見出し画像

|dialogue #06-1|福岡ネパールソサエティー(前編)

「asumin note」dialogue第6弾。今回は、ネパール人のコミュニティ団体として、福岡で最も古くから活動を行っている福岡ネパールソサエティーのガレ インドラ プラサドさんにお話を伺いました。
日本での活動や、ネパール人の特徴。そして後半にはガレさんの日本での経験や、留学生の現状などを語って頂いています。


01 福岡ネパールソサエティについて

ネパールソサエティについて教えてください。

ネパールソサエティは1995年に設立しました。全国に支部があり、その中でも福岡支部が一番古い歴史をもっています。団体を設立した当初、日本に住んでいるネパール人は少なく、知らない土地で知り合いもいない、どうやって生活をして良いのかがわからないという状態だったそうです。そこで当時の会長達は、日本に住んでいるネパール人のためにも、日本とネパールの架け橋になるような団体を作りたいと考え、ネパールのお祭りやお正月がある4月にみんなで集まるようになりました。団体の活動が盛り上がってくると、日本に住んでいるネパール人の繋がりも強くなっていき、後輩達も安心して日本へ留学できるようになってきました。今では、九州に住んでいるネパール人は約20,000人、私が来日した当初(10年前)が約2,000人だったので、ここ数年で日本に来る留学生は、約10倍に伸びました。

毎年博多どんたくのパレードに参加しています

団体の主な活動は何ですか?

日本とネパールの交流をメインで活動しています。これまで、ネパール最大の祭りである「ダサイン」や、女性だけの祭り「Teej(ティージ)」を開催してきました。祭りにはネパール人がたくさん来るのですが、多くの日本人も参加してくれて嬉しかったです。

ネパールの最大のお祭り「Teej(ディージ)」を、福岡で開催しました

ほかにも、日本にもっとネパールの文化を広げたくて、博多どんたくにも毎年出ています。また、留学生の中には、なかなか就職が決まらない子も多いので、日本の企業を集めて就職セミナーなども行っています。就職セミナーをする際に、企業の方へネパール人を紹介する時には、みんな若者だから力があることを伝えています。モラルもいいので、日本人ほどの能力はないかもしれませんが、スキルは教えたら伸びるのでぜひ採用してくださいと伝えるようにしています。日本に来ている留学生のほとんどは、お金持ちでもない、貧乏でもない家庭で育てられているので、ある程度の仕事のきつさや大変さ、そして面白さを理解している。なので、やっていいことと悪いこともちゃんとわきまえていて、仕事を覚えたらみんな一生懸命に働きます。

就職セミナーには、多くのネパール人が参加しています

02 ネパール人の特徴と、今後の活動

ネパール人には、どんな特徴がありますか?

ネパール人は信仰心が強く 平和的で素直な性格の人が多いです。家族のつながりを大切にしている国なので、今でも両親、兄弟と一緒に暮らしている家庭がほとんど。また、関係性を大切にする国民性なので、一度つながりが出来るとその人に迷惑をかけないためにも一切の悪いことをしなくなります。他にも、そのため、知り合いも繋がりもない日本で、一人で生活していたら精神的にもとてもきつい。人間はネガティブに陥ってしまうと、うつ病になったり、自殺をしてしまう人が増えてしまうので、みんなで集まる機会を作って、関係性が途切れないようにしています。

今後の活動について教えてください。

現在福岡ネパールソサエティ福岡支部以外にも、ネパールのために活動している団体がたくさん増えてきています。ですので、ネパールの人たちが集まるようなイベントの企画などは他の団体に任せて、私たちのように長く続いている団体は、もっと別の視点からネパールの人たちをまとめて、日本での活動に良い効果をもたらしたいと考えています。そのためにも、公園や海岸の清掃活動のようなボランティア活動にも積極的に参加していきたいです。

後編はコチラから