がりを、食品産業はバリュー株の値戻しをそれぞれ掴んだ感じです。
さて、これらの成果を来年以降、継続出来るのか、と問えば、その答えはNOです。
未来は誰にもわからないですし、年々世界は変化しますし、何よりも利益幅は下落リスクと等価です。
つまり、同じやり方を繰り返していれば、市場平均を超える成果を出す投資手法は市場平均を遥かに下回る成績を出す可能性を秘めていますし、下手をすれば、大損失を生み出すリスクもあるのです。
特にリーマンショックやドットコムバブル崩壊を体験していない僕のような若輩投資家は、この二年間の戦績に酔っていて、自分の投資手法に自信を持ってしまったりしています。
敢えて言います。
僕を含めて、ここ二年間の成績が良かった人達の最大の勝因は運です。
どんなに勉強して考えていたとしても、していなかったとしても、勝つ時は勝ちます。
そして、この二年間は恐ろしく勝ちやすかったのです。
これを実力だと勘違いすると、運が逆に振れた時、利益幅と同等の大しっぺ返しを喰らう事になります。
地味に投資する
運も実力のうち、なんて言ったりもするのですが、あまり自身を過信する人は投資家には向きません。
運は運、実力は実力です。
そして少なくとも、僕自身は実力によってではなく、運によって勝ちました。
テスラについて調べ、値上がりを掴んだのは僕の選択の結果ですが、僕のテスラ調査がどれだけのものか、テスラの内部調査をした訳でもなく、知らない事だらけ、全体の一部を知って、それに賭けただけで、僕の知らない要素が値動きに大きな影響を及ぼす可能性だって大いにあった訳です。
Bitcoinもエネルギー価格に関しても、バリュー株の値戻しも、新興国も同じです。
僕には知らない事の方が多く、たまたま知って選んだ要素が市場価格に強い影響を及ぼしただけなのです。
勿論、このような選択は投資をしていく上で非常に重要なものなのですが、これを勝ちやすい市場環境で行っていたのが、ここ2年の投資環境です。
そして、このような環境がどれだけ持続するのかも、また不確定な事なのです。
なので、ここで僕が提言したいのが
分からない事を大前提にした投資にも力を入れていこう、という事です。
分からないならば、リスクは低い方が良い、だから分散投資は基本になりますし、税金の負担もリスク許容度を低下させますので、税金コストも低い方が良いです。
ここで、投資対象物が一つ浮かび上がります。
NISA枠で全世界株式投資信託への積み立て投資。
凄く地味に感じた方、自分の投資戦略がNISA頑張ります!なんて、ダサい…と感じた方ほど、この戦略を採用して頂きたいと思います。
僕自身もリスク精査を行い、今後のコアを考えていく際に出た結論がコレだった時は正直テンションが上がりませんでした。
ですが、そんな自分だからこそ、この戦略を採用するべきだと考えています。
僕が、この記事でお伝えしたい事、望む結果は、1人でも投資市場からの退場者を減らす事です。
僕自身の選択
さて、この記事の結論はもう出てしまいました。
NISAで全世界株式投資信託に投資しよう!というモノです。
では具体的にどのようにNISA枠での積み立て投資を執行していくのか、これは個々人様々なやり方があると思いますが、僕自身のアクションをお話して、この記事を締めくくりたいと思います。
個別の債券などの情報が載っているので、項目名は表示できないのですが、僕自身のポートフォリオを元にお話をさせて頂きます。
39%黄土色の部分が米国株式、2%の赤色の部分が投資信託、3%緑色の部分が暗号資産です。
米国株式の内容は大半が個別株、ついで各種ETF、債券系ETFと続きます。
米国株式のうち、1割程度が永久保有のつもりで所有している古参の配当株で、それ以外の大部分の個別銘柄は成長株です。
一部、個人的な応援目的で保有しているビジョン支持の銘柄がありますが全体から見れば0.数%以下なので、無視して構わないと思います。
2022年の僕の戦術は個別株売却益を毎月定額でNISA枠での全世界株式投資信託へ積み立て投資していく、というモノです。
これは例えば楽天全世界株式や
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
のようなモノを考えています。
上がっていても下がっていても、投資信託への積み立ては毎月実行します。
その時で利益を取れる個別株を選んで売却して、投資信託へ移します。
これを確実に繰り返し続ける事でポートフォリオ全体のリスク低下を図ります。
タイミングや銘柄選びの権限を自らから剥奪する枠を設ける事で、僕自身の実力が資産増減に与える影響を縮小しようというのが、今回の狙いです。
終わりに
人により、資産規模や収入規模が違うので、それぞれやり方は違っても良いと思いますが
今回、お伝えしたい事は投資成果は自分の実力だと思わない方が良い、という事です。
そして、その実力で成果を得る・リスクに晒される状態を軽減するのに、モッテコイの制度がNISAへの積み立てです。
僕は多くの人に投資を続けて欲しいと考えています。
投資は誰かのビジョンや夢や技術や能力に自分のお金を預ける事によって、成果を上げる事を可能にして、その分前を貰うモノです。
投資は世界の実現可能性を拡大させ、自分1人では出来ないイノベーションを世界に誕生させる事が出来る、企業と資本を繋ぐ人類の大発明の一つです。
皆様の投資家ライフが穏やかで、未来あるものであり続ける事を願っております。
written by
S.A.ham.ponta
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