はじめまして、立花です。 | 立花 祐平 (認定NPO法人改革プロジェクト )
第3回:失敗のお話
活動の持続を求めるならば、最初のハードルは適度に高いほうがいい。
パトランではチーム制度を設けており、一定条件をクリアするとチーム化することができる。これが現在全国に18チーム存在する。最近では企業と学校による展開もスタートし、それらを含めると26チームがある。そんなチーム展開におけるルールは当初整っておらず、バーゲンセールのような状態だった。そのため、浮遊層(新しい物好きな方々)が飛びついてきても「はいどうぞ」だったため、1年未満で潰れるチームが多くあった。最短1日で潰れたチームもあったほどだ。
失敗を重ねることで、これはいかんと気づきが生まれ、徐々にバーションアップしてきた。当初は1日でつくれたチームも、いまや平均1年くらいかかるようになったので、改めて振り返るとその振れ幅に驚く。いくら机上で立派な計画を立てたとしても予想外のことが次々起こる。
上手くいかなかったことから教訓を得て、軌道修正することが何より重要だと学んだ。
ジョーカーに注意
パトランの特殊なところは、活動への参加障壁が比較的低く、様々なバックボーンや個性を持つ方が集まっていること。メンバーの多くは意欲と好奇心を持ち、前向きな活動を行なってくれているが、ごく稀にチームとして組織を結成した際に、これがうまく作用しないことがある。それは、メンバーを振り回し、組織の求心力を低下させ、周りの人たちのモチベーションを奪っていく立ち振る舞いをする人によって起きてしまう。
その元凶をジョーカーとよんでいる(私が勝手に)ジョーカーは悪意を持っているわけでなく自分なりの正義に基づいているため、初見では判断できない。コミュニケーション力も高いため、逆に最初は信頼しているということも少なくない。それが組織に所属し、幹部のような重要なポジションにつくと、徐々にメッキが剥がれていく。パトランの場合、各チームには幹部メンバーが存在し、このメンバーたちがチームの運営を切り盛りしてくれている。前向きにモチベーション高く活動していたチームが、一人のジョーカーの存在により、人が離れ、活動が維持できなくなるケースを少なからず目の当たりにしてきた。ジョーカーというイナゴに、耕した田畑を食い尽くされ、後にはなにも残らないみたいな感覚だ。我々のようにボランティアがベースの場合は、嫌ならやめる、距離をとるということが会社に比べ容易に実行できるので組織の維持はより難しく感じる。これは我々の活動のみならず、他の団体にも当てはまるのではないだろうか。ボランティアにおける人間関係の維持は簡単なようで実は複雑で難しいのだ。
次回:「大切にしていることのお話」(11月28日公開)
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プロフィール
立花 祐平
福岡県宗像市出身。 東福岡高校、明治大学商学部商学科卒業。2008年株式会社CSK入社。大阪での営業職を経て2010年に退社、福岡にて改革プロジェクトを立ち上げる。2014年にNPO法人化。 2018年より福岡県安心・安全まちづくりアドバイザー。2019年には宗像市での市民活動推進を手がける一般社団法人PENTAGONを設立、代表理事を兼任。