「うしおととら 藤田和日郎」16〜18巻感想
うしおととら 藤田和日郎 小学館/少年サンデーコミックス
16~18巻
※インスタに投稿したものに加筆修正しております。
第二十七章「四人目のキリオ」
第二十七章「四人目のキリオ」
精神面のトラウマ回 斗和子!
小学生の当時、読了後にいろいろな感情があふれかえって呆然としたことを思い出して、長女が続き読めなくなっちゃうのではないかと心配したんだけど
「めっちゃ怖かったでしょう?」て聞いたら
「え、長女ちゃんぜんっぜん怖くなかったけど!?」
マジで…?曇りなき眼で見ると怖くないの?
私は今回、キリオに加えて若手法力僧たちの件でも感情がぐちゃぐちゃになってしまいましたよ。
そのような訳でキリオこと引狭霧雄+九印、斗和子登場
光覇明宗の名のあるキャラも皆さん再登場
お役目様こと日崎御角死亡
凶羅再登場(事実)、萌えキャラと化す(私の妄想)という盛りだくさんの章です。
海底の白面の者からスタートする本章
日崎須磨子じゃなくて蒼月須磨子と呼びかける白面の者
知識がちゃんとアップデートされている。
復活の日は近いけどその前に獣の槍には消えてもらおうとのこと。
須磨子が登場するたびに眉毛をみてしまうのは私の悪い癖、今回は普通でした。
潮の前に現れる四人目の伝承候補者キリオ
伝承候補者の色物枠
「使い手を選び、一人にしか使えない獣の槍は不要、己の持つエレザールの鎌を量産し、多くの者が使えるようにするべき」というのがその主張。
キリオは大好きだけど、誰だよこんなの候補者にしたの。
光覇明宗総本山、奈良と和歌山の境にあると判明、
ヘリポート複数あったり、ヘリもあったり
全国ネットワークもっていたりと中々の規模
紫暮が獣の槍の使い手の子孫であることが判明
お役目様は430歳
潮の自宅は東京都みかど市(架空の都市)とのこと
自宅にて九印とキリオの襲撃をうける潮&とら
エレザールの鎌も九印も全部キリオは潮の上位互換なので、潮はもう妖と戦わなくていいんだよと告げるキリオ
潮の持ち物扱いされて怒るとら
戸惑う潮
流や悟のことを「僕より弱い」と言われてむっとする潮
北海道でのごたごたが終わり、いったん日常に戻ってきたためか、このあたり潮の顔が非常に穏やかです。
唯一むっとするのが流たちのことを下に言われた時というのが良い。その時の顔がかわいい。
一方、光覇明宗総本山
紫暮も和羅も凶羅もお役目様が寿命を匂わせることを言うと慌てるところがかわいい。
特に凶羅は座りなおしてからの「ババアを狙ってるヤツがいんのか?教えな、殺してやる」ですよ。
お役目様が大切で心配でたまらないってことです。
そこからの「泊まってお行きなさい」「おっおう。」
当時言い知れぬトキメキを覚えました。胸キュンってやつですね。
そうか泊まっていくのか、可愛いじゃないか、「おっおう」死ぬほどかわいいじゃないか!
幻のお泊り会が見てみたかったです。
本山は白面の分身「くらぎ」に襲撃される。
和羅を筆頭とした法力僧たちが不動縛結界「月輪の陣」でくらぎを防いでいる間に紫暮は潮を呼びにヘリで一時離脱
凶羅は「おまえら無能どもと、ちんたら戦えるかよ、オレは一人でやってやるわ」とのこと。
全員で同じことしていて全滅しちゃうとダメだからね、私は違う切り口でいきますということですよ。
本山に到着した潮は早速参戦…ではなく、和羅の指示でお役目様のもとへ
潮「なんでこんな時に会わなきゃいけないのさ」
ごもっともな疑問
お役目様が寿命を感じていて、周りも縁起でもねえと思いながらも薄々察しているからでしょうか。
初見で真由子と似ているお役目様に驚く潮
おばあちゃんとかお母さんポジの人に照れ照れする潮再び
お役目様もかつてのジェメイとの出会い、そして残していくこととなった我が子たちのことを思い出し…これ今夜死ぬわと読者に覚悟を促してきます。
法力僧たちの月輪で動きを封じられているようにみえるくらぎ
月輪には加わらず、攻撃をしかける凶羅だが、その攻撃が悉くはじき返されることから、くらぎが法力をそのまま反射していること、
月輪もやがてはじき返されることを見抜く。
凶羅たんここに来て頭脳派属性をゲットです。
とらは九印に足止めされ中、
参戦した潮は獣の槍の攻撃をはね返される。
潮、後ろで凶羅が叫んでるから、バカヤロウとか言っているけど、攻撃が入らない理由を説明してくれるから聞いてあげてお願い!
凶羅の今までの行いがこんなところで返ってくる。他の人だったら潮も叫び声を聞いてくれてたと思うの。
ボコされた潮に更に迫るくらぎの手、駆け寄る紫暮、和羅たち
またもや凶羅が叫んでるから!誰か聞いてあげて!
キリオが聞いてても仕方ないから、他の人!誰か!
「そいつは「月輪」を放つつもりなんだぞ!」って大正解ずばり叫んでるから。めっちゃ重要情報だから!
聞いて避けてー!!
凶羅の今までの行いがまたもや返ってくる。
和羅紫暮はじめ法力僧全員、月輪くらって動けなくなってしまいます。
聞いていただけた様子一切なしですよ。
「なに!?」とかはっとした表情とか0描写
誰にも届かない叫び…切ない。
それに加えて、
「ぐう…しくじったわ…」凶羅、お前自分まで食らっているし、
見抜いていたのに食らっているし…
ここにきてドジっ子属性獲得とかどうなの。
間近で唯一月輪を防いだキリオを見て、なんかこのガキ変じゃね?っぽい反応を見せてくれたりと頭脳派属性も継続中なの?
お役目様が出てきたときのキリオの表情にも注目、後から考えると「この展開は知らない」的な表情なのかな。
この後、くらぎ撃退までのお役目様が最高にかっこいいので、「我は二代お役目 日崎御角ぞ。」に集中したいんだけど、
ここでも凶羅がいちいち可愛すぎて気が散ります。
凶羅がお役目様のことが大切で大好きってことがこれでもかと出てきます。
演出的に一番派手なところはキリオが持っていきます。
大成功しちゃったツンデレには苛立ちを覚えますが、デレがまったく出せないツンツンにはどうしようもない不憫さを覚えます。
凶羅…
でもよく考えるとお役目様にはちゃんと通じている(妄想)ので、他の誰に最悪だなお前と思われていたとしても、別にいいのかもしれない。
多分、弟 和羅にも通じている(妄想)
その後のページ
おしゃれな自宅にてハンバーグを食べるキリオ
ソファにエレザールの鎌が置かれている自宅
「獣の槍なんてなくていいのよ。あなたとエレザールの鎌があればね。」
「うん。ママ…」
キリオはめちゃくちゃ笑顔だし、ママはきれいな人なんだけど
ぞわぞわっとくるシーン
第二十八章「檄召~獣の槍破壊のこと」
第二十八章「檄召~獣の槍破壊のこと」
初見当時、光覇明宗全体がキリオ一色みたいになったような印象を受けていましたが、上層部はかなり冷静。
なんだか潮が責められていたような気がしていたけれど、そんなこともなく自責の念でずどんと落ち込んでいたというのが実際のところでした。
諸々の調べ事のために紫暮はいったんお出かけ
紫暮がキリオ以外の伝承候補者に潮の様子を伝えたことで杜綱兄妹が潮のもとを訪れる。
とらが潮を食べないことなんて当時小学生にももうわかっていたから
とらが潮に攻撃してきてもだいじょーぶみたいな安心感しかない。
「そいつらにもっとマシな戦いかた教われ!」と言い残して去ったとら
その後、とらは流と行動をともにすることに。
杜綱兄妹の協力で、精神集中させつつ外にも意識を向ける戦いの基本「穿心」を身につけた潮
兄妹はここでお帰りになる。
純はもうすっかり潮が好きなんだけど、あの兄が気がついちゃうくらいには好きなんだけど、麻子と潮が良い感じだったのことも既にご存じなのでした。
この兄弟すっかり穏やかな表情になって、よかったなあとしみじみ思います。
お役目様が光覇明宗にいたのが130年間だとすると、今の世代は生まれた時から導き手であるお役目様がいたということなのですよね。
年配者といえどもいなくなったら足元揺らぐわ。いわんや若手をや…キリオの獣の槍不要論に賛同する若い僧たちが増えていると、
この辺でキリオの言葉がママの言葉をそのまま繰り返して言っていること
ママが白面の者の化身であることが読者には明かされる
ママ中国まで行って獣の槍を封じるための赤い布をゲットしてきていました。
計画的に物事が進んでいっている。
杜綱兄妹が去った潮宅 芙元院に若手法力僧をひきつれて獣の槍を奪いに来たキリオ
杜綱兄妹は避けるところが冷静
杜綱悟は人望がある設定だから、若手法力僧たちとバッティングは避けるべし。とかママが言っていたのかな。
エレザールの鎌の有用性を説いていた段階から一段上がって「獣の槍を壊す」という発言・行動が始まります。
キリオに引き連れられてやって来た若手たちですが
「正当な槍の伝承者相手に奪えるでしょうか?」→「潮は法力僧と違って修行をしていないから精神集中できていない。だから簡単」情報が僅差で古いけど、少し前まではその通り。
そして「僕が子供だから信じられないのかい?」
こう来られると「いいえ、そんなことはありません」とつい言ってしまう。
最初の質問自体も消極的な「やめようよ」の意思表明とも言えるけど、ここからの実際に潮への手出しするのは若手たち
先ほどの修行の成果で体術でも若手法力僧たちを退けた潮だけど
キリオは赤い布で獣の槍を奪いとった後、彼らに妖(または法力の達人)に対する破壊的結界「朏(みかづき)の陣」をかけるように命じる…もう命令になっちゃってる。
ここでは「人にはかけられません」と明確に反対する若手たちですが、
飛び込んでくる潮に対して、「自分なら殺すことなんていつでもできるけど、そうもいかないよねえ」&「あなたたちだと朏の陣じゃないと止められない」→「さあおねがいさ」という誘導で潮に対して朏の陣が放たれる。
彼らが「キリオさんが止めればいいじゃん」と思ったかは分からないけど、
自分たちがやらないと潮が殺されるかもしれないくらいは臭わせているので、
ある意味での人命救助という心の逃げ場を与えつつ、実際に手を下させて「こんなんしちゃったら、もうキリオさんについていくしかないっす」状態になっちゃうわけです。
引き上げる時には完全に上下関係できあがっちゃっていました。
だんだん深みにはまって抜け出せなくなる手口です。怖。
キリオもシナリオに沿って動いているだけなので、彼からまったく熱意を感じないせいで、この辺はただただ得体のしれない気味悪さが漂っています。
そう言えば不動縛呪と朏の陣、「父の正体」の時にきた法力僧たちも使っていましたね。紫暮は問題なしの実力者だということですね。
この後、流ととらが現場にやってくるのですが、偶々バランス悪く仕上がった朏の陣のせいで潮が遠くまでふっとんでしまっていたため、合流ならず。
キリオ目指して2人とも飛び出していっちゃいました。
流の口から「囁く者達の家」が出てきます。
流「やべえ所だぜ…」
うん、当時の私も相当ぶるった所だぜ。
なのに長女「えぇー、別に全然怖くなかった」だと。
墓地まで吹っ飛ばされて動けずにいる潮の元に現れたのは関守日輪
「情けない…結界する一人で壊せないのか。」からの日輪らしさ全開なんだけど、以前に比べて表情が穏やか。二本の櫛を構えたポーズの日輪はかっこいい。
お説教をする日輪がかわいい。
山魚と一角って相変わらず潮の動向にやたら詳しい。かわいい。
潮は日輪に連れられてヘリで総本山へ
潮と獣の槍への不信から不要論が広がっていく様子が描かれる。
若手法力僧たちのめちゃくちゃ不満そうな表情よ。
和羅からエレザールの鎌を作った上位師僧 引狭について語られる。
武法具の研究に携わっていた引狭
「もっと強い武法具を、獣槍を支援できる更に協力な武器を」が口癖だったが、
やがて獣の槍をこえる強さを求め、
西洋魔術との合流、
武具も使い手も自ら作り出してしまえばいいとの考えに至り、光覇明宗をあとにした。
そして2年前に、エレザールの鎌を持った法力のずば抜けた小学生を連れて再び現れた。
キリオの実力を知った四師僧は彼をためらうことなく伝承候補者にしてしまった
…するなよ。
引狭がこもっていた山に建つ元小児医院が近くの住民から「囁く者達の家」と呼ばれる建物
和羅「キリオはそこに住んでいるといっておった…」
キリオを連れてきたのは引狭本人だよね?
そうじゃないと多分、結界とか何かで引っかかっちゃうよね?
だとしても、その後の住まいとかママとかもう少し調べておこうよ。
神奈川山中 囁く者達の家
一足先に到着した流ととら
流「キリオの生まれ育ったトコだ…おそらく槍もうしおもここにいる。」潮はまだいないの。そのうち来るけど。
このコンビもすごくいいですよね。
とらの人間くさいところと妖全開なところが両方際立つし、流の本音がぽろぽろこぼれているし。
「その時がきたら、ぴょんと飛んでにげるさ!」うぅ、嘘つき。でも流はそこがいい。
流とらペアは量産されたエレザールの鎌を発見するが、それらはとら曰く「獣の槍に比べりゃゴミくず」
しかし、キリオのエレザールの鎌だけは特別、確かにすごい力を持っていた。
同等のものがたくさんあるというキリオの主張と食い違う現実
なぜ効力の小さいこの鎌を広めようとしているのか
壁で埋められた先に隠されていた部屋で、キリオを連れて現れたあと姿を消してしまった引狭の死体を発見する。
死体の脇のテーブルにはワインとグラス、
そして「あの女」と書かれたメモ
潮と日輪も到着
日輪から五行陰陽の説明をうける潮
ここで長女と長男が鬼滅の刃とか抜群タイプとか言ってきたので、「そうだよ!いろんなところ(漫画とか)で出てくるから覚えておいてね!!」とめちゃ嬉しくなってしまった私でした。
日輪潮ペア、お掃除大好きメイドのメイ・ホーと遭遇
ここ日輪らしさが爆発してて好きな回。
日輪は抱えているものが色々ありすぎることもあるし、潮への好意は恋愛感情ではないと思うのだけど、そこがまた良い。
しかし片乳ぽろんしている日輪に肩を貸して歩くコマがギャグ顔って潮は本当に大丈夫なのか。
ちょっと心配になってくる。
引狭の日記を発見する2人、ぽろんのまま読み出すのかと心配しましたが、先に包帯まいて、潮の手当もしてから読み始めてくれたので本当にほっとしました。
日記には
人工の生命 合成有機ホムンクルス九印を生み出すことに成功したこと
武法具およびそれ以上に重要な「マテリア」の作成失敗の連続が記されている。
武法具の形が「鎌」で決まっているのはなんでかな、かっこいいからかな。
鎌ときめくよね。
私も小学生当時かっちょいいと痺れましたよ。
永遠の厨二病に罹患しているから今でもときめきますとも!
10月10日 女が来訪 その女は、斗和子と名のった。
斗和子この時点で眼が怖い。
斗和子の登場とともに何もかもが上手く行くようになる。エレザールの鎌が完成し、量産化も始まる。
日輪「でもこの女何かおかしい」
12月4日斗和子は獣の槍を破壊する方法を私に語る。
この辺で引狭の表情も「この女やばい」になってくる。
というわけで、現在のキリオの「獣の槍破壊」にシーンがリンク
日輪「この女の目的はなんだ」「なんでこの女の言っていることを、キリオがいっている」
ここでゴーレムに追われる流&とら・日輪&潮が合流
キリオと書かれた培養槽が並ぶ部屋で流・日輪はゴーレムを防ぐ結界を張り、潮が引狭の日記を読み進める。
マテリアとはキリオのこと、ホムンクルスであるマテリアが培養液の中で形をとらないこと、人間として生活できなかったことが楳図かずお風に描かれる。
そして斗和子が赤ん坊を「盗んできました。」
引狭がいてもいなくても変わらずにマテリア創造にかかる斗和子
「私は次第に畏れるようになっていった。あの女を」
このあたりに引狭の倫理のボーダーラインがあった。
「斗和子の目」「わたしはこわい」で日記は終わる。
日記を読み終わった潮、足を負傷した流と日輪に促され、獣の槍破壊の準備が進められる東館へ向かう
その途中でとら対九印戦
他から潮を貶されると頭にくるという由緒正しいデレをみせるとらに促され潮は一人東館へ
総本山では、キリオに賛同する若手法力僧たちが彼の元へ向かおうと息巻く
そこに待ったをかけるのが、4人の若い法力僧こと杜綱悟回の4人
1人名前があきらかになりました「秋方」とのこと。
彼らは若手たちの行動が「自分の手でエレザールの鎌を持ちたいだけではないのか」と「その気持ちが光覇明宗の結束を乱しているのではないか」と語りかける。
キリオの元に安易に走るのではなく、見極めるために、4人と若手法力僧たちは囁く者達の家へ向かう。
東館にたどり着いた潮、獣の槍の最期を宣言するキリオ
ここでチェロを弾き斗和子が登場
なんでチェロ?この女は誰?ってことで超困惑する法力僧たちと叫ぶ潮をよそに、獣の槍は灼熱の金属の中へ落下していく。
音色だけ聞いて「チェロ」ってわかる皆様の教養がすごい。
落下する獣の槍という光景に炉に飛び込むジェメイを思い出し、槍を呼ぶ潮だが応えはない。
困惑の若手たち「あのその方は?」
キリオ「うん、ママだよ」
その女がキリオのそばにずっといたこと、獣の槍の壊し方も彼女から教わったと言うキリオに、ざわつく法力僧たち
「聞いていない」
そこに現れた紫暮により事の次第が明らかにされ
白面の者の化身としての正体を露わした斗和子
ここね「では我々は白面の者におどらされて獣の槍を封じてしまったのか」の法力僧たちの表情が胸にくる。
ちょっと前から和羅や秋方も触れていたけど、自己顕示欲でおどらされて、挙句殺されてしまうので遣る瀬無い。
紫暮が容赦なく指摘していたけど、だってさ…だってさ、みんな揃って横並びですごい武器がもらえて活躍できるなら、したいと思っちゃうじゃない。
最初は獣の槍をぶっ壊そうとは言ってなかったし、同調しちゃった後に降りるのは中々難しいじゃない。
根底には白面の者と戦うという使命があって…あったんだけど…うわあああん。利用されました。すみません。
気持ちが引きずられて落ちるとこまで落ち込みました。
斗和子「引狭も同じ顔をしてたわ」
でも引狭は、毒を呷る前に、なんかもうちょっと事の次第を伝える努力をしておいてほしかった。
ほしかったんだけど、飛び出した古巣には成果引っ提げて戻りたいみたいな気持ちだったのかなあ。
言えないよね。
言ってほしいけど。
「何もかも失敗で利用されました」なんてさ…
胸に来る。
ここから獣の槍が戻ってくるまでの斗和子は何もかもトラウマ、言葉で語るのももったいないので、もしよろしければご覧くださいとだけ。
化身である斗和子がこれだけ恐怖なのだから、本体の白面はもっと怖いに違いないという八雲立つみたいな理論で白面への恐怖もつのるのです。
すっかり冷え固まった井戸の表面にギリョウの顔が浮かび、潮に語り掛ける。
槍が戻ってくるときの展開熱いですよね。
潮「守るものがないのに強いのは寂しい」
キリオもちゃんと聞いていたねこの台詞
次第に追い詰められていく斗和子はゴーレムで捕らえた日輪と流を人質に潮を殺そうとするも失敗
ここの日輪と流が自爆しようとしてからの潮の「死んじゃやだ!!」がとても良い。
潮がすっかり強くなって。ほろり。
「やだ」って可愛いな。ほっこり。
いまいち立ち位置が分からなかった九印がキリオを最優先で守っているところもまた良し。
斗和子回の何がトラウマかっていうと、諸々失敗してキリオに刺された最期の最期に「ええキリオ…愛しているわ…」につきます。
「また、ウソなんだね」
キリオの心をぶち壊していった。
エピソード自体は良い感じにまとまるのですが、虚脱感がすごい。
読み終わった後呆然とする。キリオがまた立ち上がれるって知ってるんだけど、読了後私が立ち直るのにも時間が必要。
第二十九章「麻子の運動会」
第二十九章「麻子の運動会」
運動会です。心の休養にとってもいい回。