迷子のアイデンティティ
「自分のアイデンティティについて考えよう」というお題が出ていたのは高校3年生の時の倫理の時間だっただろうか。自分が何について話したのか、今となっては何も覚えていないから悔しい。
ただ、一つ言えることは、今でさえこれといったものが見つかっていないんだから、当時から私のアイデンティティはきっとずっと迷子。
先週、友人に勧められて『ぜんぶ運命だったんかい』というエッセー本のようなものを読んだ。それは、フェミニスト笛美さんが書いた本で、広告代理店に勤めるバリキャリからどうやってフェミニズム・政治へ関心を抱いていったのかを綴る内容だった。
多過ぎない文字数ではあるものの、とても全てを一気には消化しきれなくて、休憩を挟みながら休み休み読んだ。少しずつ読み進めている筈なのに、一節一節を読み進める度に日々感じていた黒々としていたものがブワッと溢れ出てきて止まらないから止血しながらじゃないと読めない、そんな感覚だった。
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