書籍「コミュニティ思考(仮)」で使わなくなったパートを公開してみた。 #コミュニティ思考100 関連記事Vol.2
先日公開した記事「書籍「コミュニティ思考(仮)」の初期原稿を蔵出ししてみる。 #コミュニティ思考100 」がとても好評いただきありがとうございます。ダイヤモンド社から6月予定で出版される書籍「コミュニティ思考(仮)」(Peatix Japanの藤田祐司氏との共著)からの蔵出し記事でしたが、みなさんからの期待を感じる反響で、とても勇気付けられました。「好評であれば、[13]以降の解説ものっけようかなと思っています」と書いていましたが、反響をみなさんからのリクエストととらえ、続きを書いていこうと思います。今回は[13]から[26]までです。
なお、今回は「書いたけど使われなかったパート」がほぼすべてです。言い方を変えると「ボツパート」なのですが(笑)完全にカットされたものもあれば、エッセンスはきちんと収録されているものまでさまざまです。本が出た暁には読み比べてもらうと面白いかもしれませんね。それではぜひご笑覧下さい。
コミュニティ思考100[13〜16]弱い紐帯理論
コミュニティ思考100 [13]
仲間の獲得は、既存事業を広げることだけでなく、新規事業の創造にも役立ちます。「オープンイノベーション」という言葉が日本のビジネスの世界で流行語になって久しいですが、2010年代中盤頃から、日本国内で、新規事業創造を目的としたイベントが増えてきました。
コミュニティ思考100 [14]
「弱いつながりの強さ」理論を、ご存知でしょうか?実は、コミュニティが世界を動かす理由の根源が、この理論には隠れています。新しい価値ある情報はちょっとした知り合いなど社会的つながりが弱い人々からもたらされる可能性が高いというのです。
コミュニティ思考100 [15]
ビジネスを大きく動かすような情報や案件は、普段出入りしている密な場の「外側」からやってくることが多いのです。「内輪」と「外側」のハブとなる「緩いつながりを持つ存在」が「弱いつながり」です。
コミュニティ思考100 [16]
場を一緒に創ると、仲間意識が芽生え「ちょっと遠いがいざというときに役立つ」人との生きたつながりが生まれます。情報を提供したり、手助けをして生まれる関係性が、ビジネスの成功確率を上げることにつながるのです。
コミュニティの価値を伝えるのによく使われる「弱い紐帯の強さ」。初稿にはこんな感じで紹介されていましたが、結局、完成原稿からカットしました。別の文脈で(企業目線で)コミュニティの価値を伝えられたので、つけるのも蛇足かなと感じたというのが理由です。2年前の自分なら、この理論の引用で伝えきった気持ちになっていたかもしれない。思考を新しくしていくことの大事さを感じます。なおこの理論は本当に普遍的なものだと思っているので、人に話をするときは頻出し続けるでしょう。
※イラストを書いたのにカットを決断する寂しさはちょっとありました。あああ…
コミュニティ思考100[17〜19]BtoBコミュニティとBtoCコミュニティの違い
コミュニティ思考100 [17]
「B to B」「B to C」のビジネスコミュニティに違いはありますか?多くの担当者の方からこのような質問を受けますが「根本的なところは変わらない」が答えになります。違いがあるとすれば「コミュニティメンバー構成」と「段階により集める対象が異なる点」になります。
コミュニティ思考100[18]
BtoCのコミュニティの場合は、招待制はとらずに、広く告知してユーザーを集める「公募」の形をとります。サービスやプロダクトのターゲットに応じて、属性をしぼることはありえますが、コミュニティの趣旨に賛同していて、属性などの条件を満たせば、誰でも参加できるスタンスをとります。
コミュニティ思考100 [19]
BtoBにおけるコミュニティは、招待されたメンバーで構成されます。販売活動や提携のための「セールス」のためなのか、販売や提携後の「サポート」のためなのかによって巻き込む段階が少し変わってきます。1つのコミュニティで両方兼ねることもあります。
これもカットした箇所です。章立てで構成を直した際に、どこにもはまらなかったというのが大きな理由。あと、本質的にはBtoBでもBtoCでも変わらないよね、っていうのも理由のひとつでした。下のふいご(ファネル)の絵もよく使うものですが、結局カット。商談資料には使いやすいんですけどね。こぼれネタとして、noteに後日詳しくまとめようかなとも思っています。
コミュニティ思考100[20〜24]イベントの目的と形態
コミュニティ思考100 [20]
イベントの目的の1つは「メンバーと「密なコミュニケーション」をとり、それぞれのビジョンを共有する」こと、もう1つは「コミュニティの「私たちはこうしたい・こうありたい」というビジョンを発信し、賛同してくれるメンバーや協力者を見つける」ことにあります。
コミュニティ思考100 [21]
ミートアップ・イベントは「私はこうしたい」という、自身の抱えるテーマについて関心のある「不特定少数」を集め、会話をつくっていく場です。会話を通じて「こうしたい・こうありたい」というそれぞれのビジョンを伝えあう場にします。構成人数は4人〜20人程度。
コミュニティ思考100 [22]
小・中規模イベントは、コミュニティの「こうしたい・こうありたい」というビジョンを発信し、賛同してくれるメンバーや協力者を見つけてコミュニケーションをとるために実施します。集客人数は小規模で20人から50人、中規模で最大200人を目安にするといいでしょう。
コミュニティ思考100 [23]
イベントの開催は「グループメンバーの結束を強める」という副次効果も生み出します。「ビジョンを伝えるオープンな場づくり」というゴールに向かってメンバーが共同作業をすることで、活動に対する手ごたえを得られる「成功体験」をつくり上げることができます。
イベントについて。こちらもこの文章そのままは使われていません。内容はもちろん触れているんですが、共著者の祐司さんの書いたパートと僕が書いたパートをガッチャンコする際に、大きく言い回しや分類が変化しました。共著だとそういうこともあるのです。このあたりはかなり手厚く書いているので、ご期待下さいませ。
それにしてもこの数ヶ月で「密なコミュニケーション」って言いづらくなったな…
(密な感じで打ち合わせができていたあの頃…)
コミュニティ思考100[24]オンラインコミュニケーション
コミュニティ思考100 [24]
オンラインコミュニケーションは、より広い層へのリーチが可能になります。YouTube動画やPodcastなどの音声配信、ブログや冊子などのテキスト発信、Facebookグループなどによるコミュニケーションを通じてビジョンを発信していきます。
オンライン施策については、コロナショックの影響を受けて大きく分類やボリュームに影響が出ました。当初は正直、けっこうサラっとしたものだったのです(もちろんこの文章だけじゃないけど)。
しかし、明らかに状況が変化していく中で、また自分たちもオンラインイベントを実践する中で、どんどん考え方がアップデートされていきました。最終的にどうなったかというと、オンラインイベントで章の半分がうまる結果となりました。アフターコロナ時代完全対応です。
コミュニティ思考100[25〜26]コミュニティをつくる前に
コミュニティ思考100 [25]
成功するコミュニティづくりにあたりまず大事なのは「いきなりつくらない」ことです。自分自身、イベントにまず参加してみましょう。コミュニティに最も大事な教科書は、実践者たちの姿です。コミュニティの動きを体感し、自分なりに解釈してみましょう。
コミュニティ思考100 [26]
何度かイベントに参加してみると「ここがすごく心地いい!」「ここは改善してほしい」「もっとこういう雰囲気だったらなあ」などの感想が、自分事として浮かんでくるはずです。体感し記録し分析してみることで自身のコミュニティ感覚を鍛えていくといいでしょう。
僕と祐司さんが打ち合わせで「いや、つくるよりもまずは参加するところからじゃないか?」って盛り上がったのをきっかけに、「いきなりつくらない」という原稿が生まれたのですが、担当編集者の「私目線でいうと、いきなりつくる方法を知りたい」という一言で、「まずは参加しましょう」の項目はなくなりました。正確にいうと、内容は「他のコミュニティに参加して学ぼう」という項目は残ってはいるのですが、先頭のハードルをあげるのを回避した感じです。
書籍「コミュニティ思考(仮)」は6月中旬頃発売予定
というわけで、いかがでしたでしょうか。この #コミュニティ思考100 という企画は引き続いていきますので、ぜひ興味湧いた方はツイッターをフォロー下さい。
このまとめ記事も好評であれば、[26]以降の解説ものっけようかなと思っています(お約束!)。フォローとかLikeとか押していただけると励みになりますので、なにとぞよろしくお願いします。
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