断片・短編3 夏のチョコレート問題
夏の室温放置のチョコレート。
溶ける。
さてどうしたものか、と考える。
1.冷蔵庫に入れる
2.溶けるにまかせる。
3.夏の間はチョコレートをあきらめる。
だいたいこの三択になるかと思われるのだけど、微妙に問題はある。
まず1の場合。溶けない、形状が保存される。完璧のようだけど、固くなる。私的にチョコレートは、噛んだときに、するん、ふにん、と歯が入って欲しい。ぱきん、かりん、では嫌なのだ。
次に2の場合。噛むというより舐めることになる。舐めてもおいしいけれど、べたべたなのはちょっと違って、チョコレートが溶けるとチョコレートでなく、チョコレートペースといなるから、チョコレートを食べたいのにこれは違うものじゃないか、釈然としない。
ならば3の場合。食べなければ固くないし舐めなくていいしべたべたしないし、余分なカロリーの摂取はしなくて済むしお財布にもやさしい。一生食べないと決めるのではなく、夏の間だけ、最高気温が27度ぐらいになるまでの我慢と思えば、最適解かと思われるのだけど、チョコレート、すきっ、なので、かなり実行が難しい。そもそも、食べずにいられるのなら、チョコレート問題は発生しないのだ。
こんなことをつらつらと考えているうちに、種々取りそろえたチョコレートの在庫の中で、室温放置でも溶けていないチョコレートを発見した。
カカオ70%。
そうかぁ~、カカオ成分が多いと溶けないんだ、ほほほほう~の大発見。
甘味が少ない、ちょと苦い、でも、チョコレートだもんね、ということで、当分の間、カカオ70%チョコレートで行くことに決めた。
あんがい解決方法って目の前にあるものです。
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