都会の真ん中で君は何を想っているの
もう6年くらい前のこと。
こんなかんじの台風がよくくる時期だった
大森の映画館に今敏の映画を観に行った。
二本立てを、1人で。
ニッチな映画館でおじさんだらけな中、同じように1人で見にきている同世代の男の子がいて、あ…仲良くなりたいな。なんて思って。
もし見つけられたら、と、Twitterで当日の映画をエゴサしていると
私の好きな漫画をアイコンにしている人を見つけた。
その人はブログを書いていた。
漫画と小説をたくさん読む人だった。音楽も映画もよく知っていて、ブログに書いてる自分の話もクスッと笑えるかんじの文才のある人だった。
早速私は文学少女を装ったアカウントを作って、ファンです、とDMした。年齢も思ったより近く、住んでる場所も近かったからすぐに仲良くなった。
私は遠距離恋愛中の彼氏がいたけど、その人にすっかりハマってしまって、何度かデートに行ってしまった。
横浜で「ジョーカー」を観た。「タクシードライバー」の話をしながら。
お互いに岡村靖幸が好きだったから、スッペイン料理屋で語り合ったりしようと言われたりした。(行かなかった)
ブックオフでおすすめの本を見繕ってもらった。
新宿で待ち合わせして、ディスクユニオンでFishmansのCDを買って1番好きな盤を貸した。
アニーホールのDVDを借りた。
私たちは完全にモテキの見過ぎだった。
しかし、私が悪いことをしてしまい
彼も、遠距離の彼氏も傷つけて
好きだったブログは、最後に私に向けた重い内容の記事が更新され
その後はハードオフで買ったジーパンを紹介するブログになってしまった。
私は彼のカルチャーを壊してしまったのだ。
誰が悪かったんだろうか、と彼は問うていた。
完全に私だけが悪かったです。
本当にすみませんでした。
モテキみたいな時間は、もう一生ないと思う。最高に楽しかった。