天空の城 ラピュタ
これ以上に好きな映画はない。
これ以上に何度も何度も繰り返し見た映画はない。
小さい頃、私はシータで不思議な力を持っているお姫様様だと信じていた。
いつかこの劣悪な環境から連れ出してくれるパズーが来ると信じていた。
大人になってもどこかで信じていたような気がする。過去に、パズーの様に迎えに来てくれた人はいた。ただ、自分が全幅の信頼を他人に委ねられるほど成熟していなかった。
パズーが燃え盛る塔にいるシータを迎えに来た時、
シータは何の迷いもなくパズーの胸に飛び込んでいる。それは、自分の選択への覚悟が必要な行為である。
幼い私は、ただ待っていれば良いと思っていた。
待っていればパズーが迎え来て、連れ出してくれると思っていた。
いや、違う。結局最後は自ら飛び込むのである。