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はじめまして、立花です。 | 立花 祐平 (認定NPO法人改革プロジェクト )

第2回:創作のお話

もともと、独立願望があったわけでもなかったが、組織の中に身を置くにつれ、会社の看板を背負った”立花”ではなく、いち個人としての”立花”の存在意義を確かめたい思いが強くなった。自分にしかできないことを表現したいという創作意欲とまだ見ぬ世界への好奇心だった。一度やりたいと思ってしまうと、すぐ行動したくなる癖もあり、退職までにそう時間はかからなかった。
とそんな具合で、地元福岡に帰り改革プロジェクトという組織を立ち上げることになっていく。
そこに触れると4回では終わらないので、その辺りの経緯はまたどこかで。

さて、いまの主力事業である”パトラン”という活動を始めたのは、団体を知人が不審者の被害に遭ったことがきっかけだった。
拠点を置く宗像は比較的安全で、犯罪とは無縁な場所と勝手に思っていた。でもそれは知らないだけで、犯罪は至るところで起きていた。同じような被害を生まないために、自分たちができることがあるのではないか。そう思い、歩いて見回るパトロール活動を仲間5人とはじめた。

最初は意気込んで活動を続けていたが、半年ともたなかった。やりがいや成果が目に見てとれない防犯活動においてモチベーションを維持するのは簡単ではなかったのだ。実践してはじめてその難易度の高さを感じた。
何かを根本的に変えないと活動が持続しないことは火を見るよりも明らかだった。そんな悶々とした思いを抱えながら活動していたある日、視界に入ってきたのは”ランナー”の姿だった。私の地域では(まあほぼどこでもそうだと思う)ランナーの多くは公園内や河川敷を走っていた。「もし彼らが街中をコースに走るとそこに人の目が生まれ犯罪抑止に役立つのではないか・・」これは面白いアイデアかもしれないとぞわぞわした。ちなみに私の場合、アイデアを閃くことは珍しくはないが、うまくいかないことは日常茶飯事である。実戦の決め手となったのが、このような活動の事例が世の中にはなかったこと。すでにどこかで取り組まれている活動だったら興醒めしてやってなかったと思う。
そして2013年1月8日にパトランとして第1回目の活動をスタートした。ちなみに、ネーミングやデザインにはこだわるタチで、毎度ここの設計には時間をかけている。
 

ありがたいことに、今でこそ全国各地に活動の輪が広がっているが、開始当初は展開する意思はなく宗像だけで活動を行っていた。それがひょんなことから、フィギュアスケーターの浅田真央さんが活動に参加したり、SNSを通じて活動が認知されたりと、複合的な要因が重なり徐々にパトランの輪が広がっていくことに。世の中何が起こるかはわからないものだ。
しかし、徐々に増えていくメンバーを受け入れるルールや仕組みは整っておらず、耕作放棄地のような状態だったので活動を続けながら地道に整地する作業を重ねた。7年かけてようやく種を植えれるくらいの土壌が完成し、10年かけて徐々に芽が出てきたなという感覚だ。この間、多くの失敗も重ねてきた。折角なので、数ある私の失敗コレクションを少し披露したい。