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在宅医療、歯科医療とオンライン診療(保険算定要件について・新型コロナウイルス感染症対策の特例)

今までの問題点

在宅医療では、多くの場合、患者に対して、在宅医療総合管理料を算定しています。
在宅医療総合管理料とは、「在医総管」(以下このように省略します。)と呼ばれ、在宅医療を行う場合に一月定額の基本料金を算定するもので、基本的には、必要な処置について別途料金をとることができません。また、この在医総管の一定の点数を算定する要件として、月2回訪問して診療しなければならないことになっています。もちろん訪問は医師が行います。
その2回の訪問のうち1回だけでもオンラインでできればよいのですが、二回とも対面でなければならないとされてきました。昨今の新型コロナウイルス感染リスクを抑えるためにも、対面機会を減らす対応ができず、また患者さんからもお断りされてしまうケースすらあり、在医総管の点数算定(月2回以上)の要件を満たさなくなってしまう可能性があると考えられます。
この点はオンライン診療の活用にも足かせとなっていたと考えています。
(月1回オンラインで代替する場合、オンライン診療料の施設基準の届出をしていれば、少しカバーできますが、月2回の点数には及びません)
また、歯科でもオンライン診療はできませんでしたので、痛み止めの処方が対面以外ではできなかったという問題点がありました。

中医協の審議

保険診療の診療報酬を決めるのは、中央社会保険医療協議会です。(中医協といっています。)ここの審議で決まれば保険点数として算定でき、公的保険でカバーされる(患者の負担が減る)ということになります。
この中医協で、在医総管の月2回以上のカテゴリの点数を算定する場合には、1回はオンラインでよい。となったようです。(月1回のカテゴリの点数を算定する場合には、オンラインだけで可)

歯科について

歯科も医科と同様に初診料、再診料、処方料等が算定できるようになるようです。

在医総管の制限事項

5月以降は、2月以上連続で1回訪問、1回オンラインとなってしまった場合は、月1回の訪問の点数しか算定できないとのことです。また、1月に1回を算定している患者の場合は、5月以降は在医総管をオンラインだけでは算定できないこととなっています。

結果

在宅医療こそオンラインの出番があるのですが、対面を必ず行うことという縛りがある点では、まだまだな感がします。

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