投資情報の受け手の私たち~投資家保護の観点から

先日のNoteのマネタイズの問題ではいくつかの論点がありますが、
大別すると以下の2つにわけられるかと。

① 情報の発信者としての話
② 情報の受け手としての話=投資家(消費者)保護の観点

このうち今回は②の情報の受け手と投資家保護の話について、
改めて思うところを書いておきたいと思います。

最初に、私たちは、国が「投資家保護をしなくては」と思うほどに、
情弱で脆弱な存在だということです。

「投資は自己責任」ではありますが、本来、「自己責任」を引き受けられるのは「大人」だけのはずです。

しかし、金融教育をほとんどうけることのない日本人投資家のほとんどは、
私も含め、まだ「子ども」の状態で投資の世界に飛び込んでいる。

私たちは情弱で脆弱。
まず、これを認識・自覚することが、とても大事だと思います。

たとえば、取引に関する禁止行為、これ、みなさん全部知っていますか?
なぜダメなのか理解していますか?
買い上がり、売り崩し、終値関与、馴れ合い売買、見せ玉、風説の流布・・・等々。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/company/attention/unfair.html
https://www.kabuschool.jp/kinshikoui

これって、株取引教育が学校教育に取り入れられていたとしたら、
小学校で習うようなことですよね。
禁止行為はルールの基本ですから。

でも、多くの人はそんなことを知らずに、実際に株取引の現場に入っている。
非常に危険なことだと思います。

というのも、投資に関するものも含め、世にあふれる情報商材や、
インチキ商品のターゲットは、
常に、常に、常に、情弱で脆弱な、一般の人たちです。
私や、あなたのような。

今回、投資助言も含め無登録で金融取引業を行うものに関して
警告書が出ている違反者のリストを調べましたが、相当な量がいます。
それでも多分氷山の一角でしょう。
https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/mutouroku.html

それだけ、投資にまつわることに関しては、カモを探している業者や個人が、
世に溢れているということです。

ランドセルしょって、友達100人できるかな、のノリで、
あっという間に100万円稼げるかな、と、株の世界に入ってきた私やあなたは、
絶好のカモです。カモ。

情報発信者がマネタイズすることについて、警告を鳴らしていた人たちは、
右も左もわかららない小学生(←何回も言いますが多くの投資家がココ)に「価値ある情報が入っているから」と情報商材を売ろうとした人に対して、
見かねて、「あんた、初心者の小学生に、そんなもん売りつけるんじゃないよ」と、警告を発したんだと思います。

それは、本当に価値ある情報かもしれないけれど、
そうじゃないことが圧倒的に多いから。
投資経験が長い大人はそれを知っているから。

今回販売してた発信者の情報が、価値ある情報かそうでないかに関係なく、
小学生相手になんか商品売りつけている露店のおっさんがいたら、
中身はともかく「小学生相手にあこぎなことしてるんじゃないだろうね?」と注意するでしょ?
それと同じことだと思います。

まあでも、自分の子どもならともかく、カモは見ず知らずのその辺の子供たちです。

露店のおっさん(=販売者)に注意したら余計なトラブルになるかもしれないし、
素通りもできたと思います。(実際一部炎上していたし。)

でも、あえて止めてくれた。

これを私たちはきちんと認識すべきだと思います。

一方、小学生の私たちは、自分がカモであることに気づいてないので、
それがゆえに、販売を止めようとした人に対して、
「なにすんだよ!!俺、これ、欲しーし!!すげぇもん入ってるんだろ?」と、
販売を止めさせよう人に食ってかかる。
ありがちな構図です。

投資の世界に来た以上は、自己責任をとれる大人とみなす、
それはそうかもしれません。

また、販売している情報商材の中には、価値ある情報だってきっとあるでしょう。

でも、見かねて、わざわざ止めてくれた人の方が、情報発信者の人より、
ずっとずっとずーーーーっと貴重です。

止めてくれる人に、何の利益もありません。
何なら、販売者やそこに群がっている購入者とトラブルになるリスクすらあります。

それを押して止めてくれる人たちを、私は大事にしたい。
みなさんにも大事にしてほしい。

そういう人たちがいなくなったり、口をつぐんでしまったら、
待っているのは「騙されるやつが悪い」「騙されて学んでいく」「納得いかないなら裁判すれば」というもっと厳しい世界線です。

自分の中で消化するのに時間がかかり、書くのが遅くなってしまいました。
個別のグレーな部分の論点についても書きたかったのですが、
こちらはまた別途記事で書こうと思います。

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