3文字の治外法権
“え゙!?”――。
うぷぷ、二度見余儀なく。見間違いかも知れぬから。
“…や、やっぱズバリ!?”――。
初見の動体視力は正しかった。
《お風呂で 〓〓こすくい》
何かこの場で皆さまに、ストレートに文字披露するのも憚られるのでゲタを履かせた…
…が、ドラッグストアで見つけたコヤツはゲタもモザイクもない、直球℃ストライク!
アウトでなく、セーフなんや…コレ?
見た瞬間、[〓ん〓]の3文字の破壊的熱量に網膜焼き付き思考停止。
とりま、コヤツの前に佇んでいてはいけないとだけ思い至り。
その場を離れ、買い出し再開。
“…すっげーオモチャやな!? お風呂で…すくうんケ?”
…気付けば、商品棚をひと回りして再び元の場所へ。
“…写メるのが使命な気がする”
(パシャリ)
[こんなん出ましたケド…?]――とキャプション添えて、LINEで友へ。
[かわいい!]
思った通りに食い付いた友よ…“かわいい”のか、う〓〓って?
ナンヤカンヤで、ニンゲンって“う〓こネタ”が本能的に好きなのだ。
観光地の土産物屋では〈金の〓んこ〉が赤座布団付きで売られているし。
《Dr.スランプ》のアラレちゃんは、枝でうん〓をツンツンしていたし。
巷のおガキさまは全般、“〓んこ”を見れば聞けば、アドレナリンが噴出するっぽいし。
オトナだって“うん〓話”がマナ板に載れば、お下劣ながらも十中八九――場は盛り上がる。
地元京都では、“大丸サン”“飴サン”と同じニュアンスで“う〓こサン”とサン付けで敬う。
とにもかくにも――このオモチャを発想したヒトはスゴいな!?
湯船に“何か”を浮かべてすくって遊ぶ…ってまでは凡凡凡――その“何か”を“うん〓”にしちゃうのが、恐れ入谷の鬼子母神!
〈探偵手帳〉〈秘密基地〉…やらに並ぶ最強アイテムのダイレクト投下。
巷のおガキさま(特に♂)のココロを、クイッとすくい取るに違いなく。
実態とは明らかに乖離した“〓〓〓”を‘かわいいモノ’として認識出来る本能の治外法権的作用に、改めてニヒルな笑みがこぼれるのでR。