分断が加速しないといい
再びトランプ大統領が誕生しそうだとテレビニュースが報じている。
日本へのメリット・デメリットは、正直よくわからない。
ただ、変化を望んだり厭わないことが、投票という行動に繋がるのは、羨ましいなと思った。
日本は、この政権が嫌だと思っても、それが「マシなほう」に投票するという行為にならない。
どっちも嫌だから、どっちの意見にも耳を傾けず、政治そのものに無関心でいるという人が少なくない。
そして、変化を好む・好まないも含めて、みんな意思表示をしない。
関税が上がったり、円の上下動の結果、さらに物価高になるのは嫌だなぁと思う。
物価高を気にしないのは、それにつれて収入も上がっている人。
利上げを歓迎するのは、お金を転がす元手のある人で、たとえなくなっても暮らしに困らない人。
住宅ローンを組んでいたり、設備投資でこれから借金をしようと思っている人は、利上げは嬉しくないだろう。
資産もないが借金もないいまの私は、これから働いたとしても賃上げの恩恵に与る可能性はないし、物価高が暮らしを直撃するだけ。
持つ人と持たぬ人。
奪う側と奪われる側。
線引きされたこちら側とあちら側の格差が拡がり、二極化だけが着々と進んでいく。
どの政権かだけじゃなくて、さらに日本だけじゃなくて、アメリカもそうなんだ。
そのことだけは、今回の大統領選挙の様子で感じている。
このところ、民主主義というものがちょっとわからなくなっている。
昨日、介護保険料の通知と納付書が届いた。
予想外に高額だったので、見間違いかと思って二度見した。
社会保険料だったときは、半分は会社負担だ。
あまり意識しないが、退職してみると全額自分で払うのでその金額に驚いてしまう。
夏に退職していまは失業状態なので、国保は軽減措置がある。
失業認定されたその足で役所に行って手続きをしたら、修正された(軽減された)金額の通知書が再送されてきた。
念のため、役所に電話して「失業しているんですが国保のような軽減措置はないんですか」と問うてみた。
介護保険には軽減がないとわかった。
ただし、免除はある。
破産や生活保護が必要なほど実際に払えないような状態なら免除になるらしいが、預金がないことを確認するなどいろいろ手間がかかるという。
「ハードルが高くて普通はまず適用されないので、双方手間がかかるだけだから、申請しないほうがいい」という職員のニュアンスが、バンバン伝わってきて、途中で「わかりました。もういいです。」と電話を切ってしまった。
本当に生活に困窮している人は、まずこういう問い合わせだけでめげてしまうよなぁ。
そして、払わないでいると当然督促状が来て、それでまた精神がえぐられる。
そういえば、強盗の闇バイトの容疑者が「税金を滞納しているのでお金が欲しかった」と動機の一部を語ったらしい。
それを聞いたとき、「強盗するくらいなら税金なんか踏み倒せ」と思ったけれど、こういう公的なお金の督促に追いつめられる人っているのよな。
かつて実家は税金や保険料をとことん滞納した。
光熱費は払わないと電気や水が止まるのでなんとか工面したが、税金などの滞納は、その時点では暮らしに困らない。
でも、ある日、差し押さえがあって、家屋や家財に「差し押さえ」の紙が貼られてしまうのだ。
私は、和ダンスの上の日本人形が入ったガラスケースにこの紙が貼られていたのを見て、本当にショックだった。
私はもともと人形嫌いだったし、別に惜しかったわけじゃない。
でもそれを「国」から、「お前の暮らしには人形は贅沢品」と通告されたように感じたのだ。
人形買う金があるなら税金払え、人形飾って楽しむひまがあったらもっと働けと言われている気がした。
その人形は、たぶん叔母が母にくれたものだったと思う。
もしかしたら、そうなる前に受けられるサポートやアドバイス機関があったのかもしれない。
もっと早く弁護士を頼んで借金の整理をすればよかったのかもしれない。
でも、そんなこと、知らないじゃん。
そもそも弁護士を頼むなんてお金があったら、借金払うし、今日の食べ物買うよ。
夜逃げを繰り返した昔と違って、おっかない借金取りが来ないだけでも両親は「まだ大丈夫」と思ってたんじゃないかな。
実家が破産したとき、私は夫に言えなかった。
誰にも、どこにも相談できない。
だから、毎月、自分の給料からこっそり生活費を支援した。
夫はそれを知らなかったから、私にはきっと「へそくり」があるんだろうと想像していたと思う。
でも離婚したとき、私には現預金2万円しかなかったのだ。
お金を貯めるなんてこととは遠い暮らしだった。
生きにくい世をなんとか生きて、ここまできた。
日本であれアメリカであれ、分断が進んで対立したり、二極化が進んで困っている人がさらに困るような世の中にならなければいいと切に願う。
読んでいただきありがとうございますm(__)m