ポケモンSVseason3:(ツミ)ハバタクーダ構築
10戦中7勝3敗(スーパーボール~マスターボール上がるまで1時間半ぐらい)
◆はじめに雑感
構築記事を書くにはデータが少なすぎるし目標が低すぎるが、ダブルの方を試してみたいので一旦区切り。というか見直しが必要なパーティで、強い型と弱い型がはっきり出てしまっている。
◆構築経緯
何かの動画で〈確定急所サザンドラ〉を見て「へぇこんな戦法もあるのか」と似たことができるポケモンを調べてみたところ、流星群以外のタイプ一致技で同じ戦法ができるポケモンはバクーダしかいないことに気づいた。いや、いつ積む隙があるのか(そして火力が足りない)。
炎の通りが良くなるよう、水と竜をテツノツツミ等のパラドクスで抑制し、鋼を誘ってオーバーヒートを連打するという寸法。あとは強そうなアラブルタケの型を試そうかなと構築に加えた。
◆パーティ
▼バクーダ
テラス:氷
特性:ハードロック
性格補正:A↓C↑
道具:するどいツメ
技:オーバーヒート、だいちのちから、テラバースト、きあいだめ
▽努力値調整
HC特化
▽型について
きあいだめをしてからオーバーヒート連打をしたい型。
知っている人なら当然のようにこのポケモンは脆く、大体ドレディアやオトシドリに接戦で負けるぐらいの耐久しかないので、積んでから殴るにはトリックルームを必要とする。
しかし、トリックルームは5ターンしかなく、発動→交換→積みでもう3ターン使っているため、攻撃は2ターンしかできない。
そして急所オーバーヒートは耐久無振りハバタクカミを68.75%の乱数1発。つまり3割ちょっとで耐えられる。
うーん、弱い!
(なおチョッキ耐久無振りテツノカイナへ急所だいちのちからは18.75%の乱数1発なのでほぼ耐えられる。)
▽雑感
最初から弱いと思いながらも使用感を探りたくて一応考案。
きあいだめ→オーバーヒートが決まった試合は0なのでイマイチよく分からないが、それができないということは、つまりそういうことなのだ。
パラドクス相手には基本役割を持てないため選出自体ムリヤリ使おうとしなければ無理。
一方で、ハバタクカミ対策なのか炎タイプをよく見たので、そのメタとしての役割を果たすことに割り切れば悪くない。
受けに目をつぶって攻めだけみたら相手のパーティに刺さっているように思えるのはいつものこと。
あと、相手もまさか出てくると思ってないのか、選出すると意外にも1体半は持っていける。
もちろん何もできずに落ちる試合もあったが、テツノツツミを有効急所で持っていったり、交代読み殻破パルシェンに居座って持っていったりと、謎の活躍を見せた。
「出てくるとは思わないが、出てこられると困る」という感じだろうか。なまじ厨ポケパーティに混入していて、「何か強みがあるのか」と困惑させる効果があるのかもしれない。(それにビジネスパートナー的な関係なので、特に私のトレーナーカードでも推している様子もみせていない。)
あと後述するS振りテツノカイナの使用感的に、トリルエースでいくよりも、やはり対面意識でアーマーガア抜き(ほぼS全振り)したほうがいいかもしれない。
▼テツノツツミ
テラス:氷
特性:クォークチャージ
性格補正:A↓S↑
道具:ひかりのねんど
技:ゆきげしき、オーロラベール、フリーズドライ、アンコール
▽努力値調整
H全振り
S最速トドロクツキ抜き
D余り
▽雑感
画面をいい感じの雰囲気にするサンタさん。
オーロラベールをしてからバクーダやアラブルタケの積む隙を作るつもりだったが、先発特殊アタッカーにカチ合うと、雪を降らしてそのままお帰りになられる。そして私が彼の後ろ姿を見れたのはその1回きり。
フリーズドライはかなりの範囲に刺さるが、火力に振ってない事情でまず役割が果たせない未来が見えて選出できない。これはダブルのトリトドンの真逆で、「パーティの負の補完」となっている。
一方で、何かしら選出誘導を強いてはいるのだと思う。普通にブーストエナジーやらこだわりメガネなどを持たせた方がよいだろう。
(そういえば投げつけるを覚えるので、火炎玉や電気玉投げつけるというのもありかもしれない。)
▼ハバタクカミ
テラス:妖
特性:こだいかっせい
性格補正:A↓C↑
道具:きあいのタスキ
技:ムーンフォース、シャドーボール、トリックルーム、いたみわけ
▽努力値調整
SC特化
▽雑感
雑に強い。私はバイオレットなので友人から譲り受けてカスタマイズ。
環境に受けられるポケモンがほとんどおらず、受けられるポケモンを別のポケモンでメタれば大体持っていける。
特殊耐久が十分あり、特殊相手にはその速さと火力をもって打ち勝てる。耐性、一致技の範囲ともに優秀。流石2/16時点でカイリューの次に使われているポケモン。
サポート用にトリックルームを持たせているが、同速対決を避けるために準速にしているから自身でも案外使えた。
痛み分けも嫌らしく、特殊受けに一定の負担をかけつつ回復できる。環境の高耐久はHPも高めなので、この技自体が刺さっている。でも技使用率はランク外(回復技は軽視されがち)。
▼アラブルタケ
テラス:毒
特性:こだいかっせい
性格補正:C↓S↑
道具:おんみつマント
技:かみくだく、くさわけ、こうごうせい、キノコのほうし
▽努力値調整
HS全振り
H…コノヨザルの命懸け確定耐え
▽雑感
おおかた予想通り今回のMVP。こちらも譲り受けた個体を活用。
技構成や努力値振り、道具のすべてが完成されている。テラスタイプはカスタマイズ性があるものの、元の弱点的に毒が一番補完になっているとみている。あまり強い言葉を使うべきではないが、私の考案した型で一番強い。
草分け→キノコの胞子は多くの人が気づいているだろうが、何故か回復技が軽視される傾向にあるため光合成が刺さっている。噛み砕くのBダウンも引くと嬉しい。
耐久も十分あり、竜舞1積みカイリューのアイススピナー、毒テラス状態でクエスパトラのルミナコリジョンを耐えられたのには驚いた。
ラム持ちが少ない現環境なら、特性やタイプに注意すれば睡眠が決まり、光合成と噛み砕くの試行回数を稼げる。タイプ的にサーフゴーは受け出せず、キョジオーンは隠密マントと光合成でメタっているため、怖いのは草食持ちとコノヨザルぐらい。
一体で『(強さの)軸の押し付け』が完結していて、2体以上持っていくのがザラにある。ハバタクカミとコイツ、あとテツノカイナでほぼパーティとして完成している感じがする。
▼テツノカイナ
テラス:電
特性:クォークチャージ
性格補正:C↓S↑
道具:オボンのみ
技:ワイルドボルト、ドレインパンチ、ヘビーボンバー、じならし
▽努力値調整
AS特化
▽雑感
レイド御用達ポケモン。テツノツツミといい、なぜバイオレットはエリアゼロのそこら辺にいるパラドクスが一番強いのか。
再三言う個人的な思想だが、『鈍足はS振りが強い』と考えているので最速。努力値効率的にHBに振るのは無駄があるからこれでいい。使用感はやはり良く、70属以下は上から殴れる。
チョッキ持ちが多いようだが、個人的に『補正アイテムは長所を伸ばすポケモンに持たせた方が強い』と考えているので、総合耐久が上がるオボンの実を持たせた。これも使用感が良い。
技は火力重視のワイルドボルトと、回復ソースのドレインパンチ、あとはS操作とサーフゴー意識の地均しと、ニンフィア用のヘビーボンバー。ヘビーボンバーのランクマ使用率は10%を切っているが、なぜか唯一使用した試合で読まれた。
ヘビーボンバーはピンポイント気味なので、特防を上げつつ読みを強要する充電や、竜への強い打点となるじゃれつくや冷凍パンチ、無難に剣の舞あたりに変えたら良いと思う。
元々ドドゲザンにしておこうと思った枠を、何となく使ってみようと同速のコイツに切り換えたわけだが、ヘイラッシャの抑制にもなるしこのパーティでは良い補完となった。ダブルのトリトドンほどではないが、相当の働きはしている。
▼アーマーガア
テラス:鋼
特性:ミラーアーマー
性格補正:B↑C↓
道具:メンタルハーブ
技:アイアンヘッド、ちょうはつ、はねやすめ、おいかぜ
▽努力値調整
H全振り
S追い風時に最速テツノブジン抜き
D余り
▽雑感
追い風してテツノカイナに繋ぐコンボがしたかった。しかしとにかく刺さる相手がおらずベンチ枠。テツノカイナは1人でも活躍するのであった…
◆パーティについて
たぶんテツノツツミ、テツノカイナ、ハバタクカミ、そしてアーマーガアがトドロクツキを牽制している。そのため一度も見なかった。
なおアラブルタケは毒テラスを切れば、ブーストエナジー飛行テラスアクロバットを耐えるので、キノコの胞子をお返しして運が良ければ勝てるし、バクーダもテラス氷のためワンチャン急所で落とせる。
つまりトドロクツキはどのポケモンからでも落とすルートが存在する。
◆反省点
前述したとおり、ハバタクカミ・アラブルタケ・テツノツツミでパーティが完結していて他のポケモンは選出抑制みたいな感じになっている。他のポケモンは技や調整を変えればもっと選出機会があるだろう。
またプレイングについては、例えば変幻自在ではないタスキマスカーニャを見たら(Sが上のポケモンに一矢報いる用の)不意打ちを読む、など改善すべきポイントがあった。バクーダで気合い溜めのような積み技を使うなら、尚更読みを鍛える必要があるだろう。
◆最後に
ダブルの方がギミックとしてやれることが多く面白さを感じ、シングルではあまり構築が思いつかない印象。
というのも『シリーズ1がサイクル環境だった影響で全体的にサイクル傾向を引きずっており、サイクル崩しの対面構築が奇襲性を自然に発揮するのか、普通にマスターにいける』という、抽象的には分かりやすい構図が予見できている。
サイクル環境は積み技を天然勢が抑制してたから成り立っていたようなもので、SだけでなくCの平均値が上がったことからも、天然で受けきれず簡単にサイクル崩壊を生じさせる起因が伺える。
カイリューやコノヨザルに強いハバタクカミ、トドゲザンに強いテツノカイナ、サーフゴーで止まらないアラブルタケなど、パラドクス系がシリーズ1トップのメタになっているのは、開発陣の狙い通りといったところか。
動画
https://youtu.be/oD3PvBV-9Oo
最後になるが、以前考察の解説動画をアップロードした後に気づいたことがあったので、下記に載せておく。
◇気づいたことメモ
・ダブルで相手がこちらの何を重くみるかから、控えの選出を予測できるかもしれない(ユキノオーを重くみるのはマスカーニャがいるから、等)
・素早さ変動が即時反映されるダブルでは追い風が強く、ターン数が多いトリックルームはシングルで刺さる。そしてシングルでそれらは読まれにくい。
・サポート気質のポケモンでアタッカーをし、アタッカー気質のポケモンで搦め手をし、鈍足にSを振り、低耐久に耐久を振る。
・ダブルの追い風は即時反映、一方でトリックルームは発動優先度が一番下なので、どちらも実質4ターン制限である。
・高速回復はHP半分だと耐久を2倍にしているようなもの。回復効果に付加価値のついている痛み分けと力を吸い取るはかなり強い技。