King Gnuの新曲「ねっこ」を採譜して分析してみた
日曜劇場のドラマ「海に眠るダイヤモンド」の主題歌、King Gnuの「ねっこ」を採譜してみたので、音楽的な分析解析もしてみようと思います。
ねっこのMV、暖かくてじーんときますね。
カメレオンと硝子窓の人形まで出てきて最高です!
採譜した楽譜はコードも付いているので、そちらを再生しながら読み進めてもらうと分かりやすいと思います♪
■曲の雰囲気
今回の曲はやさしいバラードの曲です。
MVとも関係している「カメレオン」や「硝子窓」の雰囲気に似ていますね。
歌詞もやさしさに溢れているし、題名からしてなんだか素朴でいつものKing Gnuらしくない??
と思いきや、中盤あたりからやっぱりKing Gnuだ!!
と思わされるワクワクゾクゾクする展開になってゆきます♪
今回の曲も常田さんと井口くんの真逆な歌声を生かして、様々な展開を繰り広げてゆきます。
■個性的すぎる曲の構成
曲の構成が普通じゃないです。
かなり個性的です。
個性的すぎて素敵です。
AメロBメロが1回ずつしかないので2番的な箇所が無く いきなりCメロへ進み、そのままDメロまで突き進みます。
これはなかなか見ない構成ですよね!!
ちなみによくある構成は、
Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→(Dメロや間奏)→大サビ
ポップスではこんな感じの曲が多いですね。
この斬新な構成の曲、「ねっこ」の中身を細かく分析していきたいと思います!
■サビのコード進行
まずしっとりとした素敵なピアノ伴奏で頭サビからスタートします。
キーはGm(ト短調)でコード進行は、この繰り返しです。
この進行はエモい曲定番の丸サ進行ですね!
丸サ進行といえば4361と言われますが、これはマイナーキーでの65173になってるので、7を抜けば同じことです。
(キーはE♭(変ホ長調)で考えても良いと思いますが、個人的にはGmで安定する気がするのでGm(ト短調)かなと思いました。"丸ノ内サディスティック"も私的にはCmだと思うので、6513の方がしっくりきますが…皆さんはどちらにとらえますか?)
ⅦのFm7を入れることによって、次のE♭に向かう要素が強くなります。
一瞬転調してE♭をトニックだと考えると、
Fm7(Ⅱサブドミナント)→B♭7(Ⅴドミナント)→E♭(Ⅰトニック)
Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ進行になるので、ここにⅦのFm7を入れるとより自然な流れになります。
■イントロ、Aメロ、Bメロのコード進行
こうなっています。
サブドミナントで繋いで、漂っている雰囲気を出しています。
(Ⅵは基本トニックの仲間ですが、マイナースケールではサブドミナント的に使用できます)
続くAメロも途中まで同じコード進行でイントロから繋がって続いている感じが出ています。
Aメロの途中からの進行は、上で説明したサビと同じ進行です。(順番が入れ替わってますが…流れ的には同じです)
次のBメロもイントロと同じピアノの伴奏で、繋がりを表現しています。
コード進行もイントロと似ていますが、途中からサビに向かってE♭M7のみで盛り上がっていきます。
ずっと同じコードを続けて緊張感を出し、サビ前の2拍子で緊張感が増し、サビで開放感を得られます。
ここからのサビは、頭サビのコード進行と同じです。
■Cメロへの転調
サビが終わり、ここから間奏が来て2番に入る曲が多いと思いますが、
この曲はここで早々と転調で盛り上がって、Cメロへ突入します!
ここの転調するコード進行がまた個性的です。
Cメロへのつなぎで2回転調してます。
サビのGm(ト短調)→B♭(変ロ長調)→D♭(変ニ長調)
ここのB♭への転調がまたひと癖あります!
E♭→D7から急にB♭に進行しています。
B♭の前にB♭に行きやすくなるコード(ドミナントなど)を挟んでいません。
そしてすぐにD♭に転調しています。
(B♭からD♭への転調は、間にA♭onCのドミナントを挟んでいるのでスムーズに進行しています。)
この急な2回の転調効果で、
「何処に連れて行ってくれるんだろう!」
というワクワク感でいっぱいにさせてくれ、
行った先(Cメロ)では常田さんのやさしい歌声&歌詞が待っていてくれます。
■Cメロの安心感
CメロはFm(ヘ短調)に転調しました。
調は違いますが、ここもサビと同じ丸サ進行が使われています。
(CメロもD♭のキーにも聞こえますが私はFmがしっくりきます。)
そして、優しいメロディに優しい歌詞をのせて常田さんのコーラスが響くこの場所はなんだか安心しますね。
■Dメロへの転調
ポップスではあまり見かけない新たなメロディのDメロに飛んでいきます!!
井口くんの「さあ咲き誇れ〜」でDメロにワープします。
常田さんから井口くんへの唐突なバトンタッチ効果と、またまた個性的すぎる転調で瞬間移動したかのような効果がでています。
ここの転調のコード進行を考察します。
まず右側の井口パートへ移った後の進行は、
D7/A→D7♯11→GM7【Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ】の進行です。(ここのオンコードはベースラインで考えています)
その前のF#m7は、常田パートのフラット♭系と井口パートのシャープ♯系の橋渡し役になっています。
Fm→F#mは半音上げの進行なのでスムーズです。
そして、D7#11の♯11がまたオシャレに良い味出してます。
本当に上手いこと転調を生かしてて、ここの展開かなり好きです♪
■Dメロ、間奏、大サビのコード進行
DメロはBm(ロ短調)に転調しました。
ここもサビと同じ丸サ進行です。
Dメロは静かで切ない雰囲気ですね。
間奏、大サビとは違う雰囲気ですが、コード進行はそのまま継続していて全く同じです。
曲の中のほとんどが丸サ進行になっていますが、個性的な構成や転調の仕方などでKing Gnuらしい独特で魅力的な一曲に仕上がっています。
以上、かなり細かーくコードの分析をしてみました!
わたしのYouTubeではKing Gnuの曲を演奏、採譜した動画を沢山アップしています。
是非覗いてみて下さい♪
伴奏バージョンの「ねっこ」の動画もアップしています♪
最後まで読んでいただきありがとうございました🌸