肩腱板筋の起始・停止
はじめまして!
3年目理学療法士の田中と申します.
今回初めて記事を書いてみました!
私の記事を読んでいただいた方の少しでもお役に立てたら幸いです.よろしくお願いします(´・ω・`)
さて,初めての記事のテーマは【肩腱板筋の解剖】についてです!
肩関節には有名な腱板筋が4つ存在します.
1.棘上筋
2.棘下筋
3.肩甲下筋
4.小円筋
整形外科の臨床をされる方は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?今回はこの4つの筋肉の起始・停止とその付着部について解説していきたいと思います!!
①棘上筋の起始と停止
棘上筋は主に肩甲骨の棘上窩から起始し,上腕骨大結節の前内側部に停止します.最前部には強い腱性部があり,筋線維の多くはこの腱に合流して大結節に停止します.
そのため,前方部と後方部では作用が異なるとされています.
②棘下筋の起始と停止
棘下筋は横走線維と斜走線維に分かれています.
横走線維は肩甲棘の下面から起始し,斜走線維の上部に合流します.
斜走線維は棘下窩から起始し,上部停止腱は棘上筋の停止部を覆う形で大結節の上面に付きます.また,下部停止腱は大結節の後面に付きます.
③肩甲下筋の起始と停止
肩甲下筋は筋腹に扇状様に広がる数本の筋内腱があります.
そのため大きく分けて上部線維,中部線維,下部線維に分かれています.
さらに停止部付近に筋腹の多い筋性部と,筋の少ない腱性部が存在します.
また,停止腱の一部は小結節を乗り越えて大結節に付着し,その部分を「舌部」と言います.
肩甲下筋も挙上角度によって作用する線維が異なってくるとされています.
④小円筋の起始と停止
小円筋は肩甲骨後面の外側縁中央から起始し,次第に太くなり,上腕骨大結節の後面下部と大結節稜の上部に付着します.
また,小円筋の筋線維は腋窩陥凹の後方から関節包後下方にかけて直接付着するいう所見も報告されています.
⑤大結節fasetと腱板付着部
学生時代では腱板筋の外旋筋は「大結節」に付着していると学びました.
では,先ほどから停止部で出てくる大結節の前内側部や後面下部とはいったいどこなんだろう?と思われた方もいらっしゃるかと思います.
実は大結節は3つのfacetに分かれています.
・上面を指すsuperior facet(SF)
・中面を指すmiddle facet(MF)
・下面を指すinferior facet(IF)
上記の図を頭に思い浮かべながらもう一度この記事を最初から読んでいただけると理解しやすいと思います!
今回は以上になります.最後まで読んでいただきありがとうございました.
臨床において筋の起始停止や走行は必ず必要になるとても大切な知識だとおもいます.この記事を読んでいただいて,少しでも読んでくださった方の臨床に活かしていただけたら幸いです.
今後も定期的に書いておこうと思いますので,よろしくお願いします!
次回は腱板筋の作用編です☺
それではまた…('ω')
【参考資料】
1)北村清一郎.他:運動療法 その前に! 運動器の臨床解剖アトラス.医学書院
2)望月智之.他:肩後上方部の解剖(棘上筋,棘下筋,小円筋の構造について).Bone Joint Nerve.Vol3 No4 2013.10
3)中山裕子.他:肩関節挙上角度と肩甲下筋の筋活動の関節.理学療法学 第35巻第6号.292‐298
4)望月智之.他:棘上筋および棘下筋の前腕骨挿入:回旋腱板の足跡に関する新しい解剖学所見.JBJS905(2008):962‐969