ビルドデザイン試行錯誤中。 ~熱海の崖に家を建てる【設計編】
みなさん、少しご無沙汰しております、ゆりです。
親戚に不幸があったり、私自身も流行り病にかかったりと、少し低調な7月でした。人生いろいろありますね。。
そんなこんなでありますが、我が家のメタアーキテクトVUILD秋吉さんとそのチームは着実に検討を進めてくれております。
月も変わり、人間も猫さんも気分一心。タイトルのサムネイルは、先日の打ち合わせでいただいた図面の家族会議中に、「ボクもかまって」とトトさんが全身でアピールしているところ。
今日は施主目線の設計紆余曲折について書いてみたいと思います。
10か月前の“崖の家”
みなさま覚えていらっしゃるでしょうか。
10か月前にご報告した“今の崖の家”。
実はこのプランにいきつくまでにも、いくつかスタディがありました。
10か月前の“今の崖の家”は、6つの案の中の2つを組み合わせて進化させたもの。3つのコアで躯体を支え、無柱空間とする木造建築。
プランを検討する中で、必要要件を整理していったつもりでしたが、概算見積りをとったところ、想定予算を大幅に超えておりました。
理想のプランではあったとしても、支払えません。
プラン見直しです。
基礎をどうつくるか
VUILDさんからは「延べ床面積の削減」と「3つのコアの作り方を変える」ことで費用削減をしたいとの申し出がありました。
それまでアウトドアリビング面積を居室面積に含めていたので、これを駐車場側に外だしし、延べ床面積を削減。加えてかなりリッチだった廊下面積と客間兼仕事部屋等を絞り、250平米から150平米程度に縮減しました。
次に、コアをコンクリート造とすることで、杭の数の削減を検討。
杭がお金かかるんですよ。。斜面地だからしょうがないんだけど。
このプラン、当初案よりはコスト削減できたのですが、まだコストが合わない。
コンクリートのコアの制作にコストがかかりすぎるとのこと。
もう一段のブラッシュアップが必要となりました。
木材の使用量を最適化する
3度目の正直。施工をお願いしたいと考えている社長さんのアドバイスもあり、目標コストを決めてこれに合うように構造、意匠を検討していきます。
おそらく、これが「ビルドデザイン」なんでしょうね。
ポイントは木材の使用量を最適化しながら、構造的に安定する案とすること。
構造モデル案は4案。
イメージモデル化したのがこちら。
どうやら、軽さと、自社が得意とする成形技術を最大限活用すべく、木造に戻ってきた様子。
我が家的には、右上がいいかな。いや、左下か。
構造とコストはさらに深堀が必要なので、まだまだ決まりません。
それでもほしい機能を入れ込みながら、安定した構造を実現、コストもターゲットが視野に入りつつあります。意匠的にはシンプルにまとまりつつあるし、にんまり。
まとめ
平らな土地だったらどんなに簡単だったんだろうと、つくづく思います。でも完成したら素晴らしい絶景ハウスになるのです。
細い針穴に糸を通すような設計に挑戦してくれるVUILDメンバーと最後まで一緒につくりあげたい。
傾斜地に深層杭を打ち、構造上の安定性を保ちながら、我儘な施主の意向をまるっと飲み込み、意匠的にもコスト的にも魅力的なプランにしたてること。しかも、水・エネルギー等も限りなくオフグリッドに近い案件となります。まさに次世代のCaseStudyHouseになりそうです。
まだまだ紆余曲折しそうですが、ワクワクがとまりません。
そうそう、秋吉さんがNESTINGでの苦戦を書かれています。我が家でも苦戦。両方壁を乗り越えられますように。私たちもがんばります。