あなたを未来へ運ぶよ(前編)
2017年秋から冬にかけて。
過走行のスプラッシュが
ノッキング様症状を
呈するようになる前
微妙なアクセルレスポンスの変化と
エンジン回転数の上昇鈍化を
感じ取るようになったわたしは
スプラッシュとの別れが
近づいていることを悟った。
次のクルマを検討するにあたり、
2018年初頭の大雪は
検討材料のひとつとなった。
当時候補に挙がった車種は
スプラッシュ同様、
比較的不人気車種でありながらも
セグメントとしても同等、
価格も非常に手頃なSUZUKI イグニス。
逆輸入車でボディ剛性の高さと
ラゲッジスペースの広さが
評価されていたSUZUKI バレーノ。
上記は新車検討であったが、
SUBARUのように
航空機メーカー由来で
憧れたBMW X1や、
スカンジナビアンデザインと
誰もが認めるボディ剛性の高さに
惹かれたVOLVO V40は
中古車で検討車種に加えていた。
2018年の4月からは
看護学生2年生になり、
実習、より専門性を深めた
教科の授業なども加わり
仕事と勉強と子育てと
更に忙しく…
…いや、あまり忙しいという
表現はしたくない…
更に充実、していくのが
目に見えていた。
そんな日々をサポートしてくれる、
楽しくて心強いクルマが欲しかった。
そんなある日。
富士重工業からSUBARUに
社名変更したSUBARUが
満を持して2017年に
フルモデルチェンジしたXVが
なかなかいいらしい、との
話を耳にした。
EyeSightはver.3に、
画期的な歩行者保護エアバッグ、
悪路走破性を高めるX-MODEを搭載。
7速パドルシフトまでついている。
今まで、正直なところ
クルマを実用性で選ぶことは
少なかった。
しかし、これだけの
スペックを並べられて
試してみたい気にならないわけがない。
SUBARUのクルマが
いいクルマであることは
2014年に購入したWRXSTIで
実感済みである。
「好奇心を忘れない、大人たちへ。」
のキャッチフレーズ(当時)は
完全に自分向けだと錯覚せざるを得ない。
ただ、わたしもホイホイ買おうと
思っているわけではない。
30歳になる年ではあったが、
クルマにはそれなりに
うるさい人間になっていたので
あえて、WRXSTIを購入したのとは
別のSUBARUの店舗へ
試乗に行ってみることにした。
営業担当さんは
母校が同じであったことで、
かなり話が盛り上がってしまった。
「山下さん、恐らく少し乗っただけでは
納得していただけないと思うんで
里山、走ってみてくださいよ。」
店舗からほど近い、のと里山海道を
走ってもいいとのことだった。
今までにも他社含め、
試乗経験は何度もあったが
大体、店舗周囲の市街地で本当につまらない。
こんな近距離を少し走っただけで
何がわかるというのか、と
やや反発心を抱えていたわたしを
見透かしたかのような提案が嬉しかった。
「本当ですか?」