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フランス・バスク料理①

バスクについてのブログも終盤、
バスク料理についてです。
私がパリに住んでいた頃、バスク料理といえば
プーレ・バスケーズ(鶏のバスク風煮込み)とガトーバスクくらいしか知りませんでしたが、
バスク地方に引っ越ししてみると、
マルシェやトレッテール、レストランで
パリでは見なかった料理がたくさん見られました。

Piperade、Garbure、Ttoro、Xangurro、Kaskarote、Marmitako、Axoaなどなど

文字だけでは全く理解できない料理名ばかり(笑)

何なのか分からないけれど、とりあえず試してみる!
そこから始めると、どれも素材を活かしたシンプルな味でどれも美味しいものでした。

そのなかでも気に入って、京都の料理教室で取り入れたのが
ピぺラード、イカの墨煮、バカラオ(塩鱈)のファルシー、アショア、鶏のバスク風煮込み、ガトーバスクです。

<ピペラード Piperade>

Anne-Marie GaleのLa cuisine Basqueの本より


見た目は野菜のトマト煮込みのような、南仏でもありそうな料理に見えます。
でも材料は玉ねぎ、ニンニク、ピーマン、パプリカをたっぷり使ってトマトは少なめで煮込みます。食べる直前に溶き卵を加えて半熟で仕上げるのがポイントです。これにバイヨンヌの生ハムとバゲットがお供に。

<イカの墨煮 Chipirons a l’encre>

同上の本より


イカ墨を使うのはフランスでも珍しいと思います。
スペイン料理に近いものを感じますが、コニャックを使用したりとフランス料理の技法で作ります。

<バカラオのファルシー Piments farcis a la Morue>

バスクで買った絵葉書


バスクの名産、塩たらを塩抜きし、じゃがいもとニンニクと共に潰したものを赤ピーマンの中に詰めます。見た目に鮮やかな料理です。バスクではグリルして皮と種を取り除いた赤パプリカが缶詰で気軽に手に入るのでそれを使用しますが、日本で作る場合は生パプリカから作りました。

<アショア Axoa>


おそらく一番バスクらしい家庭料理。親戚が集まったりお祭りの時などにいただきます。一般的には仔牛が使われます。欠かせないのは赤と緑のパプリカ。バスクの旗の色になるよう、黄色パプリカは使いません。
フランス料理にはめずらしく、肉を小さく切って(刻んで)調理しますので、見た目はフランス料理的ではないですね。
初めて食べた時、これは日本人ぜったいに好きだぞ!と思いました。バスク以外ではほとんど見かけることがないのですが、バスクのどんなに小さな村のマルシェでもどこにでも売っています。

<鶏のバスク風煮込み>

同上の本より


パリのコルドンブルーの地方料理でも学びました。フランス全土的には圧倒的に知名度がありますが、バスクではアショアの方がより身近な家庭料理だと思います。材料は鶏肉、赤と緑パプリカ、玉ねぎに生ハム、ニンニク。ライスやじゃがいもを添えていただきます。


レッスンの写真


これらの料理、本場ではいずれにもピマン・デスペレットを使用します!

次回は最終回、ガトーバスクをはじめとするスイーツをご紹介します!



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