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爺様たちと私~日記ともいえない何か~
はじめに
初めまして、当て馬です。
この記事はお爺様方7人と一緒に夜警アルバイトとして働いていた当時20代男性の視点でお送りする日記ともいえない雑記のような物です。
あえて最初にお伝えしておきますが、執筆経験は無く、文章がつたないところが多々あるかと思いますので、ご了承いただける方はこの先にお進みください。
ただただリアルな爺様達の行動・思考、記憶の彷徨い、爺様社会の実態が綴られていくと思うので、興味がある方はご覧下さい。今後定年年齢が後ずれした場合、ある意味教科書になるかもしれないです。
★当時の「私」について
年齢:20代後半
性別:男
学歴:大卒(1浪)
趣味:競馬
性格:穏やか、考えすぎる節あり
その他:おなかはたわわ、肝臓以外はすこぶる元気。
前職を良心の呵責に耐えかね退職。凄く良い会社さんでした。
1. アルバイト初日まで
前職を退職後、職業安定所で仕事探しをしていたところ、お給料が良い夜警のお仕事を発見。前職は無形商材の営業(怪しい物では無いですよ)だったので、心機一転体で稼いでみようと思っており、深夜も強い自分にはピッタリだと思い応募したところ、ご縁が有りアルバイトとして雇用していただくことに。前職とは全く違うお仕事なので不安もありつつ、やりがいのありそうな業務内容だったのでモチベーションも上がっていたと思います。このときは一緒に働く方々について全く前情報が無かったので、まさか自分以外が全員お爺様とは思っていませんでした。
2. アルバイト初日~パワ爺との出会い~
迎えたアルバイト初日。会社に到着し、すれ違う方に会釈をしながら事務所に入ると、アルバイトの面接でもお世話になった上司に当たる方ともう一名ご老人が一緒に座っていらっしゃいました。このご老人が今後何度も登場するであろう、通称「パワ爺様」と呼ばれるアルバイトたちのボスに当たる方です。年齢は70歳前半、初対面から凄く気さくな印象でハキハキと大きな声で話される方でした。通称「パワ爺様」の名の通りパワフルな方だったのですが、「パワ」部分に別の意味が含まれていることに早い段階で気がつきました。悲しいことに。
業務内容は①全体の巡回、簡易清掃②本格的な清掃を含む力仕事の2つに分かれており、2人1組で片方が監視業務を行いつつ交代交代でそれぞれの業務を行う形式でした。初日から数回の出勤は私を含め3名で①、②両方の業務を手伝いながら業務を覚えていく体制を整えてくださったので、早速パワ爺様について行きました。
3.そんなはずは無い。いいえ、あります。
業務内容について詳しく聞いていなかったので、体で覚えるタイプか、メモをしっかり取って復習が必要なタイプかどちらでも対応できるようにメモを構えて一挙一動を逃さぬようアンテナをビンビンに張って身構えていました。簡単な自己紹介などをしながら歩いているとパワ爺様が突然壁に近づき、20個近くあるスイッチのうち、約半数を押し始めました。ん?と思いながら、恐らくこの後説明があるのだろうとメモを構えていると、何事も無かったかのように自己紹介を再開しながら歩き始めました。
おかしい、そんなはずは無い。
そう思いながら、自分の中で脳みそをフル回転させ、今目の前で起きた光景を現実か確認するため振り返りました。
今のは明らかに業務のはず。機械が1つ停止し、電気が数カ所消えた。スイッチの上には何のスイッチかが書いてあるシールが貼ってあり、説明が無いと初見では全体像が把握できない。押すスイッチが縦一列とかならまだしも、規則性も無し。上司の方が私のことを説明する上で完全記憶の持ち主だと盛りまくって話をしたのか。いやそんなはずは無い。
一旦思考をリセットして、素直にパワ爺様にさっきのスイッチは何のスイッチだったのかを聞いてみたところ、ある意味想像の範囲内ギリギリの回答が返ってきました。
「おー、さっき押したとこを押せばええから。何回かやったら覚えるやろ、若いから。」
・・・。何のスイッチかお聞きしたんですが。
この日は、ほとんどの業務においてこの形式でご指導いただきました。
4.考えたら負け
初日の勤務時間が終了し、朝出社された上司の方が少し時間を取ってくださるとのことでパワ爺様の退社を見送ったのち面談室へ。
上司の方に若干苦い顔をされつつ初日の感想を聞かれたので、「業務を覚えるのにかなり苦労しそうですが、可能な限り努力し早く一人前になります」と本心を交えつつ体裁を整えてお答えしました。
すると上司の方が少し頷かれたあと「実は・・・」と自分にとって少し衝撃を受ける内容のお話を始められました。
なんと、私が採用されるまでに3名の方が新たに採用されたのですが、全員1ヶ月以内に退職されていたのです。新人指導をパワ爺様が担当したがる(新人指導は自分がやらなければいけないという謎の責任感を持っていたとのこと)ため、退職された3名はすべてパワ爺様が指導されていたそうで、最後の方の退職時に退職理由を確認した際に、刺激的な指導方針が明らかになったとのこと。他の爺様たちもパワ爺様が直接指導しているところを見ておらず(片方は監視業務のため別行動)、私で試してみて事実確認をしたかったよう。良かったですね、事実でしたよ。パチパチ。
パワ爺様は歴が長く社内で一番設備について知識・経験があるため現状不可欠な存在で、ご機嫌ナナメになりやすい特性を有しているため新人指導から外すのも難しく、欠員1名の補充ができずとても困っていたようで、なんとか頑張って欲しいと言われました。今後更新を続けることができるようならチラッと触れる思いますが、前職は比にならないほど新卒1年目で苦労したので、コレもまた経験と思い是非続けさせてくださいとお答えしました。
このとき退職していればもっと有意義に使える時間が確保できたのかもしれません。ただ、人生90年と見れば爺様と共に働いた時間はわずかなものではありましたが、それまでの人生では経験できなかった、爺様同士のバチバチバトル観戦、爺様とお姉様方の心理戦、気持ちが良いくらいのもらい事故等、おなかいっぱいに経験させて頂きました。
★ここまでの登場人物
上司
年齢:40代後半
性別:男性
見た目:中肉中背、優しそう
性格:繊細、優しい
その他:夜警職アルバイトは私以外全員年上でやりづらそうだった印象。
社内で昇進していったため、役職がついていない時期から歴の長い
アルバイトなどは一緒に働いており、若干甘く見られている。
凄く優しい、いい人。
パワ爺様
年齢:70代前半
性別:男性
見た目:小柄・やせ型、日焼け気味
性格:褒めるとすこぶる動く。粘着質。気分屋。
仕事自体は真面目。
その他:歴が最も長く、会社のことについてはかなり詳しい。
発言力大。恐くは無い。ボリュームMAX。
悪い人では無い。お姉様方との相性がすこぶる悪い。
ちなみに爺様達の通り名は私がつけた物ではありませんし、特定防止のため若干変更しています。
手前勝手で申し訳ありませんが、モチベーション維持のため以下有料記事にさせてください。反響があるようでしたら今後もNoteで更新を続けさせて頂こうと思います。よろしくお願いいたします!
5.サイ爺登場!爺様同士のバチバチ!
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