床を温める方法 ~熱海の崖に家を建てる【設計・設備編】
みなさんこんにちは、ゆりです。
さてさて、実施設計が進んでいます。
化石燃料をなるべく使わない家をつくりたい!
電気代やガス代が恐ろしい勢いであがっていくことを目の当たりにし、私たちの当初案は時代の先を行っていた、とにんまり。
一方で、素人が自分の頭で考えた方法はオーバースペックだったり、異常にコスト高だったり。
今日はVUILDの設計・設備チームとの議論から、新しい解決策がみえてきましたという話です。
化石燃料を使わず、暖かい家をつくりたい
私の未来予測によると、化石燃料によるエネルギー費用は今より、もっともっとあがります(私でなくても、わかることですが)。
よって、化石燃料をなるべく使わずに暖かい家をつくる、ということが熱海CaseStudyHouseの命題。
過去の記事にも書きましたが、家庭で消費するエネルギーで最も大きいのは「熱」。
そこで、床暖と給湯のエネルギーをなるべく脱化石燃料にすることを目指します。具体的には、木質バイオマスであるペレットボイラーを入れ、足りないところは太陽光発電とプロパンガスを用いたエコワンを採用しようと考えました。
1年半くらい前にペレットボイラーについてネチネチ調べていたことが、やっと具体的な話になってきました。
熱がもれない家にする
インプットもそうなのですが、そもそも熱が漏れない家にすることも重要です。
今の家は、見た目重視で諸々選定。仕様は設計士さんの言う通りで、あまり深く考えて選択していません。
例えばエネルギーを外に逃す窓。天井までの木製ハイサッシは、ペアガラスにはしているものの、木製サッシの建て付けに課題があるようで冬の寒い日は微妙な隙間から少しだけ冷気を感じます。窓の建て付けは要注意です。
一方で木製サッシは結露しません。断熱の観点ではなく意匠の観点で選択したのですが、正解でした。
無意識に選択したアルミサッシは結露しまくり。ハイサッシにしたことで天井部分にカビができていたり、いやはや。
サッシや窓ガラスの選択は後々の快適性や掃除の手間に影響を与えますね。
熱海CaseStudyHouseは窓が多い。
今の家の反省をふまえ、サッシの立て付け、素材、ガラスの厚さを考える必要があります。窓から断熱性能の高い家にしていきたいですね。
ペレットボイラー、本当に入れる?
実施設計を進めるにあたり、設計チームから重要な問がありました。
「ペレットボイラー、本当にいれますか?」
入れるとなると、ボイラーと貯湯タンク、サイロが必要となり、それだけで1部屋分となります。費用も高額。機器だけで600万円+配管工事費用。
図面には、寝室の半分くらいの面積を食うペレットボイラー室が出現しています。せっかくつくった建屋が設備で埋められてしまうのは、ちょっともったいなあと思うわけです。
一方で、サイロがあるので、冬のピーク時でも月に1回くらいペレットを補充すればあとは自動運転してくれる手軽さもあります。
うーん、どうしたものか。
同じペレットを使うのならば、ペレットボイラーではなく、ペレットストーブと床暖という組み合わせにしてはどうか、というのが代替案。
設備チームに調べていただくと、ペレットストーブを使って床暖対応をするためには、床暖とストーブの間に蓄熱層が必要とのこと。
やはり設備が多くなってしまうので、よい解決策になりません。
うーむ、困った。
温風で床を温めるという方法
ここで、設備チームからとてもよいアイデアをいただきました。
床暖を「暖かい床」と考えれば、温水配管ではなく、ペレットストーブが温めた暖気を床下にくぐらせ、温風暖房にしては、というのです。
断熱性能の高い家をめざしているからこそできるのでは、と。
この提案、ペレットストーブと床下チャンバーで実現できるので、設備的な負担も軽くなります。
費用も、ペレットストーブ代(40~100万円)、工事費用(70万円)、床下チャンバー設置費用、ですむので、ペレットボイラー式より随分安い。
デメリットは、手間かな。年1回の煙突掃除と毎日の灰掃除。ペレットは品質のよいものを使うことがマストとのことで、ここでケチらないことが重要とのことでした。
ついでに、プロパンガス代金の高騰を考えると、昼間の太陽光発電でつくるお湯の量が多いエコキュートにしてはとの提案がありました。エコワンのタンクは50L、エコキュートは200Lなのだそうです。
風呂の大きい我が家にはエコキュートが現実的であるように感じます。
まとめ
無理筋のペレットボイラーから、現実的なペレットストーブと床下チャンバーへ。床下チャンバーを通じ、暖気の通り道を実施設計に盛り込んでくださるとのことです。夏の冷房の冷気の通り道もあわせて考えてくださるそう。
空気の通り道をデザインする住宅っていいですよね。
設計チームの現実的な提案に頭がさがります。