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サングラスで送迎しようよ。
今年、私の見た目が「母親っぽくない」方向に進化した。自分で選んだけど、意図的ではなかった。
きっかけはファッション。
ここ数年、私のクローゼットは
「黒」「洗える」「乾燥機OK」「汚れ上等」
という選抜メンバーのみで構成されていた。デザイン性? 余計なものはいらない。
でも今年の私は、なぜか久しぶりに「これ、好き」と思える服を手に取ってしまった。洗濯表示タグを見て「手洗い推奨」を確認しても、甘んじて受け入れることにした。
久しぶりにネットじゃなく、お店にいって試着をするとウキウキが止まらない。
オールブラックからの脱却、柄やディテールの細かいデザインのものを選んだ。
そして、髪型も変えた。
ストレートに見切りをつけ、思い切ってパーマをかけた結果、「あれ?いい感じじゃない?」と気分がアガった。
鏡の前でワックスを揉み込む日々が始まった。めんどうだと思う日もあるが、ストレートの時よりアホ毛や寝ぐせが目立たないどころかそれだけで一気におしゃれな雰囲気になるから続けている。
これでモードっぽい雰囲気と色んなこだわりを持っていそうな「母親っぽくない女」の完成。
紫外線を受けるとサングラスになるメガネを合わせると保育園の送迎時は「かなり近寄りがたい母親っぽくない女」に仕上がる。
自分は自分の世界観を大事にしている人っぽくて、とても気分が良い。
ここで気づいた。私は、ぼんやりした「良い母親像」にずっと縛られていたのかもしれない、と。自分のことはあと回しにして、子どもが食べこぼしても気にならない服、メイクする時間なんて無駄で、そんな時間があったら子どもを見ていなきゃいけない。それが「良い母親」だと思い込んでいた。そもそも母親っぽいってなんだよ。
でも、服を変え、髪型を変えたら、気づいたら私は「かっこいい女」になりかけていた。あくまで「なりかけ」だ。出先でふとしたときにガラス窓に映る私の姿が好きな自分でいると嬉しい。
子どもたちはそんな私の変化には一切興味がない。
でも、自分が、自分を好きでいられること。それだけで、ちょっといい気分で毎日を過ごせる気がする。
「私」という人間を少しずつ思い出し見つめ直している。
今年の抱負、「ほんのちょっと、心豊かに。」
思わぬアプローチだったけど、実現したんじゃないかしら。
来年はどうしていこうか。楽しみだ。