見出し画像

今もなお受け継がれる最古のオーデコロン【4711】

今では合成香料でつくられるのが当たり前となった香水。
香水文化がはじまった当時は人工的に香料をつくる術がない時代。
天然香料のみでつくられた大変貴重なもので、貴族たちの間で楽しまれていました。
そんな天然香料でつくられた世界初の香水が『ケルンの水』と呼ばれるもの。

AEAJの検定でも出てくるのでアロマを勉強された方ならご存知かも。


はじまりは今から200年以上前の17世紀末。

イタリアで『アクアミラビリス(すばらしい水)』と呼ばれ親しまれたものを、ドイツのケルン市で売り出したことがきっかけでした。
フランスでは、『ケルンの水』という意味で『オーデコロン』と呼ばれ、またたく間に広まっていきました。

よく耳にする『オーデコロン』は、実は世界初の香水のことを指していたんですね!

ベルガモット精油を中心に作られた爽やかなその香りは、ナポレオンも愛したと言われているそう。



そんな世界最古の香水『ケルンの水』。
実はその伝統は今でも受け継がれ、『4711(フォーティセブンイレブン)』の名でつくられているんです。

それがこちら。

画像3

歴史を感じる重厚なデザインで、とってもおしゃれ…!!

この記事を書くときに調べていて初めて知ったのですが公式HPもあり、そちらもすっごく素敵でときめいた…。

これです↓


なぜ名前が数字なのかというと、
ナポレオン占領下の当時、命令によってケルン市の建物すべてに番号がつけられ、工場の番号が4711番だったことからきているんだとか。

香りは改良されているとは思うけど、ずっと当時の製法を守り続け、今でも香料は植物素材だけでつくられているんだそうですよ。

そんな香水、なかなかないですよね。
とても貴重!!


AEAJアロマブレンドデザイナーの授業では、この4711の香りを参考に自分なりの4711を調香します。

ちょっとわかりづらいけど、よく見るとラベルの裏に原料の成分が書かれています。

画像2

画像3


…おわかりになりますでしょうか。笑

リモネン、リナロール、ゲラニオールなどなど。
この表示を参考に、同じ芳香成分を含む精油を選んで4711の香りに近づけていきます。

これが、すごく楽しくて難しい作業。
当たり前だけど、絶対にまったく同じ香りにはならないからです。
だから、4711の香りを自分なりに解釈し、自分の考える4711を形にしていくんです。
ただマネするのでなく、たとえば和の要素を取り入れたりとか、4711を纏った人を想像してみたりとか。

ベースは4711に近づけながらも、オリジナリティを取り入れていくのでとても勉強になります。


アロマの恩師は毎年この作業をして、自分の調香の腕を確認するんだそう。
私もまた一年経ったときに試してみようと思っています。


ちなみにですが、この4711はとても爽やかで嫌味がなく、香水がニガテな私でも好きだなと感じる香り!

香水ニガテな方も試しやすくておすすめですよ〜



いいなと思ったら応援しよう!