日脚伸ぶ(ひあしのぶ)
寒い寒いと言いながら毎日過ごしていたけど、そういえばだんだんと夕暮れが来るのが遅くなってる。
「ちょっとお散歩でもいくかぁ」
と、もこもこコートにぐるぐるマフラーで近くの公園まで行ってみると、笑顔で駆け回る子供たち。
「元気だなぁ…」
と思わずつぶやいた私の長く伸びた影に、寄り添うように並んだ影。隣を見ると、同じようにもこもこコートにぐるぐるマフラーで首をすくめて立っている男の人。
なんとなく目を合わせて、なんとなく会釈。
まだまだ寒いけど、春は、確実に近づいています。
◆日脚伸ぶ(ひあしのぶ)…少しずつ日が長くなること。
冬至を過ぎると少しずつ少しずつ日の差す時間が長くなってきます。
日が伸びてくると、寒い冬には透き通るように弱々しくうっすらと差していた光が、暖かい色を持って部屋の中を満たしてくれるようになってきます。灯りを付ける時間もだんだんと遅くなり、ゆっくりと、でも確実に春が近づいていることを実感できます。
暗かった冬がもうすぐ終わる。春を待つ人々の喜びの思いが強く込められた言葉です。
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