「作家として独立した年」
今年は作家として独立した年である。
世の中のおもちゃ作家という仕事は、大抵は製造業なので、アトリエのように体験型施設という形でおもちゃ作家をしているのは、全国でも僕ぐらい。
そういう状況の中で、今年はちゃんと日々の生活ができるくらいの売り上げを確保することができ、しかも、自分が作家として過ごしていくゆとりのある働き方を目指していた。
独自な打ち出しを模索しながらアトリエを運営する日々は、まさに手探りをしながら挑戦するような感覚だった。
ただ、アトリエを運営していく中で不思議と不安みたいなものはなく、むしろ、多くのお客さんが来ることが日々のアトリエの進化をするためのヒントの連続だったので、迷いはなかった。
また、お客さんと様々な交流をしていく中で出てくる新たなアイディアを1年間の中でどれぐらい消化することが課題だったとも言える。
今年は開業してから3年目の年ではあるが、金土日祝日営業にしたのは今年からである。なので、お客さんが何度も足を運べる余地が生まれ、かなりのリピーターさんが増えた。
1年間を振り返っていくと、アトリエを応援してくれる沢山のリピーターさんのそれぞれの顔を思い出す。
そして、リピーターさんに限ったことではないが、アトリエの様々な作品や造形物に感動し、アトリエで過ごしてもらえる事は僕が作家としてやってきて、ようやく数年作品を作ってきて報われたような出来事でもあった。
先日、4月から12月までの8カ月間の総来客数が出た。
合計で3279名の方々がアトリエに遊びに来たのである。
ここでよく考えると、こちらに越してきて5年前は普通のボロボロの民家だった。隙間だらけだったし、壁紙もすごいダサイものだったし、砂糖の蓋を開けっ放しにしていたら、翌日はアリだらけだったこともある。苦笑
その状況からフルリノーべションを行い、全世代が楽しめるようなアトリエの空間作りをコツコツと創意工夫した。
現在は社会的にアトリエとして認知され、多くの人が何かの発見があり、人から人へ感動が電波していくのが肌感としてわかる。
こうした状況になって色々と振り返るとやっぱりとても大事なのは、自分自身の中に眠る情熱をしっかりと作品として打ち出しながら、今の時代を生きている人にとって、このアトリエが何に繋がっていくのかをよく考えた上で、多くの人と真摯に関わっていくことが本当に大事だとこの一年間で強く感じた。
そして、今後はこの熱量を作品だけではなくしっかりと人前で伝える機会があるのなら、その場に行って伝える努力をしていきたい。昔から話すのは苦手だけど、そこはインスタライブだったり、講師をしたりする状況を自ら作りに出すことで克服していきたい。
世の中は暗い話が多い。国としても、超高齢化社会、超少子化、社会保障費増、地震、物価高騰等、、色々と心配ごとが多い世の中である。
それでもやっぱり今を生きている人々は、未来に期待を持って、今よりも前に進む為に日々を元気に生きてほしい。
この気持ちはアトリエで多くの家庭環境を目の当たりにしているうちに湧き上がってきた感情だ。
僕はこの感情を風化させないで、2025年もこのまま頑張りたい。
そして、だんだんと社会に向けて発信していく自分と全く関係なく自身が面白いと思えることをこれからもブレずに貫いていきたいと思う。
そして、本日クラウドファンディングが終了した、、!
支援者128名、現在の総額85万4000円の支援金が集まった。
目標額70万を大きく上回る支援をしてくれたことに関しては本当に驚いているし、応援コメントから伝わる熱量が本当に熱い。
※気になる人は下記から見てね。
支援者の皆様!ほんっとう~に!!ありがとうございました!
きっと2025年1~3月の3ヶ月間を自分の中で忘れられない3ヶ月になる。
以前にも書いたが、今まではだいたい仕事をしながらアトリエを作っていたので、今回のように没頭できる時間を捻出するのが本当に難しい状況だった。
今回はそういった意味で間違いなく没頭出来るし、今までにはない多くの人々の期待感をクラウドファンディングの力で作ることが出来た。
この状況から生み出されるものがどんな作品に仕上がるのか今の段階で自分でも想像が付かないけど、、
今思うのは、今までにはない自分の中の狂気的なものを今回の作品にぶつけたいと思っている。いや、そうならなければいけない。
狂気というと少し怖いけど、そういう鬼気迫る気持ちで臨まないと何も掴めないと思う。今までには多少あった。「おもちゃ作家として自立する」「アトリエを立ち上げる」少なからずそういう不安をかき消すようにがむしゃらにやってきた。
今はどうだろうか?今年は少し褒められすぎて、気が抜けている気がする。ダメだろ。全然ダメ。
自分はまだまだこんなもんじゃない。
自分の中の狂気をいかに掘り下げられるかが、今回の大きなキーワード。
表面的なものだけじゃない何かは狂気が織り交ざることで、何かが起こるはず。そして、その先にしか見えないものも。