|dialogue #05-1|特定非営利活動法人 みらいぽすと(前編)
01 活動に対する想い
活動を始めたキッカケ
万智子:初代理事長が小学生の時に、妹さんが病で亡くなられたそうなんです。その際に、理事長に宛てた手紙がたくさん出てきて、そこで手紙の温かさに触れたことがきっかけだと聞いています。団体設立が2008年なので、今年で16年目。理事4名と会員10名で活動しています。現在は、2代目として理事長職を引き継いでいる段階で、来期からは私たちが団体を引っ張っていこうと毎日勉強中です。試行錯誤の連続ですね。
理事長を引き継ぐことに不安はありませんでしたか?
万智子:とても感じました。2~3年前からお話しは頂いていたのですが、自分には出来ないと思って一度はお断りしました。しかし、そのうち理事長が、団体の外の人にこの活動を引き継がないかと声をかけ始められたんです。それが、とても心にモヤモヤってきまして。私は、団体ができた時から理事長のそばにいて、活動に対する想いをずっと近くで見てきたので、その想いが伝わらないまま第三者に引き継いでほしくないなと思ったんです。他の人がするくらいなら私がする!という思いで、この団体を引き継ごうと決心しました。だけど、一人では不安だったので、同じ団体のメンバーでもあった主人と二人で引き継ぐことにしました。
02 みらいぽすとの活動について
団体の活動について教えてください。
和寿:「タイムカプセル郵便」という形でお手紙やお荷物を預かり、希望された日に送らせていただきます。荷物の大きさには制限があって、重量が重いものや大きすぎるものは預かることができませんが、手紙は1枚からでもお預かりができます。とくに最近は個人の利用が増えていますね。コロナで外出できない日が続いた時期に、手紙を出される方が増えたような気がします。自分を見つめ直す機会になったのかもしれません。
万智子:一番お預かりが多いのは、小学6年生、中学3年生で、5年後10年後の自分に宛てた「20歳になった自分へ」というお手紙です。学校によっては卒業のタイミングで書くところもあるようで、春先にはいつも大量の手紙が届きます。
和寿:最近ではハーフ成人式とかもあるので、生まれたばかりの子に対して、10年後に宛てた手紙を書く人も増えてきました。どのくらいの数があるのか正確には分かりませんが、10畳くらいの倉庫が手狭に感じるくらい、たくさんのお手紙をお預かりしています。
届いた手紙の封を開けて中身を見ることは絶対にしないのですが、想いが詰まっている手紙って、持っただけでも、これまで感じたことのない重みがあるんです。絶対に汚したり曲げたりしてはいけない。そこに責任感というものはずっとついてきていて、活動を続けるうえでの一番の原動力にもなっています。
後編は9/30公開予定