こんな時期だけど、香港のMIKUEXPOに行ってきた #MIKUEXPO2019
いわゆる「送中條例(逃亡犯条例改正案)」で揺れまくっている香港ですが、7月最後の土日を含めた3(+1)日間に初音ミクさんの海外コンサート、MIKUEXPOのために行ってきたので簡単にレポなど。旅行記がメインですww
日本から広州→広九直通車経由で香港へ
まずは、香港へたどり着くまで。今回、香港空港は使わず、香港からおよそ130kmくらい(直線距離)離れた中国広州市の空港から、鉄道で往復して香港入りすることにしました。
これは、到着日の26日に香港空港で予定されていた抗議活動を回避するため…ではもちろんなく、単にH○Sがポカやらかして、コミコミ一万円で広州往復を売っちゃった例のアレを使ったため。FSCとはいえ中国南方航空だし、香港への単純往復がHKエクスプレスで一万円台で買えるご時世、7000円くらいの広九直通車往復代を考えると、安物買いの…感がなくはないですが、鉄道での越境もそれはそれで楽しかったのでまぁ良しww
チキンの機内食。相変わらず、底のご飯はべしゃべしゃだがそれを除けば、悪くはない。前に一回だけ食べた、職場の業者の弁当より美味いかもww ↓
最初は広州空港着14時25分からの広州東駅17時33分発を予定していましたが、13時30分過ぎには広州空港に到着。エコノミーの最前列を200CNY課金して確保していたおかげで、入国審査は待ち時間なしで通過、14時過ぎには地下鉄に乗ることができ、一本前の15時38分発に乗れてしまいました。そういえば、広九直通車のきっぷ買うときはパスポートいらんのな。
途中、常平に止まるだけであとは終点、香港紅磡までノンストップ。予定では、今回行きは中国の車両、帰りは香港の車両(ダブルデッカー)になる予定でしたが、列車を変更したため、往復香港Kttの車両(九廣通)の特等を利用しました。2+2シートの一等と1+2シートの特等では、40香港ドル(500円強)しか差がないので、どうせなら特等のほうがいいですね。
深圳を超え、川を渡ったらそこは香港です。知らぬ間に羅湖駅も通過し、上水駅のホームを二階席から眺めます。ホームのサインから、対向列車までガラッと変わり、入境したんだなぁと実感します。
二時間ほどの鉄道の旅を終え、紅磡駅に到着です。いわゆる香港新幹線、广深港高铁では、香港西九龍駅での一地両検が話題になりましたが、広九直通車では広州と香港、それぞれで出入境手続をします。ぶっちゃけ、広州では入国したその足で即出国するわけで、なんか言われるんじゃないかとビビってましたが、完全スルーでしたww 出国カードの記入を忘れてて、その場で書かされたけどww
オクトパスカードを購入&チャージ。返還前の香港ドルも使えました。
無事に入境手続きも終え、香港名物、2階建てのバスで香港島のホテルへと向かいます。…とその前に、オクトパスカードを買わなければなりません。香港のSuicaみたいなやつね。紅磡駅のサービスカウンターで、購入したのですが、実は手元に、返還前の1980年代とか書いてある100香港ドル札とか50香港ドル札があります。じーさんの置き土産。恐る恐る使える?って聞いたら大丈夫でしたww
ホテルは、湾仔のルネッサンスホテルだったのですが、どうやらACGHK(香港動漫電玩節)がすぐ近くの展示場で行われていたようで、いくつものオタクとすれ違いましたwww
部屋は、一応ハーバービューにアップグレードされてはいましたが、角度が真横を向いているタイプで、尖沙咀は見えないww
ラウンジからの眺めはさすがに良かったです。
シンフォニー・オブ・ライツをチラ見しつつ香港西九龍駅へ
そうこうしているうちに20時近くになってしまいました。もうすぐ、シンフォニー・オブ・ライツも始まりますし、スターフェリーからチラ見しつつ、尖沙咀方面に向かってみます。
数分で対岸へ到着。香港西九龍駅までそのままお散歩です。ちなみになぜ、西九龍駅まで行くのかと問われれば、それはまぁ鉄オタ根性というかなんというかww 見たいじゃん。せっかくならww
レノンウォール
そして西九龍駅へと続く地下道に差し掛かると…。噂のアレがありました。レノンウォール。抗議を示す付箋やビラなどが壁にたくさん貼られています。このレノンウォール、香港各所にあるはずなのですが、今回、初めて目にしました。
どこかで見たデザインですね…。
西九龍駅と香港トラム
さて、着いた香港西九龍駅はそれはそれは巨大な駅でした。地下から最上階まで大きな吹き抜けで、どこか空港のロビーを思わせるそのデザインは、GWに旅したそれは、まさしく人民鉄路の駅。「一地両検」は象徴的なものかもしれませんが、なんというかもうこの建物自体がな…と。
"香港"から"中国"が見えます。そう、この吹き抜けの下は、すでに出入境後なのです。
西九龍駅の最上階には展望デッキがあり、そこから香港の夜景を望めました。
その後は西區海底隧道経由のバスで香港島へ戻ります。金鐘行きのバスだったので、その後湾仔に戻るのに、香港名物、2階建てトラムに乗車したのですが、最高すぎた…。
非冷房のため、窓も全開で走っているのですが、吊り掛けモーターの音を聞きつつ、生温かい風を感じながら乗る夜のトラムは本当に最高でした。しかもどこまで行っても、2.3香港ドル(30円)。これだけで香港の虜になってしまいました…。
香港到着は夕方でしたが、数時間の街歩きによって、横断歩道の信号待ちでスマホをいじってても、テケテケテケテケテケテケテケテケで自然と前を向くように成長したところで一日目終了です。
早朝のトラム散歩(香港中聯辦&パシフィック・プレイス)
朝日を浴びつつ、旅行中、寝坊しがちな自分にしては珍しく早起きをして街へでかけます。目指すは、西環方面。7月21日に、国章にタマゴやら黒インクやらがぶちまけられていた、香港中聯辦(中国の香港出先機関)があるところです。
まずは、すでに病みつきになってしまったトラムに乗車。
香港でもサイゲさんは元気です。
中聯辦を護るバリケード。せっかくなので、国章を撮りたかったのですが、早朝にも関わらず5人以上がずらっと並んで警備しており、チキンなので眺めるだけにしましたwww とりあえずまだアクリルパネルは付いてなかったですww
このあたりは、28日のデモでも催涙弾等々が使われたりと、混迷を極めたようですが、この時は当然、穏やかな時が流れていました。ちなみに、ギリギリで今回の宿をルネッサンスにしたのですが、旅行一週間前まではこの中聯辦の目と鼻の先にあるコートヤード香港に泊まる予定でしたww
トラムよトラム。そなたはなぜそんなにも楽しいのかと問いつつ、中環方向へ戻ります。
降りたのは金鐘。ここには、パシフィック・プレイスという巨大複合施設があるのですが、6月15日の夜、一人の男性が、抗議の飛び降り自殺を行った場所です。直後はその現場周辺には、多くの花束などが供えられていたようですが、流石にもう片付けられていました。ただ、立法会が近いということもあり、多くのレノンウォールが目に付きました。
すでに早朝と言える時間も終わり、暑くなってきたのでホテルに戻ります。しかし、2階建てトラムだあるだけでどこ撮っても画になる香港すごい…。
ホテルの近くでは、ACGHKのために朝から香港オタク達が列をなしていました。オタクは世界共通、朝から元気です。
帰る途中、道端のおばちゃんから買った蘋果日報では、当然のことながら、昨日の空港での抗議活動が一面で取り上げられていました。
眺めのよいラウンジで朝食を食べ、いよいよMIKUEXPOに出陣です。
MIKUEXPOの会場へ
チケットの引換もすぐに済み、物販列を探して、屋外に並び始めたのですが…。やべえ…すげえ…暑い…。
並んでる途中、水の無銭配布があったのですが、すでに”お湯"でしたww
さらには、倒れてスタッフさんに運ばれていく女の子を目にしたりと、香港公演で警戒すべきは白Tでもましてや黒Tでもなく、この天気でした…。
炎天下の中、四時間ほど耐え忍び、いくつかのグッズを購入。マウスパッッドが予想外にでかくて吹きましたww絵はすげーかわいいんだけどww(↓上の横長の商品。その下は比較用のA4クリアファイル)
毎度おなじみどこから来たの?
ピアプロの壁と祭壇。
その他、キービジュアルとか。
MIKUEXPOと元朗デモ
この日も香港では、デモが行われています。とはいえ、場所は会場からはかなり離れた地区。せいぜい、一旦ホテルに戻ったときに、駅の運行情報を見ながら特別事故とは不思議な言い回しだなwwとか思う程度でした。
ただ、その後夜公演直前に戻った際には、ミクさんのMVなどが流れていた、ビルに備え付けのモニターに元朗の様子が。ある意味、珍しい写真が撮れてしまいました。
LIVEは最高でした
そして、待ちに待ったLIVE。最高でした。
今回、そもそも後ろのブロックだったので、見えるかどうかからして心配だったのですが、まったくの杞憂でした。しっかりと段差もつけられていて、席も仮設の椅子ながらくっそ狭いパイプ椅子ぐるぐる巻きではなく、マジでマジカルミライには見習って欲しい…。
セトリは割愛しますが、ヨーロッパで聴けなかった、Decadeを聴けたのは良かった! 台湾でやってたっていうネタバレ踏んではいたのですが、LIVEの流れ的に、てっきりSharing the Worldあたりと入れ替わってしまったのかと思っていて、ないのかーと思いきや、アンコール一発目とは!!ただ、中華圏のLIVEで、いーあるふぁんくらぶがなかったのは意外かもww
マジカルミライのように上部スクリーンも活用されるなど、演出もかなりグレードアップしていて、まさしくMIKUEXPO5周年にふさわしいLIVEでした。コールや歓声も、そもそもミク廃に国境なんてあってないようなもんなので、いつもと変わらない…いやむしろそれ以上な感じww そんな私は、またしてもリモコンのコールを間違えました。いつか覚える日は来るのだろうか…。
世界のどこのLIVEでも、最高のものを届けてくれる。やっぱり、ミクさんなんだよなぁ…。ミクさんマジ天使。
ライブ終了は22時。デモによる交通混乱も、ちょっとは心配していましたが、特段の問題なく、スムーズにホテルへ帰着。二日目終了です。
啓徳空港へ
翌朝は、夕方の香港出発まで再び市内を回ります。まずは近くのスーパーでお土産等々を購入。ついでに自分用にスナック菓子とかも買ってきましたww
朝食を食べ、目指すは啓徳空港の跡地。香港と聞いた瞬間に、まず訪れてみたいと思ったのがここでした。まずはトラムで北角まで向かいます。
ちょうど、乗ったトラムは北角止まりの便だったので、折返しのループ線に入ったのですが、ちょうどそのループ線のところは、路上市場になっていて、人をかき分け進んでいくトラムから見た景色が面白かったww
さて、ここからは船で啓徳へと渡ります。高徳地図によれば、10分~20分に一本出ているらしいのですが、行ってみたら一時間毎で、30分ほど待ちましたww
啓徳空港の跡地は、現在クルーズ船のターミナルになっており、今日も、香港のクルーズ船、世界夢号が停泊していました。でけえ…。
啓徳の降り場に到着です。階段が海上に浮いてるだけの場所でしたww
このあたりはまだまだ開発中のようで、日本の中古っぽいショベルカーなどがありましたww
そして、さきほどのクルーズ船がすぐ近くに。ウォータースライダーとかもあるのか…なるほど…。
そして到着。啓徳跑道公園。
在りし日の啓徳空港と、九龍城砦。
"Goodbye Kai Tak, and Thank You."最後の日に管制官が発した、あまりにも有名な言葉。このランウェイの上で目を閉じれば、在りし日のキャセイの747がアプローチしてくる姿が浮かんでくるような…。
フェリーターミナルの中にも入ってみましたが、閉店ガラガラの状態で、特にお店等も見当たりませんでした。反対側の端っこの方には行ってないのでアレですが。
九龍城砦の跡地へ
ちょうど出発しそうだったミニバスで九龍湾駅まで出て、再びバスを乗り継ぎ、目指すはこちら。
九龍寨城公園。あの九龍城砦の跡地には公園になっています。やはり、啓徳空港に行ったならここも外せませんww この上を通る、着陸パターンの時には、大きくカーブする飛行機の窓から、ここの住民と目があったと言われていますww
公園の門の近くには、九龍城砦の模型がありました。
奥のとことかは、一切日は当たらんだろうなぁwww
在りし日の九龍城砦の展示も。
さて、実はそろそろホテルに戻らなければなりません。実は、ちょうど公園についた頃に大雨にあたってしまい、一時間ほど雨宿りをしていたのでした…。
出境
ホテルをレイトチェックアウトし、紅磡駅へ。
出境手続きを終え、香港滞在ともさよならです。もっといたかったな…。でも、正直、重慶と同じくらい気に入ったので、再来すると思いますww 公共交通機関に乗ってるだけで観光になってしまう都市は強い…。
帰りも香港Kttの車両です。Kttの車両の場合、食堂車はありませんが、車内販売で弁当を頼むことはできます。
白汁雞皇飯。クリームシチューみたいなやつです。割高ではありますが、香港ドルも余ったことだし…。
国境通過。
広州到着
快適な旅を終え、広州に到着です。
混雑で有名な広州地下鉄3号線。確かに混んでいましたww
今日のホテルはアロフト広州天河。アロフトに泊まるのは実は初めてですww
フロント前。なかなか個性的な感じでしたww まぁモクシーみたいなもんですよねww
食在広州(食は広州に在り)
広州ではほとんど観光はしていないのですが、食在広州ということで、名物っぽいのも食べてみたり。
銀記腸粉店。広州の有名な腸粉のチェーン店で、市内各所にあります。ホテルの近くにもありました。腸粉とは、ライスペーパーの春巻きみたいなもの…といえば良いのかどうか。うまかったです。
それから翌日は、広州酒家で飲茶をちょっとだけ…。
そんなこんなで、昼過ぎの便で帰国したのでした。
香港は安全か
さて、期せずしてこんな時期にミクさんのライブを見に香港へ行ってきたわけですが、結果としては、一切何の問題もなく、香港を満喫してくることができました。
とはいえ、だから香港は安全です!とは思いません。ただ、では逆に日本は安全なのかといえばどうなのか…。
ちょうど出国中、日本では大きめの地震がありました。香港のデモに巻き込まれて、怪我をするのはものすごく怖いけど、地震で怪我をするのは問題ないというわけでもないでしょう。
夜にデモ隊の先頭を見に行くとかでもしない限り、人的被害という面ではそこまで過剰に心配するような話でもないとは思います。
ただ、デモ等によって、交通機関が混乱したりということは十分に考えられます。バスのルートが変わったりもするみたいですし、2階建てトラムを楽しみに行ったら、運休中ということもあり得ます。
そういったことまで、旅の思い出として処理できるのであれば、逆に今行く意味もあるのかなと思います。
香港が安全とか危険とかの話以前に、そもそも我々の生活は常に薄氷の上に成り立っているのだということを、これからも心に留めておきたいですね。
ということで、個人的にはとても楽しい香港の旅でした!
再見!香港、多謝晒!