![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67455805/rectangle_large_type_2_d883dc67879a41f63f32ea67eb004662.png?width=1200)
211130三鷹市議会一般質問
一人ひとりのニーズに応じた教育支援を適切な教育の場で提供するための施策について
紫野あすか
近年、いわゆる発達障がいと呼ばれているものの種類は、注意欠如(けつじょ)や・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障がい(LD)などがあり、グレーゾーンと呼ばれる子ども達も含めてその数は増加の一途です。東京都が都内小・中学校に設置した特別支援教室の制度は2017年から始まりました。それまでとは違い、児童生徒が拠点校に通級する形から、担当教員が巡回して、校内にある特別支援教室で指導を受ける形になりました。制度導入後、小学校の特別支援教室=校内通級教室を利用する児童の数はこの4年間で約2倍に増えています。三鷹市では特別支援教室とは呼ばず、「校内通級教室」という名称になっており、特別ではなく、どの子もしっかりと教育を受けられることが前提の制度であると認識しています。私は実際に支援学級通級制(きこえとことばの教室)と校内通級教室の拠点校である小学校へ行き、授業の様子を見せていただきました。聞こえとことばの教室では、専門の防音室が複数あり、1対1での個別の授業が行われていました。また校内通級教室では、プレイルームで「音楽療法」を音楽療法士の先生が来られて授業をされていました。音楽を使って気持ちや心をリラックスさせたり、自分の心の奥にある気持ちを表現したり、周りの人たちとのコミュニケーションを楽しんだりする授業が行われ、子ども達が「気持ちよかった。」と楽しそうにしている姿が印象的でした。三鷹市が子どもたち一人一人の多様性を大切にした教育を推進し、更なる充実をはかることを求めて質問します。
【質問①】 校内通級教室が導入されて4年が経ちましたが、現時点での成果と課題は何ですか。またその根拠となる調査は行われていますか。
【質問②】 教育支援学級では少人数でクラスが構成されることや支援が必要な子どもを対象としていることから、個別の教育支援ニーズや発達の度合いに合わせたより細かい指導方法が必要だと考えます。支援が必要な子どもたちを受け入れるためには、適切な指導と環境、そのための体制を整えなければならないと考えます。通常学級と教育支援学級(固定制)・教育支援学級(通級制)・校内通級教室、それぞれの支援や指導方法は異なると思いますが、どのような支援が求められていると三鷹市は考えていますか。
【質問③】 教育支援学級(固定制)について質問します。教育支援学級のクラス編成の人数、内訳はどのようになっていますか。障がいの重さで分けるのか、学年毎に分けているのかお伺いします。
【質問④】 教育支援学級に初任者が入ってくる事も多く、現場の先生からは研修が足りていないのではないかという声も聞いています。フォローアップが必要と考えますが、この点についてはどう考えていますか。
【質問⑤】 三鷹市教育支援プラン2022(第二次改定)には教育支援学級(固定制・通級制及び校内通級教室)担当教員の養成として、 「教育支援学級を担当する教員は、通常の学級の教育課程を十分に理解した上で、児童・生徒の実態把握に基づくよりわかりやすい授業の工夫が求められます。児童・生徒の特性に基づく指導と支援を行うには特別支援教育免許状(めんきょじょう)の取得が望まれますが、三鷹市の教員の取得の実態は、教育支援学級担当教員の 20%程度であることから、教育支援学級を担当する教員に特別支援教育免許状(めんきょじょう)取得(しゅとく)のための研修受講を促進し、免許状(めんきょじょう)取得率(しゅとくりつ)を向上させます。」とあります。教育支援学級を担当する教員における現在の特別支援教育免許状(めんきょじょう)の取得率(しゅとくりつ)はどのようになっていますか。
【質問⑥】 文部科学省が示している「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」には、特別支援を要する子どもに対しても就学から進学・就労と、社会参加まで継続的な支援を行うことが重要である」と記されています。そのためには支援を要する子どもたちのサポートを学校内で完結させず、家族や関係機関、専門家とも連携を図り、より多くの人とつながりあい、切れ目のない支援が必要と思いますが、三鷹市の考えをお聞かせください。
【質問⑦】 同様のことについて教育長の考えをお聞かせください。
【質問⑧】 校内通級教室の利用について、巡回方式になったことで、通級のハードルが下がり、支援がされるようになった児童生徒がいる一方で、これまでのように他校へ通級する方が支援を受けやすい児童生徒もいると思われます。その子に応じたニーズも多様にあると考えます。他校への通級を希望した場合、他校通級は可能ですか。また、これまで教育支援学級の拠点校だった学校にはプレイルームがあって比較的広い部屋がありますが、巡回校には施設設備が不十分で学級増のために狭い部屋で学ばざるを得ない学校もあると聞いています。今後さらに子ども達の数は増えることが予想されますが教室の広さや、教室の数など、環境面についてどのように考えていますか。
【質問⑨】 令和3年3月に東京都が作成した「特別支援教室の運営ガイドライン」によると、子どもたちへの指導期間は原則1年間となっています。子どもの発達に要する支援の期限を設ける事について、十分な指導・支援が受けられなくなるのではないかと危惧する声が教員や保護者からも寄せられています。三鷹市としての考えをお聞かせください。
【質問⑩】 このガイドラインによると1年間を過ぎると、継続利用が必要な場合でも、最長1年の延長しか認められていません。1年、長くても2年間という短い期間で子どもの成長や発達への支援を終わらせてはならないと思います。発達障がいは病気ではないので、治るとか、治そうというような問題ではなく、無理に1年で退級し、通常学級に戻らなければならないという事ではないと思います。1年で退級しなければならないという制度自体が実態に即していないと感じます。期限を区切らず必要な支援や教育を受ける権利を保障すべきと考えますが三鷹市はどのように考えますか。
【質問⑪】 さらに今年7月に東京都から各自治体の教育委員会へ送られた文書には、今後特別支援教室(校内通級教室)の教員の配置基準を変更するという事が記されていました。これまでは児童・生徒10名に対して教員1名だったものを「児童・生徒12名に対して教員1名の配置にする」というものです。教員の数が減ることで、担当の先生とかかわる時間が減り、指導時間数も減ることが考えられます。継続利用に際しても様々な書類や会議が必要となり、担当教員の仕事量は更に増えることは確実と思われます。この東京都からの配置基準の変更について三鷹市としてどのように受け止めていますか。
【質問⑫】 今現在でも年度途中から教育支援学級に入ってくる子どもは多くなっています。その分しわ寄せを受けるのは子ども達です。現場の先生からは既に子どもたちが受けられる授業時数が減っているとも聞きました。どの教室でも、通級児童は増え、年度途中での入級もとても多いのが現状です。今後児童・生徒12人となると以前は3人の先生で見ていたのが今は2人で見ている状況で、更に今度は1人で見ることになってしまう。レベルダウンするとの声もあります。子どもたちの課題は一人一人それぞれに違い、指導・支援の内容も多岐に渡っています。コミュニケーションに課題があるのに、週3単位時間以上の時数だったものが現在は週 2単位時間の時数に減らされている学校がほとんどだそうです。本来なら週8単位時間まで授業を受けられることになっていますが、実際には、必要な時間数の学習が保障されていないのが実態です。これらの現状についてどのように考えていますか。
【質問⑬】 東京都の計画が来年度から実施され、三鷹市もこの基準に準ずると決定した場合、今在籍している児童生徒の新学期の対応や、説明は保護者に対して、いつ、どのように行う予定と考えていますか。
【質問⑭】 保護者の方からも切実な声が寄せられています。子どもに学習障害があり、適応支援教室にも通ってみたが、復帰を急かされ、どうしてもなじめなかった。教育支援学級にも通ってみたが、1年しかいられず、通級は児童の数が多すぎてどうしてもその子には合わず、不登校になってしまいました。不登校になるといきなり支援が切れてしまい、社会との繋がりが途絶え、孤独を感じた、SOSをどこに発していいのかわからなかったと仰っていました。このような家庭への支援や相談先、また居場所作りも必要と考えますが、市としてはどのように考えていますか。
【質問⑮】 学校にはスクールカウンセラーがおられますが、児童・生徒だけでなく、一人で悩みを抱えている保護者に対する専門的な相談窓口や支援も必要だと考えますがどのように考えていますか。
![](https://assets.st-note.com/img/1639114401678-UfSob2KIZI.jpg?width=1200)