夢のはなし 前フリ
※夢を見る前、寝入りに見た夜空・月・雲の様子を見て思った感想が、まさかの夢でも同じような展開になったので前フリから書きます、すみません
10/13日(日)22時頃
今宵、中途半端な満ち欠けをした月は、ひときわ輝いていた
月の舞台である夜空には、動物、道具、例えようのない丸など、さまざまな形をした小ぶりな雲が点在していた
雲は途切れ途切れに現れては、今宵の輝く月を、順番に飲み込んでいた
とあるアメーバのような形の雲が月を飲み込むと、月はまるでアメーバにとっての核になったかのようにアメーバの中で輝いていた
月の輝きが強いため、アメーバ雲の輪郭はオレンジ色に縁取られ、彩雲となっていた
かつて何のへんてつもない雲だった者は、月を核として我が腹に宿したことで、この夜空において最高で最強の雲として君臨し始めた
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そんな貫禄を持ったアメーバ雲も、やがて尾から月を排出し、ただの雲へと戻った
舞台はほんの数分であった
しかし「月を核として宿した覇者」の栄光は、その後も雲を酔いしれさせてしまったようにも見える
あぁ、良かったねぇ
みんな、今生の願いとして好きな男にでも抱かれた女に対してかけるような目線と思いでお前を見ているよ
おめでとうと祝福すると同時に、月がなければしょせん大したものになんか見えない様が際立つ
元々のポテンシャルの低さがより顕著となってしまう様子は、なんだか可哀想にも見えてくる
素敵な憧れの人に出会い、照らされ、交わらせてもらえたことで輝けた自分を知れた、雲
だが結局のところその雲の輝きというのは己の才能や努力ではなく、運とタイミングが味方した"相手の実力ありきの、魔法の時間"であった
排出された月は次々と様々な雲に取り込まれていった
次に月と一緒になった雲は豚の形のようだった
その豚のちょうど口元あたりから食べられるように取り込まれて、これまた腹の中へと入っていった
その後も黒い雲に隠されて光さえ見えなくなったりと、夜空を渡り歩いていた
アメーバに豚に、選り好みしない月は何を考えているのか感じているのかわからない
非情さすらも感じる
お前、誰でもなんでもいいんかい
いや、選ぶことなんてできないのかもしれない
誰でもいいから輝いてくれれば…自分の力が施せる範囲ならいくらでも力を授ける…そういう慈悲があるのかもしれない
なんてことも思った