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暗号を高校時代に勉強した数学のお兄さんが暗号について語る②

暗号に馴染みがない人に向けて、暗号がどれだけ世界に役立っているかというものを数学のお兄さんの主観と学んだ知識を交えて話すシリーズです。

暗号について語る①はこちら

第二段は、暗号の進化と共に発展する技術の話と、そして大きな転換点を描いていきます。

・暗号の進化により発展していく技術

暗号が進化するとはどういう事なのか。その言葉のとおり、例えば今よりも解読に時間がかかる暗号が発明される事を指します。しかし、それと同時に解読する側はいかに解読する時間を短縮するか、という事に挑みます。短縮しようとする際、技術が生まれます。

また、その解読技術に打ち勝つ為に、暗号化の技術が発展します。これの繰り返しが、技術の発展を促進させていきました。1900年代に代表される「エニグマ」と呼ばれる暗号がまさにその象徴。ちなみに、映画『イミテーションゲーム』にも出てくるこのエニグマの話は、また別の回にさせて頂きます。

技術が発展したのは戦争のおかげ、という話もありますが、この話には暗号が密接に関わって来てます。兵器の開発のため技術が発展したという側面もありますが、秘密裏に情報伝達をする上で「暗号」が不可欠でした。この秘密裏の情報伝達のために暗号化の技術が発展→機械(特にコンピュータ)の発展という裏側があるのです。

そして、とうとうこのコンピュータの発展があるラインに達した時、これまでになかった暗号が誕生します。

・暗号化する鍵がばれても大丈夫な暗号の誕生?

その暗号とは、暗号化する鍵がばれても解読される心配のない暗号の誕生です。前回の記事で、暗号が解読されてしまう要因は「暗号化する鍵がばれる事」と「暗号化の規則性が推測される事」だと述べました。その「鍵がばれる」が起きてしまっても問題がないという暗号です。想像つきますか?僕も最初はつきませんでした。

RSA暗号と呼ばれる暗号が1970代後半に発明されます。その暗号はなんと、「暗号化する鍵」を公開してしてしまっても問題がありません。なぜなら、暗号化する鍵と復号化する鍵がまったく異なるものだからです。

イメージは自転車の鍵や南京錠をイメージすればよいかもしれません。もしくはオートロックの鍵でも想像ができるかもしれないですね。自転車の鍵や南京錠は「鍵をかける」ためには、回してあける方の鍵がなくても「カチッ」と締めさえすれば鍵がかかります。ですが、「鍵をあける」ためには、回してあける鍵が必要です。(オートロックもドアを閉めて鍵をかけられるけど、鍵がないと開ける事は出来ませんよね?)

「鍵を締めるためには、手でカチッと締めて下さい」という情報は公開しても、回してあける鍵を持ってい無いと開けられませんよね?RSA暗号はまさにこれと同じ事が可能なのです。

具体的にどういうった手法が使われているかは様々な本が解説していますし、WEB上にも沢山情報が載っておりますので割愛します。ちなみにこの暗号は暗号化するために恐ろしい程の計算が必要です。そのため、コンピュータが発展しなかったら実現出来なかった暗号技術なのです。

そして、この技術は現在のインターネットという皆様にとって馴染みの深いツールの安全性を支えているのです。うーん、感慨深い(ですよね?笑)


そういったわけで暗号という技術が皆様が使っているインターネットという所に役立っているという話まで語る事ができたので、ようやくここでこの記事の主旨の「暗号がどれだけ世界に役立っているか」を伝える事が出来ました。ふう…。

まだまだ今回では終わりませんよ。まだまだ、暗号の話は続きます。

次回は…3月2日ごろの更新ですかね。次回は時代の順序関係なくユニークな暗号手法についてお話が出来たらと思います。あくまでも予定ですが。

それでは!


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