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水耕栽培実験中 ~熱海の崖に家を建てる【外構編】

こうみえて、我が家は家庭菜園歴10年。トマト、キュウリ、オクラなど、夏野菜の栽培には自信があります。今週は「ケーススタディの進め方」の仮説4:「美味しいものがあれば、物々交換で地域内の美味しいものをゲットできる」に記載した「菜園」について。菜園担当のダンナはどうやら家の中での菜園活動を計画しているようです。

熱海の崖に家を建てようと思います。
名付けて、熱海Case Study House。
自腹でケーススタディしながら
今そこにある技術・アイデアを実装した
現代のCase Study Houseを目指します。


植物は生育環境を選ぶ

現在、我が家の主な菜園活動はアグリス成城が舞台。小田急線複々線化事業の一環で、地下化された成城学園前駅の上部が菜園になっており、こちらをGW前から9月までの間、お借りしています。プロの指導員付き、屋上菜園用の土壌と土耕管理、道具フルレンタルのおかげで、初心者でも失敗しないこのサービス、あの有吉さんや国分さんもユーザーさんだったんですよ。我が家はこの事業が始まった頃からのユーザーでございます。
東京で冬野菜をやると、秋口は気温が高すぎて虫が多いのです。虫の捕殺がイヤ。一方、真冬は寒すぎ。よって、夏野菜しかやりません。

こう書くと、全部私がやっているように見えますが、菜園活動の中心はうちのダンナ。”趣味の園芸”を買い込み、毎年トマトの仕立てを変え、収量多く、美味しい野菜を栽培するための試行錯誤に余念がありません。私の役割は、主に収穫。

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アグリス成城の農園

菜園なんて”三密”からはほど遠いと思うのですが、昨年緊急事態事態宣言が発令されると閉鎖になってしまいました。

それでは、ということで、我が家の屋上菜園をフル活用する方針に変更。
屋上菜園の土は我が家の建設残土。腐葉土を混ぜたりしてはいるものの、夏野菜は苦戦した経験があります。昨年は、元肥入りの土が入った袋にトマト苗を直接植える"袋栽培"にトライしてみましたが、アグリス成城では普通の”鈴なりの収穫”とはなりません。
トマトなんて、どちらかというと水も肥料も不要の、痩せた土地の方が甘くなるはずなのに。実は、レタスや枝豆もうまくいきません。

一方で、植えっぱなしのブラックベリーやレモン、アスパラガスは毎年順調です。屋上菜園は陽当たりはよいけれど、風が強い。植物は生育環境を選ぶということなのでしょうね。

トマトで実験開始

熱海Case Study Houseでも菜園活動を続けます。野菜や果物の収穫の楽しさと無農薬野菜のおいしさを知ってしまうと、やらない選択肢はありません。
とはいえ、森を切り開いて畑にするのは、日当たり、伐根など、難しそう。トマトや葉物は屋上菜園向きではなさそうなので、家の中でできる家庭菜園を検討する必要がでてきました。

コロナ禍1年目の2020年、屋上の袋栽培のトマト苗に一番花がつき、脇芽が出てきた頃、ダンナはなにやら中国から輸入をはじめました。太陽光パネルと、エアポンプ。
ペットボトルにハイポニカ溶液を入れ、水で薄めると、太陽光パネルで発電させた電気でエアポンプをブクブク。これに袋栽培トマトの脇芽を入れ、発根トライアルを開始。

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トマトで実験する理由。

①虫がつきにくい植物である。

水耕栽培実験の場はバルコニーなのです。バルコニーでお茶をしたり、ランチをしたりする時に、虫がうろうろしないように。

②種から育てるものではない植物である。

実は最初、種から苗をつくろうと、水槽をつかって育苗しました。ところがせっかく発芽したスプラウトは、種類に関わらずうちのネコさんたちに食べられちゃったのです。種からが難しいとなると、脇芽で簡単に発根し、増やせるトマトを選択せざるをえなかった、というのがホントのところ。

↓ 無事発根したトマトの脇芽。ブクブクはじめて2週間くらいかな。

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水耕栽培をスタンドアローンで

植物が成長するためには、光と水と酸素と養分が必要です。水耕栽培の場合、ハイポニカ溶液をいれたタンクに根を浸すわけですが、酸素を供給するために、エアポンプによるエアレーションが必要になります。根は自分のまわりからだけ養分を吸収するので、何もしないとタンクの中で水溶液濃度に濃淡が出てしまう。これを解消するため、ミニ噴水用のポンプを沈めて水溶液を攪拌します。

酸素と養分を適切に供給するには、エアポンプとミニ噴水用のポンプ、2種類のポンプを動かす電力が必要です。
電力供給は、ミニ太陽光発電のパネル2枚。
エアポンプ、ミニ噴水用のポンプとあわせて、しめて7,000円。

スタンドアローンの水耕栽培システムができました。

水耕栽培は土より育つ

昨年つくったこの仕組み、今年は少しバージョンアップしました。

1年目は、上のタンクと下のタンク、両方に同じ濃度のハイポニカ溶液を投入。トマト苗が浸っている下のタンクのハイポニカ溶液が少なくなると、上のタンクから自動給水する仕組みとしました。

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トマトの収穫が終わった後にハイポニカ溶液の濃度を計測したところ、下のタンクの濃度の方が高かったのです。ミニ噴水用のポンプで水を動かしてはいたものの、攪拌が不十分だったのでしょう。トマトは水だけ吸ってしまい、ハイポニカの養分が多く残ってしまったようです。
たしかにトマトの実、思ったほどたくさん収穫できなかったなあ。

これを糧に今年は、上のタンクには水、下のタンクにハイポニカ溶液を入れ、濃度を計測しながら水を足すシステムで栽培中。

2年目である今年は、アグリス成城産のトマトの脇芽を使って、水耕栽培をしています。もちろん土耕トマトでして、5月に植えて、2-3本仕立てで、今170cmくらい。2段目くらいまで実が赤や黄色に色づいてきました。

水耕栽培だと、脇芽をとらずにいても、あっという間に背丈を超えていきます。成長が早いです。こちらも実をつけはじめていますが、色づきはまだ。

やるならば収量も味も大切です。土耕と水耕、アウトプットでじっくりと比較。実験は続きます。

間欠システムがゴール?

一般的に、水耕栽培といえばレタス。
ご想像の通り、レタスの水耕栽培キットも購入済。熱海での活躍まで、地下の倉庫で眠ってもらっています。

レタスの栽培キットは、より本格的です。パイプを通じて、水溶液がまわるシステムです。水溶液はパイプの中で満ち足り引いたりし、酸素を供給しつつ養分を根にあてて栽培するようです。間欠システムですね。
先人は、トマトで苦労している水溶液の濃度と酸素の問題、こうやって解決したのだと、まだ組み立ててもいないのに箱を見て感動しています。

幸いなことに、今年の夏も、来年の夏も実験を続けることができそうです。熱海に引っ越すまでに、水耕栽培でトマトをつくるノウハウを確立できるといいな。
熱海Case Study Houseにくると、トマトは一年中食べ放題。冬のトマトは物々交換の品として、希少価値があるんじゃないかと楽しみにしています。

まとめ

アグリス成城での10年の菜園経験を活かし、水耕栽培の実験をしています。熱海Case Study Houseで、いつでもおいしい野菜が食べられる環境づくりにむけ、日々準備にいそしんでいます。

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