鉄道とバスを乗り継いでカットバ島へ向かう方法
だからぼっちはカットバ島を目指す
もう数ヶ月経ってしまったが、去年の9月下旬に一週間ほどベトナムとラオスを周遊してきた。ベトナムでは、前々から行ってみたかったハロン湾方面に行ってみることにしたのだが、どうせならハノイからの日帰りではなく一泊二日で楽しみたい。
ハロン湾で1泊というと、いわゆるクルーズが一般的だが、お察しのとおり異常独身男性のぼっち旅である。ずっとキャビンに引きこもってるわけにもいかないだろうし、ぱーりーぴーぽーな人たちに囲まれる…かどうかは知らないが、一泊二日のクルーズ旅行は流石にハードルが高い…。
なんか、他に策はないかと調べると、ハロン湾に浮かぶ楽園、カットバ島というキーワードが見つかった。検索してみると、奇石も連なる美しいビーチに面したいい感じのホテルもあるようだ。ホテルであれば、ぼっちでも全く問題はなく、その美しいであろう風景のみを余すことなく享受できる。
あえて直通シャトルを使わないという選択
目的地が決まれば、あとは交通手段だ。一般的に、ハロン湾方面に向かう際に使われるのは、ハノイから直行するシャトルらしい。カットバ島の場合は、島であるためもちろん車だけというわけにはいかないが、地上の車移動とハイフォンという港町からカットバ島へ渡るためのチケットも含んだ直通チケットで行くのが、一番早く、そしてカンタンなようだ。というか、カットバ島・行き方、とかで調べると99%そんな話ばっかりが出てくる。
だが、その途中の経由地の港町、ハイフォンまでは鉄道で行くことができる。鉄オタ的には狭苦しい車に揺られるよりも鉄道の方が楽しいし、何よりこの路線の場合、あのロンビエン橋を鉄道で渡ることができる。
ただし、時間はかかる。ハイフォンの場合、車であれば数年前に開通したぴかぴか高速道路もあり1時間半くらいで着くようだが、こちらは120年以上前に開業した路線をオンボロ列車がちんたら走って2時間半。メリットといえば運賃が安いことくらいだが、ハイフォンまでならともかく、結局その後乗り継いでカットバ島へ行くとなると、シャトルの直通チケットとそう変わらない気がする…。時間もかかり手間もかかり、そのうえ金もかかる――でもまあ異国の地では鉄道に乗れと古事記にもそう書いてあるし、でんちゃに乗りたいのででんちゃに乗ることにした。以上。
ハイフォン行き列車に乗る
朝、1泊2日分の荷物だけを持ってホテルをチェックアウトし、ハノイのロンビエン駅へと向かう。本来であれば始発のハノイ駅に向かうべきなのだが、平日は市街地中心部の踏切の混雑を避けるためか、ハノイ駅まで乗り入れず、その隣のロンビエン駅が始発駅となるらしい。
ちなみに鉄道のチケットは、予めネットで購入しておいた。以前、ベトナムを鉄道で縦断した時もお世話になったこちらのサイトだ。
手数料等もかかるため、現地で買うより割高にはなるが、シートマップで早めに好きな座席が選べるというメリットもあるので、今回も先に手配しておくことにした。チケットがEチケットで添付されて送られてくるのも以前と一緒だった。
一面一線の小さな駅でヒマを持て余しつつ待つ。待合室に自販機があるが、多分売店もあったような気がする。
バリアフリー?なにそれ美味しいの?というステップをよっこらせと登り、ハイフォン行きへと乗り込んだ。集団見合い式のソフトシートな車内は思ったよりキレイ。
ほどなくして出発し、早々にゆっくりとロンビエン橋を渡っていく。
道路との併用橋なわけだが、四輪車は通れない橋のため、すれ違うのはバイクばかり。そして橋をわたりきってしまえば、あとの車窓はベトナムらしい、田舎の風景が広がる。
気持ちのいい退屈なひとときを過ごし、お昼ごろ、無事ハイフォン駅へと到着した。
カットバ島へ渡る
さて、ハイフォン駅までは着いたものの、ここからカットバ島へ向かわなければならない。鉄道でハイフォンまで来れさえすればあとは、何でも良いので駅前にカットバ島行きのチケット売ってるところとかないかなぁと淡い期待を抱いていたが、どうやらそんなことはなさそうだ。
前述した通りカットバ島へはハノイからのシャトル等の利用が一般的なうえに、コロナ禍を挟んでしまったためにそれ以前の情報がアテにならない。コロナ禍前はハイフォンからカットバ島の中心部へ直通するスピードボート等もあったようだが、今はない様子。
とりあえずGoogle Mapで検索してみると、ここから「16C」というCát Hải 行きの路線バスでGot桟橋(Phà Gót)まで行き、そこでフェリーに乗り、降りてまたそこから路線バスでカットバ島の中心部へ行く、という方法があるらしい。とりあえずこれに従うしかないということで、グーグル先生が示す通り、大通りの方へ向かっていく。
とりあえず、しばらく大通りを彷徨ってみると、なるほど果たして目的のバス停はあった。
一応Google Mapでは30分間隔での運行となっているので待ってみる。だが、30分待ってもそれらしいバスが現れる気配はない。別に待つ分にはいいのだが、そもそも本当にこのバスが運行しているのかどうかが怪しいのがつらいところ。
だが、流石はグーグル先生である。そこまでの嘘つきではなかったらしい。「16C」としっかり掲げられた路線バスがやってきた。
車内に時刻表らしきものが掲げられていたが、どうやら日中は45分間隔くらいで走っている様子。
1時間ほどバスに揺られ無事ゴット桟橋へ到着。さて、ここからはフェリーに乗ることになる…のだが、ちょうど降りた先でカットバ島へのスピードボートが客引きをしていた。聞けば、カットバ島への中心部まで連れて行ってくれるらしい。100,000ドンとそれなりに高いが、まぁこれでさっさと向かってしまう方が楽そうだ。
ということで、チケットを買い、フェリー乗り場ではなくすぐそこの桟橋からスピードボートでカットバ島へと向かうことに。
ものの数分で、反対側へと着き、そのまま連絡バスに乗りこむ。今回買ったチケットは、HADECO社というところが運行しているらしい。
無事、カットバ島の中心部へと到着。
この後は、カットバ島で泊まった、「Hôtel Perle d'Orient Cat Ba - MGallery」へと向かった。
カットバ島からハイフォンへ戻る
帰りはホテルでハイフォンに帰りたいんだけど…相談したところ、ハイフォン中心部までの直通チケットを案内してもらえた。タクシーでダウンタウンの南端にある始発乗り場まで連れて行ってもらう。こちらは、行きに使ったHADECO社とは違う、Cát Bà Island Resort & Spaというところがやっているらしい。
チケットは乗り込んだ後車内にて購入。ハイフォンまで140,000ドンだった。
バスでカットバ島側の桟橋、そこからスピードボート、そしてまたバスと順調に乗り継ぎ、終点の運行会社の営業所で降ろされた。
なので、多分、逆にカットバ島へ行くときはこのへんに来れば、同じように行けそうだ。降りると、バスの客を待ち構えていたバイクタクシーがたくさんいたが、ここからハイフォン駅まで歩いても20分ほどだし、まだまだ乗り継ぐ時間もたっぷりとあるため、ハイランズコーヒーでお茶しつつ、ハイフォン駅から列車に乗って帰った。
行きの時に触れたが、平日はロンビエン駅発着になる列車が多いものの、この列車はハノイ駅まで直通する列車になっている。そのため、トレインストリートを車内から眺めることもできた。ただまぁ中から見るより、外から眺めたほうが楽しい気がする…。
やはり異国の地で鉄道に乗るのは楽しい。まぁまぁ手間も時間もかかる日程だったが、楽しい旅だった。
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