ポケモンsvダブルseason2 : バグレイブ→追い雪パ→追い風∨トリル軸
バグレイブ構築(モンスターボール帯)
→雪パ(~ハイパーボール帯)
→追い風orトリル軸(~マスターボール帯)
◆はじめに
ランクマ(レート対戦)自体はXY→剣盾とそれぞれワンシーズンだけ経験があったが、それぞれシングルのみでダブルは初。「波乗り連打でも割といける」とネットのまとめを目にしたので、マスター帯の報酬目当てで構築を考えた。正直シングルよりキツかった。
【1】バグレイブ構築
◇構築経緯
まず「鬼火をセグレイブの熱交換に当てて失敗させ、その後一致地団駄するのええやん」と思ったが、バクーダは噴煙や遠吠えを覚えるのでそっちの方が良いとすぐに冷静になった。
遠吠えは味方のまもるを貫通するため、ダブルでの強烈な個性になると思われた。その際ライバルとなるのは、エスパーを空かせ不意打ち一致かつ妖等倍のヘルガーと、いかくや再生技や高い種族値を持つウインディ。彼らとの違いで分かりやすいのは地面タイプであるが、ダブルの地面物理技は全体技であることが多く運用が難しい。
セグレイブを通すことから考え、他は前シーズントップへのメタを置いた。さむいギャグを使いそうな顔して、ヘイラッシャや弱点保険グレンアルマ等トップ対策のヤドキングにオリジナリティがある。
水や地面に強く、壁も積みも下降も貫通するトリックフラワーさんももちろんのこと、ぼうじんで有用な技と耐性を持つフォレトス、テラスによってガブリアスとコノヨザルをみれるキョジオーンを置く。
◆メンバー
バクーダ、セグレイブ、マスカーニャ、ヤドキング、フォレトス、キョジオーン
◇バクーダ
テラス:あく
特性:ハードロック
性格補正:C↓D↑
道具:せんせいのツメ
技:じしん、いわなだれ、ふんえん、とおぼえ
▽努力値調整
HD特化
▽雑感
サポート型のバクーダ。ダブルの特殊技は全体攻撃が多く、地面技も全体技の地震や地均しを採用している場合が多いため、ハードロックでとてもバクーダと思えないくらい耐える。ちなみに最近気づいたが、耐久はミガルーサやイッカネズミとほぼ一緒ぐらいである。
とはいえ火力が圧倒的に足りておらず、耐えているだけだったのがマイナスポイント。あと鈍足なのでサポートのタイミングが遅い。まだエレキフィールドが実用的じゃない環境だったので、攻撃技の代わりにあくび等を入れた方が良かったかもしれない。Cを下げているのはセグレイブへの噴煙の負担を減らすため。
なお食べ残しをキョジオーンに渡しているため、何となくで先制の爪を持たせた。発動して噴煙から相手が火傷を引くと笑っちゃう副次効果がある。
◇セグレイブ
テラス:でんき
特性:ねつこうかん
性格補正:A↑C↓
道具:クリアチャーム
技:つららばり、きょけんとつげき、テラバースト、まもる
▽努力値調整
AS特化
▽雑感
2年号前のデザイン何じゃないかという600族。怪獣っぽいのは好きな方なので、何かしらで使いたいという気持ちはあった。
火力は十分で、耐久もかなりあるが、高火力一致技は単体攻撃であり、守られると戦況がキツくなる。また、絶妙に遅い。
一致技の攻撃範囲的にヘイラッシャが重いとみたので電気テラスにしたが、意外と寿司構築が初頭ランク帯におらず、あまり有効活用できていない。ゴールドラッシュを半減に抑えられる耐性は悪くないと思う。
巨剣突撃の代わりに火力と素早さを上げる竜の舞を、テラバーストの代わりに通りが良くエスパーやゴーストに抜群を取れる噛み砕くを採用し、テラスは防御寄りの水テラスあたりにしたら強いと思う。水なら噴煙を半減できる。
◇マスカーニャ
テラス:くさ
特性:しんりょく
性格補正:A↑C↓
道具:きあいのタスキ
技:トリックフラワー、ふいうち、サイドチェンジ、まもる
▽努力値調整
AS特化
▽雑感
寿司と壁展開を許さないトリックフラワーが強いヤツ。シングルに引き続き採用。
使用感については個人的な特筆はなく、他の人が使うように使っている。サイドチェンジは全く使わないので、はたき落とすで良い。つまりテンプレ型である。
◇ヤドキング
テラス:エスパー
特性:どんかん
性格補正:A↓B↑
道具:ものまねハーブ
技:アシストパワー、ひやみず、めいそう、なまける
▽努力値調整
耐久最大効率になるようBD均等振り
▽雑感
対寿司とアルマイエッサン用の秘密兵器。ものまねハーブが後出しから効かないという仕様を一戦目に知る。
天然対面でもサイコフィールド上でも普通に受けが成立したので、ものまねハーブは完全に役割が腐っている。それから積むまで火力が低すぎる。
道具は耐久補強の何かにして、攻撃技をサイコショックやハイドロポンプや冷凍ビームにした方がいい。瞑想怠けるでアルマイエッサンは起点にできる(ということは恐らく蝶舞朝の日差しウルガモスでも受けきれる)。
そういえば耐久BD均等振りにしたら、ヤドランと何が違うのだろうか。私は雪パ偽装にヤドキングにしたが、そもそもセグレイブが雪パ要員に見えるか怪しいところである。
◇フォレトス
テラス:はがね
特性:がんじょう
性格補正:A↑S↓
道具:ゴツゴツメット
技:ジャイロボール、アイススピナー、ボディプレス、まもる
▽努力値調整
HA特化
▽雑感
割と使用感が良い虫なのか何なのかよく分からないポケモン。金銀クリスタルからの付き合い。7体ぐらいレイドで捕まえて、全部がんじょうだったのには頭を抱えた。本当は怒りの粉耐性のある防塵が良かったのだが。
ジャイロボールは案外火力が足りてないが、アイススピナーは割と通りが良い。神速カイリューやタスキマスカーニャ意識でゴツゴツメットにしているが、達人の帯とかで良かったかもしれない。
アルマイエッサンを切り返すなら岩テラスでロックブラスト採用でも良いかもしれない。
◇キョジオーン
テラス:ひこう
特性:きよめのしお
性格補正:C↓D↑
道具:たべのこし
技:しおづけ、まもる、じこさいせい、ワイドガード
▽努力値調整
耐久最大効率になるようBD均等振り
▽雑感
神速などノーマル技を受けられ、炎や水やゴーストへ役割を持てる強さがあると見込んで採用。実際は処理速度が遅過ぎてまず活躍させられなかった。ワイドガードでハイパーボイスやワイドフォースを防ぐのが一番の役割。
◆まとめ、反省点
総論で言うと「バクーダセグレイブの並びは悪くないが、全体的にパワーと攻勢展開スピードが不足している」という印象だった。
詳細は各ポケモンのところに記載したとおりだが、全体的に単体攻撃がメインのため、守るのタイミングを読まねばならず、シングル以上のプレイングを求められる点が初心者にはいただけないパーティだった。
その反省を活かしたパーティが【2】の雪パ、【3】の追い風orトリパと繋がっていく。
【2】雪パ
◇構築経緯
前パーティの課題として①攻勢に移るまでの展開が遅い、②単体攻撃が多く全体への制圧力が低い、③鈍足気味と致命的な問題ばかりだったので、全面的な見直しを余儀なくされた。【1】の弱さに気づいたのは1/29の夜。シーズン2終了の3日前だった。
ダブルのパーティを考える上で、強構築を避けて面白ギミックを利用することが、モチベーションのための大前提である。そこで思いついたのが、「ハルクジラの雪かきを仲間づくりして、ユキノオーが上からオーロラベールしたら強いんじゃないか」ということ。
吹雪は、噴火やゴールドラッシュに次いで威力が高く、仮に雪が降ってなくとも9割近くどちらか一方にあたるので、制圧力として十分だと考えた。氷技は鋼、氷、炎、水に半減されるため、その半分には炎の相性が良くバクーダも違和感なく組み込めると思量。コータスと違い晴れを前提にしないのもむしろプラスシナジー。
ユキノオー自体が水タイプに強いものの、バクーダが水に致命的に弱く、両者ともに単体攻撃でしか有効打がないので、電気タイプ枠としてタイカイデンを採用。ゆきかき仲間づくりの代わりの択としても機能する。というか意外とマイナーなのか、雪かき仲間づくりよりも追い風の方が通りやすく、単純に強かった。
残りの枠としてアルマイエッサン対策に、ワイドガードを使え、悪技の火力がそこそこあるポケモンを探したところ、エルレイドを見つけた。ノーマルテラスや悪タイプ、防御積みにも聖なる剣で勝てるのがエラい。なおあまりに強く、補完枠どころかほぼエースだった模様。
最後にタイプ相性補完としてサーフゴーを入れたかったが、コインが足らず、流石に残り2日で900枚近く集める余裕はなかったので別のポケモンを探した。
ダブルに2,3時間潜ってみて、「展開スピード的に、受けの相性補完を考えるよりも、攻めの補完を考えた方が強い」と感じたので、全体技の威力と通りを鑑みて、だくりゅうを使える中から選ぶことにした。もう一つ初頭ランク帯には「ワイドガードを使う人が少ない」というのも、全体技を重視する理由だった。
最後の枠には濁流を使え、鋼半減、呼び水で水技を完封できるトリトドンを入れた。そしてこのトリトドンが思った以上に仕事をしており、バクーダよりも扱いやすい地面枠、というより、一番の環境メタ枠だった。
◆メンバー
バクーダ、ハルクジラ、ユキノオー、タイカイデン、エルレイド、トリトドン
◇バクーダ
テラス:炎
特性:ハードロック
性格補正:A↓S↑
道具:もくたん
技:ふんか、ねっぷう、だいもんじ、だいちのちから
▽努力値調整
C全振り
S追い風時最速タイカイデンと同速
H余りで奇数
▽雑感
まさかのS振りバクーダ。バクフーン未解禁の現在、「環境最速の噴火使い」と言うと聞こえが良い(素早さ種族値40、ちなみにカバルドンは47)。
トリル運用ではコータスに勝る点がないため、思い切ってSに振ると差別化になった。最速なら130族まで抜けるが、マスカーニャ抜きまでできれば良かったので、どうせ追い風を使うタイカイデンと同速にした。まあ耐久はないようなものなので、最速にしてファイアローまで抜いても良かったかもしれない。
火力は耐久無振りイッカネズミに対し、おくびょう木炭持ち噴火が最低乱数で84.5%ダメージ。これは同条件イッカネズミへのC+1ひかえめニンフィアのフェアリースキンハイパーボイスの85.2%ダメージとほぼ同じ。下記にまとめるが、一線級の火力がある。
炎技で固めるとコータスに被る恐れがあるものの、噴火と命の玉の相性が悪い以上、木炭を持たせたこの型が最適と判断した。熱風はさほど使わなかったが、大文字はダメージを受けた際の単体打点として結構打つ機会が多かった印象。
なお環境に炎と水と竜がそこそこ居て噴火を打つ機会がそんなになかった。コータスの展開した晴れを逆に利用して強引に噴火を打つ機会の方が多かった。
とはいえこの型は、メガ進化が廃止になりダブルでの素早さ変化が即時反映されるようになった8世代以降、そしてダイジェットがない今世代で、コータスの差別化を図りながらバクーダを活用できる最良の型だと考えている。
▽ダメージ計算一覧
検証:ダブルバトル無振りイッカネズミへのダメージ
・バクーダ
条件:もくたん持ち、C準特化
技:ふんか
実数値:126~148
割合:84.5~99.3% 確2
・ニンフィア
条件:のどスプレー使用済み=C+1状態、C特化、フェアリースキン
技:ハイパーボイス
実数値:127~151
割合:85.2~101.3% 乱数6.25%
・グレンアルマ
条件:持ち物補正無し、サイコフィールド、C特化
技:ワイドフォース
実数値:135~159
割合:90.6~106.7% 乱数37.5%
・コータス
条件:持ち物補正無し、晴れ、C特化
技:ふんか
実数値:150~177
割合:100.6~118.7% 確1
・サーフゴー
条件:拘りメガネ、C特化
技:ゴールドラッシュ
実数値:160~190
割合:107.3~127.5% 確1
・ガブリアス
条件:持ち物無補正、A準特化、地面テラス
技:じしん
実数値:112~134
割合:75.1~89.9% 確2
◇ハルクジラ
テラス:鋼
特性:ゆきかき
性格補正:A↑C↓
道具:ちからのハチマキ
技:ヘビーボンバー、アクアブレイク、まもる、なかまづくり
▽努力値調整
A全振り、ちからのハチマキ込みでH振りニンフィア確定1
S実数値118、ゆきかきで最速スカーフコノヨザル抜き
D余り
▽雑感
仲間づくり要員。実は現環境のポケモンで2番目に重く、リキキリンやパオジアンあたりまで威力100でヘビーボンバーが打てる。
技は炎タイプ意識でアクアブレイクを入れ、ゆきかき仲間づくりをユキノオーの次のポケモンにもしたかったので延命目的のまもるを入れたが、氷技はやっぱりあった方が良いと思う。サイコフィールドを壊せるアイススピナーが良いだろう。
弱くはないが、可もなく不可もない感じで、もっと他に活かし方があるだろうなという印象を覚えた。
◇ユキノオー
テラス:氷
特性:ゆきふらし
性格補正:A↓S ↑
道具:ひかりのねんど
技:オーロラベール、ふぶき、リーフストーム、ぜったいれいど
▽努力値調整
C全振り
S実数値118、ゆきかきで最速スカーフコノヨザル抜き
H余り
▽雑感
オーロラベールを張る要員。環境に炎と鋼水が多く、吹雪の通りが悪い。オーロラベール張って絶対零度打つしかない、みたいなときもあった。等倍にはそこそこ入るものの、弱点をつかれやすいため、オーロラベール下じゃなければ何度も打てない。
後出しから天候を取れる点は普通に有用なので、対雨パへの回答にはなった。ただし、天候始動要員全般から弱点をつかれる点が苦しい。また後出しなら良いものの、先発では天候を取られる努力値振りになっているので、コータスやバンギラス入り構築相手には脳死で出すわけにはいかなかった。
ちなみにトリトドンが奪ったのはバクーダの地面枠よりも、ユキノオーの対水対雨パ性能だったりする。
◇タイカイデン
テラス:電気
特性:ふうりょくはつでん
性格補正:A↓S ↑
道具:たつじんのおび
技:10万ボルト、ほうでん、ぼうふう、おいかぜ
▽努力値調整
C全振り、1.2倍補正込み充電10万ボルトで耐久無振り司令塔ヘイラッシャ確1
S特化
▽雑感
起点作成兼アタッカー。めっちゃ強い。
まず現環境でドラパルト以外マイナーどころしかS負けてない上、充電10万ボルトの火力が凄まじく、単なる追い風要員とは思えないほど一貫性がある。C種族値はシングルで一時期流行ったハラバリー並みにあるので、弱いわけがない。
電気飛行複合もタイプとして強く、岩と氷しか弱点がないし、格闘と草と鋼を半減、地面を無効にできるのがエラい。ダブルの岩技は岩雪崩ぐらいで威力が低く、耐えるときもあった。
技の放電はバクーダやトリトドンとの並びの時に全体へ打てて便利。暴風は充電状態を取っておきたいときに使える強力な打点でもある。かみなりだと過剰火力気味なので、命中安定の10万ボルトで正解だったと思う。
エルレイドを追い風でS上昇させ縛りを逆転させたり、雪パの並びでハルクジラの代わりに投げ追い風からオーロラベールなど様々な択を取らせた立役者。ねこだましで負けても「まあタイカイデンさんが勝てないなら誰も勝てんよ」という気分になるぐらい信頼感がある。
◇エルレイド
テラス:悪
特性:切れ味
性格補正:A↑C↓
道具:いのちのたま
技:せいなるつるぎ、つじぎり、ファストガード、ワイドガード
▽努力値調整
A特化、耐久無振りグレンアルマと耐久無振りサーフゴーを辻斬りで確1
悪テラス辻斬りでHB特化イエッサン♀を確1
S全振り
▽雑感
サポーター兼アタッカー、のはずが、いつの間にかエースになっていた。選出率がダントツで高く、取りあえず出しておけば何かしら役に立つ場面ばかりで、正直使用率上位に食い込んでいないのが謎である(41位は十分上位か?)。
現環境で高火力の格闘技と悪技を打ち分けられる技範囲と、ワイドガードを所有できている点で替えが効かない。素の耐性で格闘と岩を半減できるのもなかなかに有用。物理方面の耐久はバクーダ以下なものの、特殊方面はそこそこ耐える。
悪テラスはワイドフォースやゴースト技の切り返し意識で採用しており、悪戯心耐性を得られるのもいい。フェアリー技が一貫するのはご愛嬌。
ワイドガードを使うタイミングは結構分かりやすく、こちらが二体生存した上で範囲攻撃が強力なポケモンが出てきたら使うとアドバンテージが取れる。ワイドガードのおかげで逆転できたり、降参まで追い込むような局面も多かった。
アルマイエッサン環境だったので、ファストガードを使うタイミングはあまりなかった。この枠は後ほど、フェアリーやコノヨザルへの打点としてサイコカッターに替えている。
文章だとあまり強さが伝わらないかもしれないが、シングルにおけるドドゲザン、マスカーニャ並みの強力さを感じた。たぶん物理打点は彼一体で事足りると思われる。いや、流石に言い過ぎで、ニンフィア対策のヘビボン枠は居た方が良い。
◇トリトドン
テラス:水
特性:よびみず
性格補正:A↓C↑
道具:たべのこし
技:だくりゅう、だいちのちから、じこさいせい、クリアスモッグ
▽努力値調整
C特化
余りHBD最大効率振り
▽雑感
濁流を一致で使える枠として、明確な役割も調整もなく何となく採用。使う前はそんなに活躍しないだろうと思っていたが、蓋を開けてみればタイカイデンに並ぶ準エースだった。
具体的には環境にそこそこ居た水格闘複合や雨パに対して強く、起点にして返り討ちができる。害悪耐久型に対し、自己再生とそこそこの火力で撃ち合える。積みにはクリアスモッグで対抗できる。このゆびアルマイエッサンの並びに濁流を当てられる。コノヨザルの命懸け対策でH全振りにしても良かったかもしれない。
そして上記強みは対戦中ももちろんのこと、まず選出画面時点で展開を予想できる。つまり選出段階で勝ち筋が見える。これは物理耐久に不安があるエルレイドや、起点作成妨害に弱いタイカイデンにはない強みであり、まさにこれ以上ない補完として機能している。言ってしまえば、タイプ相性のように可視化されていない「抽象的な補完」、「パーティの完全性を充たす構成ピース」といった役割である。
◆まとめ、反省点
このパーティは「結構いけるな」という感触。全体的にまもるを切っているが、まもるは相手の単体集中攻撃を読まねばアドバンテージが取りにくく、ワイドガードよりもプレイングスキルを求められるので初心者向けの技じゃないと思った。パーティの使用感的にその考え方で良かったらしい。
一方でトップメタ必須の並びであるアルマイエッサンやコノヨイッカには相手のプレイングミスしか勝ち筋なく、6体のうちに入れてないことを祈るしかないのが良くない(なお2回に1回程度にはアルマイエッサン入り構築に遭遇した模様)。
またニンフィアやサーフゴー、コータス意識なのか、テラス込みでも環境に炎と鋼と水タイプが多く、吹雪の通りが悪い。仲間づくり時の火力補強も雪パにはないため、さらに攻勢展開が早いアルマイエッサン、コノヨイッカには歯が立たず、別の道を探る必要があった。
あと普通に600族やサーフゴー入りのグットスタッフ構築がスタンダードに強いのも、対面として無視できないと感じた。意外と環境に少なかったが、カイリューが出てきた試合には一度も勝てていない。
【2】の時点でハイパーボール帯に到達したので、強パーティに当たらないことを祈って潜り続けるだけでもマスター帯には到達していただろうが、課題に対して対策を講じない考え方はポリシーに反するので【3】の改良版を思量した。
【3】追い風orトリル軸
◇構築思索
モチベーション枠のバクーダ、追い風枠のタイカイデン、ワイドガード枠のエルレイド、メタ枠のトリトドンの続投は確定として、残りの下記課題を埋める2体を決める必要がある。
①グレンアルマ+イエッサンの並びへの対策
②イッカネズミのネズミざん対策
③スカーフコノヨザルへの対策
④神速カイリューへの対策
これらの対策としてまず一番には、エスパーとノーマルと格闘を空かせるヤミラミが上がってくるが、個人的に次シリーズで使いたいと考えていたため外した。金縛りアンコール型だとヘイラッシャですら勝てる見込みが立つので間違いなく強い。
ヤミラミを外すとなると同タイプのミカルゲが居るものの、覚える技や特性、種族値に目立った強みが感じられず、局面を進めるような動きは期待できなさそうだったため採用見送り。
次点で半減以下にできるタイプは悪、エスパー、鋼、岩、ゴーストあたりが候補になる。
鋼はグレンアルマに弱点をつかれるため採用しづらいが、唯一耐熱ドータクンなら返り討ちにできる上、サイコフィールドを逆に利用できる。トリックルームを使える点もプラス。
ただ、相手への打点が使いにくい地震かイエッサンに空かされるシャドーボールになるのがネック。また今回はエルレイドがいるため、エスパーの技範囲とゴーストの一貫性を重く見て採用を見送った。
代わりに採用したのが、かねてより使ってみたかったヤレユータン。全体技をさいはいで2回打てるだけで普通に強い。積み技も2倍にできるため、シンプルビームよりも扱いやすい。熱風持ち蝶舞ウルガモスと組ませたら止まらないんじゃないだろうか。
悪タイプは優秀なポケモンが多く悩んだが、何となく今回以外使う機会がなさそうだと思いバンギラスを選んだ。
砂嵐時にお墓参りで全抜きできるハカドックとの並びも考えたものの、イエッサンやイッカネズミこの指留まれという、相手の安定択からの明確な負け筋を忌避した。
正直、ヤレユータンとバンギラスの採用では①にしか対応できず、ギリギリ②がみれればいい方ではある。これらの採用は、時間が迫っていたために、何を採用しても煮え切らないと判断した結果、使いたいポケモンを使った方が満足感が上がるだろうというモチベーション採用に踏み切ったところが大きい。また、使用感を掴んで次に活かしたい実験的な側面もあった。
本当はスクリュー尾鰭カマスジョーとペリッパーの並びで疑似雨パにしたかったのだが、夢特性カマスジョーが手元になかったので断念せざるを得なかった。
カマスジョーは地獄突きやドリルライナーを覚える面白さがあり、S種族値が136ある点も見逃せない。ペリッパーは追い風もワイドガードも覚え、波乗りでトリトドンとシナジーがある点もプラスと考えた。まあカマスジョーがいない時点で、バクーダとマイナスシナジーとなるペリッパーオンリー採用は実現できなかった。
◆メンバー
◇バクーダ
▽補足
【2】と一緒。
この構築にしてから、マスターボール帯突入後のウィニングランまで活躍の機会がなかった。最後の晴れ舞台として勢いで切った炎テラス噴火が上手く決まり、しかも決着まで生き残っている試合が撮れたので満足。
◇タイカイデン
▽補足
もちものを磁石に変更。
達人の帯をバンギラスに渡したかったので別アイテムを考えたところ、そもそも電気技だけ打てれば良かったと気づき、磁石を取りあえず持たせた。使用感は変わらなかったので正解。
◇エルレイド
▽補足
あまり使わなかったファストガードをサイコカッターに変更。コノヨザルを確1にできるため採用価値がある。
◇トリトドン
▽補足
もちものをオボンの実に変更。
このトリトドンは耐久全振りではなく、場面展開の早いダブルでは瞬間的な耐久上昇の方が有効と考えてオボンを持たせた。サイコシードやピンチの実でも良かったかもしれない。
◇ヤレユータン
テラス:*
特性:せいしんりょく
性格補正:A↓B↑
道具:メンタルハーブ
技:サイコキネシス、あくび、トリックルーム、さいはい
▽努力値調整
HBD耐久最大効率振り
▽雑感
さいはいとトリックルームがすべて。逆に相手からすればやることが分かっているため、すぐに集中砲火で落とされることもあった。挑発や猫騙しなら仕事は可能である。
攻撃技は威力重視でサイコキネシスとしたが、グレンアルマ対策の悪テラスなどが流行っているため、たぶんハイパーボイスとかの方がいい。あとあくびよりもまもるの方がアドバンテージが取れそうである。
パーティ選出時、相手に追い風とトリックルームの二択を悩ませるという点で役立っていたのではないかと考えている。
ただ同じ役割なら、草食でトリトドンの弱点を空かしたり、あるいはテイルアーマーで神速や悪戯心などの先制技を空かせ、H振りでコノヨザルの命懸けにも耐えられるリキキリンの方がパーティには合っていると思量した。
◇バンギラス
テラス:ひこう
特性:すなおこし
性格補正:A↑C↓
道具:たつじんのおび
技:いわなだれ、かみくだく、ヘビーボンバー、かわらわり
▽努力値調整
HA特化
1.2倍補正込み
かみくだくでH振りグレンアルマ乱数75%
ヘビーボンバーでH振りニンフィア確1
かわらわりで耐久無振りイッカネズミ確1
▽雑感
金銀クリスタルからの付き合いで、キングドラやヘルガーなどと合わせて思い出に残っている。怪獣らしい見た目もグッド。600族ではメタグロスに次いで好み(というか竜はあまり使わない)。今回は友人からもらい受けたヨーギラスをそのまま対戦でも使用したかった理由から採用に踏み切った。
補完としての運用なので技範囲確保のためにフルアタ構成。采配ヤレユータンと並べるなら、竜舞エースとした方が強いんじゃないかとも思う。その場合、テラスタルも岩でいいだろう。
正直悪枠を確保するなら、追い風も使えるサザンドラの方が強い。バンギラスの強みとしては異例だが、ニンフィアを確1にできる点が差別化となる。逆にいえば、ニンフィアを確1にできるなら他のポケモンでも良いことになる。
◆まとめ、反省点
勢いでヤレユータンやバンギラスを採用したのでパーティとしては煮詰まってない感が否めないが、【2】から続投の4体でもうパーティとしては完成しており、他は選出誘導のポケモンで埋めて数こなせばマスターボール帯に行くことはできた。
とはいえ、当初の課題①~④についての解決策が欲しいため、しっかりとした構築を考える必要がある。もうシリーズ2が始まってしまった以上机上の空論だが、下記にそのポケモンの候補を考慮した。
◇ドータクン
テラス:水
特性:たいねつ
性格補正:A↑C↓
道具:じゃくてんほけん
技:ヘビーボンバー、アイススピナー、ロックブラスト、トリックルーム
▽努力値調整
HA特化
・ヘビーボンバーでH振りニンフィアを確1
HB特化イエッサン♀を乱数2発(58.59%)
HB特化イッカネズミを乱数2発(13.28%)
・ロックブラストで耐久無振り砕ける鎧グレンアルマを乱数1発(33.33%)
HB特化ウルガモスを乱数1発(33.33%)
・アイススピナーで耐久無振りマルチスケイルカイリューを乱数2発(99.6%)
耐久無振りガブリアスを乱数1発(43.75%)
▽思案
グレンアルマを起点にする型。耐熱は弱点判定を残すため、弱点保険の起動が可能である。仮に起動しなくとも、流行りの砕ける鎧型に対してロックブラストが刺さる。アルマイエッサンの並びでドータクンへの打点はアーマーキャノンかシャドボールぐらいなので、弱点保険発動後に水テラスを切ればほぼ勝てる見込み。
トリックルーム→相方と一緒にイエッサンを落とす→グレンアルマを落とすという流れで有利が取れるだろう。
悪タイプや地面タイプの600族一致技は、火力補強アイテムがなければ一発は耐えるため返しで勝てる。ちなみにサザンやサーフゴーは火力補強アイテムが主流なので逃げたほうがいい。あとこの型ではバンギラスに勝てない。
ヘビーボンバーはドータクンに等倍以下しか取れない相手への圧として採用。ジャイロボールなら相手追い風下での制圧力は凄まじいものの、トリルパも多いダブル環境では安定しない。このパーティではこの指勢やフェアリーに刺せるヘビーボンバーを採用するのが良いと考えた。
ドータクンの採用は何より、パーティ単位でトリックルームサポート型を予見させることで、追い風タイカイデンとの二択を思考させることにある。バクーダが追い風軸に一見見えないため成立する選出誤認であり、場合によってはトリックルームも切って良い。入れるならサイコフィールド下で耐久無振りコノヨザルを87.5%の乱数1発にできる思念の頭突きだろう。
◇ワタッコ
テラス:鋼
特性:すりぬけ
性格補正:B↑A↓
道具:ゴツゴツメット
技:ちからをすいとる、おいかぜ、いかりのこな、アンコール
▽努力値調整
H全振り
ノーマルテラスタルイッカネズミのネズミざん6発耐え
ノーマルテラスタルカイリューの神速1発耐え
司令塔ヘイラッシャのウェーブタックル1発耐え
鋼テラス切りでセグレイブのつらら針10回耐え
S最速セグレイブ抜き
B余り
▽思案
イッカネズミとカイリューへの回答。パンチグローブまけんきコノヨザルには勝てない。
サポート特化で、おいかぜ後にアンコールやら怒りの粉やら力を吸い取るで掻き回す。この一体でのハメ戦法は考慮していない。
環境の草はマスカーニャとモロバレルぐらいで、怒りの粉があれば仕事ができる見込み。カイリューやセグレイブにはテラス切り力を吸い取るから入らないと受けきれない。ハチマキやクリアチャーム持ちなら諦めよう。
◇ルガルガン たそがれ
テラス:悪
特性:かたいつめ
性格補正:A↑C↓
道具:こだわりスカーフ
技:ロックブラスト、かみくだく、じゃれつく、インファイト
▽努力値調整
AS特化
・悪テラス噛み砕くでH振りグレンアルマとHB特化イエッサン♀を乱数1発(75%)
・じゃれつくでH振りコノヨザルを75.5~89.4%削り
・インファイトでHB特化イッカネズミを乱数1発(37.5%)
・ロックブラストで耐久無振りカイリューを乱数1発(33.33%)
準速スカーフで最速スカーフコノヨザル抜き
▽思案
ついに見つけてしまったメタ。安定はしないものの、①~④への回答になっている。
①アルマイエッサン対面には、悪テラスからの噛み砕くで優位に立てる。②イッカネズミにはインファイトを、③コノヨザルにはじゃれつくを、④カイリューにはロックブラストを当てれば削れ、相方の範囲攻撃で落とせる算段。
カスタマイズ性もあり、先制専用技のアクセルロックでスイープしたり、アイアンヘッドでニンフィアを削ったりもできる。
全体的に火力はいまいち足りないものの、十分な刺さり方をしていていい感じ。惜しむらくは、もう環境が変わってしまい試せないこと。
◆◆◆
【感想】
人生初のダブルランクマ挑戦は、初めこそキツかったが、却ってその課題への解決要請がより良いアイデアを生み出す駆動となった。大学教授の「失敗は成功よりも学びがある」という言葉を思い返す。
シングルではトリックルームで意表をつくパーティで勝ち進んだが、その軸だと難しい判断を必要とせず、学びが薄かった。交代回し受けで瓦解する弱点を見抜かれないよう祈るしかないのが辛く、祈りに縋るということはそこで思考の展開が止まっていることを意味している。これでは頭の健康に良くない。
3日間という短い期間で勝ち上がるために、最適解ではなく、どのような最善手を取れるか考え改善していくプロセスは、身になる娯楽だと感じた。ダブルは参加人口が少なく、出回っている情報が少ない点も、工夫の余地を自らで捻る必要性を生じさせて却ってプラスだった。
シリーズ2はパラドスクが解禁され、Sのラインが上がり追い風バクーダは使えなくなる。また相変わらず火力も足りないため、今期は苦しい冬となりそうだ。まあ実はまだバクーダの型は数個ネタがある。
シングルのパラドクス系なら「キノコのほうし、光合成、噛み砕く、草分け@隠密マント毒テラスのアラブルタケ」が一番強いと感じているため、その予想がどこまで通用するかを試してみたい感はある。また、テツノツツミやハバタクカミが増えた環境の特殊受けが何になるかも見物。個人的には特殊受けキョジオーンや光の壁構築が強いんじゃないかとみている(もちろんウルガモスは続投で)。鋼や炎テラスが増えるだろうから、バクーダにも役割があるんじゃないかと期待している。
とりあえずシーズン3までは潜ったら、いったん離れて、ヒスイ勢が解禁される頃にまた戻ってこようと考えている。ヒスイ世代だとダイケンキ、ヌメルゴン、化身ラブトロスが流行るだろうから、後者2体には役割が持てるんじゃないかと予想している。
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