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【雑記】夜行バスを語る
創作『しろまる先輩は距離感がおかしい。』10話で夜行バスの回を描いたので、解説の意味も込めての投稿です。
夜行バスについて
皆さま、
夜行バスに乗った経験はありますか?
私はけっこうあります。
夜行バスには路線によって様々な特徴がありますし、乗る人それぞれが異なった「快適」の基準をもっています。
必ずしも私の意見が皆さまの意見と一致する保証はありませんが、それなりの数の夜行バスに乗ってきた自分の考えを書いていきたいと思います♪
◆ ◆ ◆
今回描いた漫画の内容は、しろまるの誘いで京都にラーメンを食べに行くことになった主人公の雪音が、人生初の夜行バスを体験するお話です。
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乗ったのは首都圏と関西を結ぶ路線にありがちな格安4列シートの夜行バス。お世辞にも快適とは言い切れない車内環境を嘆く雪音に、自称プロが夜行バスの極意を説きます。
登場した4つの心得を、簡単にご説明します。
【①窓際を避けるべし】
夜行バスを選ぶ際はできれば3列シートが望ましいのですが、どうしても4列に乗る場合は窓側を避けましょう。
窓側は壁と人間に挟まれるため、だいぶ狭く感じます。通路側の席は、通路という窮屈感の逃がし場所があるため比較的楽なんです。
トイレなどで席を立つ時、窓側だと隣の人に通してもらうのがちょっと申し訳ないというのもありますね。
【②娯楽は必要なし】
夜行バスの本懐は寝ることですから、基本的に車内は暗いです。座席上部に読書灯が完備されているバスが多いですが、いざ乗ってみると意外と本を読む気にも軽食を食べる気にもなりません。特に、匂いが強い食べ物の喫食は他の乗客の迷惑になるのでやめましょう。
ただ、首都圏⇄京阪神よりも長い距離を走る夜行バスについては、例外です。
夜行バスは目的地への到着時刻の相場が決まっていて、それはご存知のとおり早朝です。後は距離に応じて出発時間が早まっていくシステムです。
ロングランナーは夕方に出発するため、深夜帯の消灯時間まで猶予があります。この時間を有意義に過ごすため、多少の暇つぶしを車内に持ち込んでおくと良いでしょう。
【③】車内で光を発するべからず
消灯後の車内は基本的に真っ暗ですから、誰かが外の光を取り入れたりスマホの液晶を点灯させたりすると、意外と目立ちます。気をつけましょう。
自己防衛としては、アイマスクの着用がおすすめです。
耳栓、アイマスク、ヘッドレスト。
夜行バス三種の神器です。
【④休憩時間は外に出て身体を伸ばすべし】
夜行バスは、車内にトイレがある・ないに関わらず目的地までに1回〜3回程度の休憩停車を行うパターンが多いです。
休憩で止まった時に目が覚めたなら、ぜひ車外に出て深呼吸をしましょう。外の空気を吸って身体を伸ばすことでだいぶ楽になります。翌朝にできるだけ疲れを残さないための、大切な一手間です。
ずっと同じ姿勢で乗車し続けることで発症する「エコノミー症候群」も怖いですしね。
メリット
夜行バスのメリット、やはりそれは値段の安さではないでしょうか。
東京⇄大阪を例に挙げれば、新幹線の約半分程度の金額で移動ができますし、宿泊費用も1泊分浮くわけですからかなりの節約になります。
加えて降車後は早朝から目的地を観光可能なため、時間を最大限有効活用できるのも個人的には評価したいポイントです。登山客向けの上高地行きや、スキー場行きの夜行バスなどは目的地でのアクティビティとの相性が抜群です。
これらのメリットは私のような限界トラベラーにはとても有り難く、夜行バスには学生時代を中心に何度もお世話になりました。
夜行バス界のキングと呼ばれる「はかた号」や東日本チャンピオンの「ラフォーレ号」などは乗車済みです。
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グレードはピンキリ
一言で「夜行バス」と言っても、その走行距離や車両設備はピンキリです。
おそらく一番メジャーなのが↓の写真にあるような3列独立シートの夜行バスではないでしょうか。
隣前後のシートピッチがそれなりにあり、リクライニングも結構倒れます。そこそこ快適で、東京〜大阪なら¥7,000〜¥10,000程度といったところでしょうか。トイレは最後部か、進行右側の列真ん中あたりの階段下にあります。
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次に、東京⇄京阪神間などの需要が多い区間によくある、格安の4列シートバスです。一般的な観光バスのイメージですね。
所狭しと2人掛けのシートが配置されているので、隣の人との距離感が近く、リクライニングもあまり倒れません。友だちと一緒に並んで座るならいいですが、1人の場合は完全に隣人ガチャになります。
ただ値段は安く、東京〜大阪を¥5,000以下で移動できる場合があります。トイレは最後部かナシかのどちらかでしょう。夜トイレが近い人にはおすすめできません。
国内の夜行バスは9割が↑に挙げた2パターンのどちらかです。
ざっくりとしたイメージだと「地方の夜行バスは3列シート、大都市間の人気路線は4列シートが主流」って感じです。
一度3列シートの快適さを知ってしまうと、4列の窮屈さには耐えられない身体になってしまいますよ〜(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)
◆ ◆ ◆
さて。
夜行バスには、3列シートのさらに上をいく2列シート(個室)という最上級グレートも存在しています。
代表的なのは関東バスさんが運行している「ドリームスリーパー」や「はかた号」の一部に設定されているプレミアムシートです。
これらは各座席がプラーベートな個室空間になっており、座席が完全にフルフラットにならないだけで実質寝台特急のような車内設備を誇ります。
はかた号のプレミアムは、2021→2022年の年越しで東京行きの便に乗りました(何してんだこの人)
はかた号の個室内部はこんな感じです↓
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個室バスは非常に快適で、私のように移動自体を楽しむタイプにはもってこいの空間でした。14時間の乗車もまったく苦になりません。
ただ、このレベルになってくると運賃が高く、バスなのに同区間の新幹線や飛行機と同等…もしくはそれ以上になってしまうことがあるので、何かしらの理由がないと乗らないですけどね。
おすすめできない夜行バス
これまでの夜行バス乗車経験を踏まえて、夜行バスを利用する際に避けたほうがいいシチュエーションをいくつか挙げていきます。※個人の主観がかなり入っています
【おすすめない① 格安すぎるバス】
先述のとおり座席が狭く、トイレが無い車体もあり快適性が低いです。どうしても安く移動したい時や、隣に座ってくれる知り合いがいる時でなければ極力利用は避けるようにしています。
また、車内設備もさることながら、乗り場が分かりずらいケースがあるので注意が必要です。
バスタ新宿のような目立つ場所からではなく、なんの変哲もないそこら辺の路上から出発することがあるので、あらかじめ乗り場を予習しておきましょう。
【おすすめない② 距離が短い】
かなり個人的な意見ですが、東京⇄名古屋・仙台程度の(夜行バスにしては)運行距離が短い路線はあまり好きじゃないです。
私は寝つきがあまりよくないので、眠りに落ちるまでにそれなりの時間を要します。東京から西へ向かう夜行バスであれば、1回目の休憩で寄りがちな「足柄SA」まではほぼ100%起きてます。
これだと目的地までに眠り足りないんですよね。
乗車時間が短い路線は、ショートスリーパーや着席して0秒で爆睡できる「のび太くんタイプ」の人向けです。
【おすすめない③ 大型連休】
ゴールデンウィークやお盆休みにある帰省・Uターンラッシュ中は夜行バスの利用を控えたほうが吉です。
当たり前ですが、高速が渋滞するからです。
夜行バスはその性質上、天候や道路状況によって遅れることがしばしばあり、定時性はあまり信用できません(空いてて早着する時も稀にあります)。
渋滞で遅延が予測される時は、別の乗り物を使いましょう。せっかくの旅程が崩壊しかねません。
【おすすめない④ 北海道の夜行バス】
道民が声を大にして言うことじゃないかもですが、道内の夜行バス移動はあまりおすすめしません…
理由はおすすめない②にあった「距離が短めである」ことに加えて、北海道の特殊な道路事情が絡んできます。
———北海道は高速道路網が充実していないうえに、下道の交通量が少なくスムーズです。深夜帯はそれがより顕著で、高速道路の利用価値がかなり下がります。なので、
北海道の夜行バスはほとんど下道を走るんですよね…。
(高速走っちゃうとコストがかかるし、早く着きすぎちゃうんだとも思います)
下道を走るんですから、当然信号に引っかかります。ストップ&ゴーでしょっちゅう身体が揺さぶられ、私は安眠できませんでした。
また、北海道の夜行バスは目的地まで休憩なしの路線が多い印象です。定期的に車外の空気を吸いたいタイプの人には、なかなかの苦行です。
ただ、道内の夜行バスは私が知る限りもれなく3列シートの車両が主流なので、座席の快適性は評価できるポイントです。
(4列の道内夜行バス知ってる人いたら教えてください)
まとめ
とにかく安く移動したい時、
朝から目的地を観光したい時、
大泉さんの気持ちを体験したい時、
ぜひ、夜行バスに乗ってみてください。
飛行機や新幹線の台頭で夜行列車はほとんど無くなってしまいましたが、夜行のバスはまだまだ現役です。
夜のバスターミナルには往時の上野・東京駅を思わせる旅情が漂っていますし、バス旅にはバス旅ならではの良さがあります。
旅のひとつの選択肢として、頭の隅っこに記憶していただけたら幸いです。
いつも心に、夜行バス。
(おわり)