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社長がマスクをしてくれない

私は今小さなIT企業でインターンをしているのだけど、
社長は私がインターンを始めた時からずーっとマスクをしていない。

訪問とか出張の際には流石に相手側のことも考えてしているみたいだけど、社内でマスクをしているところを私は見たことがない。

それについて誰も何も言わないし、社長からなぜマスクをつけないのかという話もされたことがなかったから、私は勝手に二つの理由を考えていた。

・以前すでにコロナにかかり、抗体ができているから
・室内ではマスクをするのが息苦しいから
・健康上の理由ですることができないから

しかし、実際の理由はこの3つのどれでもなかった。

本当の理由は社長の社内報で明らかになった。
めちゃくちゃ要約すると、

「70歳以上でない限り、コロナに感染しても死ぬ確率はほぼゼロに等しいから」

というような理由だった。

正直、この説明では、私は全く社長がマスクをしていない理由を理解することができなかった。
マスクをしていなくて、それによって自分が感染したとしても、もしくは誰かに感染させたとしても、死ぬことはないから?という意味?
とにかく死ぬことさえなければ良い、ということ?
足りない頭を働かせて、どういう意味なのか自分なりに考えてはみたものの、やはり理解に苦しむ。

というか、私はこのご時世にマスクをしない人って何なの?ちょっと信じられない…と、そこまで思っている。(もちろん健康上の理由ですることができない人は仕方がないと思うけど)
まさか自分のすぐ近くに、そんな"ちょっと信じられない人"がいるとは思わなかった。

確かに死亡率だけでみたら、70歳以上でない限り死ぬ確率はかなり低い。
でも、間違いなくこれは死ぬ死なないの問題ではない。
もし自分が感染したら、医療機関を受診しなければいけない。この時点で医療の逼迫に自分が加担してしまっていることになる。
そして、自分が感染した時に死ぬ確率は低いとしても、自分が感染させてしまった人や、その人からさらに感染してしまった誰かが死んでしまう可能性は大いにあるはず。

例えば、私は今80歳を超えた祖父母と同居している。
「感染しても死ぬことはないから大丈夫」とマスクをしていない社長から私が感染して、さらに私が祖父母に感染させてしまった場合、祖父母の体調を考えるとかなり高い確率で祖父母は死んでしまうと思う。
(死ぬ確率が高い人と同居しているからこそ、社長がマスクをしていないことは私にとって本当に脅威だし、決して小さくない問題なのです)

マスクをしないことで、誰かの命を危険に晒してしまう可能性があることに、社長はなぜ気がつかないのだろう?

きっと、周りで働いている人は全員、私と同じようなことを思っているのではないかと思う。

それなら社長にそう伝えれば良いじゃないか、論理的に反論すれば良いじゃないか、という声が聞こえてくる。
その通り。でも怖くて言えない。命を落とす恐怖の方が大きいでしょうがと、それは頭では十分理解しているのだけれど…。
社長がマスクをしないことに関しては、注意をしない私(たち)にも責任があると思う。

それまで人も温かくて、お仕事も楽しくて、とても素敵な職場だと思っていたけれど、社長の考えを聞いた瞬間に社長及び会社に対する疑念がふつふつと湧き起こってしまった。
一度感じた疑念って、消し去ることはなかなか難しい。残念だな…

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