《今日の新譜》C-durクラリネット五重奏「美しきロスマリン」クライスラー
《今日の新譜》C-durクラリネット五重奏「美しきロスマリン」クライスラー
20世紀初頭の美しい名曲を、ぜひお楽しみください。
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参考音源
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C-durクラリネット五重奏「美しきロスマリン」クライスラー
Schon Rosmarin
Fritz Kreisler
B-dur(別途発売中)をC-durにした楽譜です。
編成はCl.4本、Bs,Cl.です。木管五重奏との互換性があります。
サックス五重奏版、金管五重奏版、木管五重奏版は発売中です。
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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3
https://animato-jp.net/rec-band/gakufu.html
『美しきロスマリン Schon Rosmarin』は、オーストリア出身の音楽家フリッツ・クライスラー(Fritz Kreisler/1875-1962)による
ヴァイオリンとピアノのための小作品です。ヴァイオリンだけでなく、フルートやチェロ、クラリネットなどでも演奏されています。
「ロスマリン」とは、ハーブとして有名なローズマリー(rosemary)のことです。属名Rosmarinus(ロスマリヌス)は
「海のしずく」を意味します。
イングランド民謡『スカボローフェア Scarborough Fair』でも、パセリやセージと並んで、歌詞にローズマリーが登場します。
ハーブとしても用いられる植物の名前ですが古代ヨーロッパでは神秘的な力を持つと言われ、「貞操」「変わらぬ愛」の象徴と
されていることから女性の名前としても使われることが多いようです。
爽やかな強い香りがあり、丈夫で育てやすく、
古代ギリシャ時代から、ローズマリーは悪魔から守られる神秘的な力をもつとされていました。
葬儀の際には棺の上に小枝をのせたり、花嫁の冠に編み込んだりしたのです。
葬儀にローズマリーを利用する習慣は、やがてヨーロッパ各地に定着して行きました。
薬草として強壮剤や収れん剤などに利用されたりしたようです。
強力な抗酸化成分であるロスマリン酸が発見された事により、若返りのハーブとしての古くからの評判が再認識されています。
クライスラー『美しきロスマリン』においては、ロスマリンは花の名前というよりも、むしろ美しい女性、
愛らしい女性の象徴として用いられています。
曲調もその名の通りとても可愛らしく、ちょっとおてんばな感じがするところはとてもチャーミングな一曲です。
小刻みなヴァイオリンがワルツのリズムを踏むように軽やかなメロディで始ります。
とても喜んではしゃいでいるような軽やかなメロディはとても新鮮で華麗に流れてきます。
中盤ではリズムがややなだらかになり、少ししっとりとした雰囲気を聴かせてくれますが、後半はまた明るく美しいメロディに
戻り軽快なステップを踏むように華麗な曲を聴かせてくれます。
演奏時間は2分足らずと、とても短い曲ですが、短い時間の中にあふれんばかりの笑顔をふりまいてくれるような、楽しい曲です。
クライスラーの有名な作品といえば、この『美しきロスマリン』以外にも、同じくヴァイオリンとピアノのための楽曲である
『愛の喜び』、『愛の悲しみ』が広く知られています。
クライスラーは、これら3曲を自身のコンサートでのアンコール曲として頻繁に演奏していたほか、1911年に3曲をピアノソロに
編曲した「ウィーン古典舞曲集 Alt-Wiener Tanzweisen」を出版しています。
現代でもこの3作品はアンコール曲として演奏されるほか、3曲を一連の作品として取り上げる機会が多く見られます。
ちなみに、『愛の喜び Liebesfreud』の英語タイトルは『Love's Joy』、『愛の悲しみ Liebesleid』は『Love's Sorrow』、
そして『美しきロスマリン』は『Lovely Rosemary』(ラブリー・ローズマリー)と言います。
これら3曲で「ラブ・ラブ・ラブ」の愛の三部作として輝きを放ち続けています。
英国ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンス(RAD) から発売されているバレエ・レッスン用ピアノ曲集には、
バレエにおける基本的な回転動作「ピルエット」用の曲として、この『美しきロスマリン』が収録されています。
彼は7歳で特例でウィーン音楽院に入学し、10歳にして首席で卒業、その後パリ国立高等音楽院に留学し、
12歳にして首席で卒業と言う神童ぶりを発揮しました。その翌年の1888年からヴァイオリニストとしてのキャリアを
スタートさせ、20世紀前半を代表するヴァイオリニストとして名を馳せています。
アトリエ・アニマート
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