見出し画像

親孝行とは何を指すか考えてみる回

ご存知の通り、理事長の濱口は学生時代貧乏した。

周りの同僚が医者や歯医者や建設業の社長のこどもたちであったこともあり、格差を感じながら生きてきた。

格差というより、『貧富の差』を感じて過ごしてきた。

『仕送り今月30万しかな〜い、どうしよう』と嫌味でなく、本気で悩んでいる2世3世をたくさん見てきた。

彼らは部活で嫌な先輩に嫌味言われたと本気で悩んでいた。

彼らは今日どこのスィーツ食べるか2時間悩んでいた。

正直にいう。

当時、彼らに吐き気を覚えた。

同時に自分の境遇や親を恨んだ。

いや、単に羨ましかっただけだろう。

我ながら情けない姿だった。

境遇を変えるべく、歯科医師免許をとって卒業3年で開業した。
今の時代異例中の異例だ。

開業当初。

スタッフに裏切られ、周りに妬まれ、足を引っ張られ、それでも私は必死に頑張った。

数年前のある日、父親と酒を飲むことがあった。

うちの父は元高校の先生。

説教なのか、アドバイスなのかとにかく口出ししたい存在だと思っていた。

『これをこうして、あーすれば患者さんに必要なサービスができるんじゃない?』

何気に言われたその提案が当時、すごく腹が立った。

経営のことは何も知らないのに口出しするな!とさえ思ったことを覚えている。

久しぶりに先日、父親と酒を飲んだ。

同じようなアドバイスを受けた。

私は答えた

『ほんまやな、お父さんのいう通りや』

8年前だと同じように反発したかもしれない。

すんなりとアドバイスを受けたことに感謝の言葉が自然と出た。

酒で酔ってたのかもしれない。

父が少し驚いたような顔をし、少し目が潤んでいた。

『そうやろ、お前もまだまだやな笑』

父親は73歳。

まだまだ長生きして欲しい。

幸い大きな病気もなく過ごしている。

親孝行は何か物をあげたり、仕送りすることだと思っていたが違うことに気がついた。

この日はどんなプレゼントよりも、孫を連れて行った時よりも嬉しそうな顔をしていた。

『親の想いを受け止めること』

これが親孝行なんだと思った。

私は全てにおいて受け止めていける器の大きな『息子』でありたいと感じた、飲み過ぎた朝でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?