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アスエコ未来教室第3回 ”公務員の仕事と地域づくり” 岡山市役所 流尾正亮さん

2021年7月16日(金)に、第3回アスエコ未来教室が開催されました。
第3回となる今回の未来講師は、岡山市役所の職員、流尾正亮さん。

活動の内容

今回の未来教室のプログラムは以下の通りでした。

1.オープニング
2.目標説明
3.ゲストトーク(流尾さん)
4.質問セッション
5.課題解決チャレンジワーク
6.クローズセッション

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オープニングでは、前回と同様に、名前リレーでのアイスブレイクを行ないました。
3回目となると、中学生、大学生スタッフ、アスエコスタッフにとっては、馴染みのあるメンバーです。
そこで今回は、未来講師である流尾さんにも参加してもらい、今までとは少し違った雰囲気のアイスブレイクとなりました。

その後、目標説明で、未来教室でのキーワードや目標の確認をします。
第3回の目標は以下の3つ。

・社会の問題とそれを扱うシゴト、人に興味を持つ
・SDGs達成のため、イノベーションの必要性を理解する
・グループで協力して実際の問題解決をする 真剣に楽しく!

「真剣に楽しく」という言葉は、中学生にとっては新鮮なものだったことと思います。
真剣に取り組むことはカッコ悪いことじゃない。思い切って自分の考えや気持ちを話してみよう。
今回の未来教室では、いつもよりも少し背伸びをしてみることを目標にしよう、というお話がありました。

ゲストトーク

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今回は、岡山市役所の職員である流尾正亮さんによるゲストトークが行なわれました。

流尾さんは、岡山市役所 岡山っ子育成局 こども園推進課で働いています。
もともと一般企業に勤めていましたが、転職を機に、市役所で働くことを決めたそうです。

ゲストトークでは、企業で勤めていたときのことや市役所での仕事のこと、その中で気づいたことなどを話してくれました。

・役所と企業について

流尾さんは、役所でも、一つの会社でもいろんな仕事があるということに気がついたそうです。
流尾さんが過去に勤めていた企業でも、市役所でも、さまざまな部署があります。
仕事の種類や内容はさまざまで、自分がやりたいと思った仕事を必ずしもできるとは限りません。
そのため、「やりたいことを担当する」のではなく、「担当した仕事をやりたい仕事にする」チカラが必要だと、流尾さんは話します。

・「+なにか」をデザインする

また、今回のテーマである「公務員の仕事と地域づくり」のサブタイトルには、「+なにか」をデザインするという言葉がありました。
自分がやるべきことに「+なにか」を作りたい、というのが流尾さんの想いです。

この「+なにか」の例として、流尾さんがESD推進課にいたときに岡山市で開催されたユネスコ世界会議のことを話してくれました。
会議をするのは、あくまでも会議に出席する人のため。流尾さんは、その会議の「+なにか」として、近くの小学校の子どもたちが会議の参加者にインタビューをする時間を作りました。
会議の参加者には、その時間の間、会場内をうろうろしてもらいます。
会議の参加者と出会った子どもたちは、自分が学校で習った英語を使ってインタビューをするのです。
子どもたちにとって英語で話をするという経験はそう簡単にできるものではないため、貴重な経験になったはずだ、と話してくれました。

・公務員の仕事について

公務員は世の中のために何かすることが使命」だと、流尾さんは言います。
その中で、職務(仕事としてやること)と公務(公務員としてやるべきこと)のどっちをやるべきか、またはどちらもやるべきなのか。
市役所の他のメンバーとのすり合わせはどうするのか。
そのようなことを考えながら、仕事をしているそうです。

その中でも、こども園についての話は印象的でした。
幼稚園をこども園にする際の工事のために設置された白い鉄板(仮囲い)をキャンバス代わりに、子どもたちに絵を描いてもらったことや、ドローンを飛ばして子ども園のようすを撮影したこと。
周りの人を説得するのは簡単ではなかったけれど、どうにか実現することができた、と話す流尾さんの明るい表情が、記憶に残っています。

・気づき、思っていること

流尾さんが市役所で働いて気づいたことを、5つにまとめて話してくれました。

・市役所って案外アクティブ。でもやっぱり「お役所仕事」
・地域課題は多様、住民の方々のニーズも多様
・反対する人の声は大きい
・賛成してる人は顔が見えない
・苦しくても楽しんだ方がいい

特に「反対する人の声は大きい」、「苦しくても楽しんだ方がいい」という点は、中学生の印象にも残ったようです。
なかには、同じようなことを経験したことがあるという人もいました。

また、多くの中学生の印象に残っていたのが、「3つの『や』」です。

・3つの『や』
やるべきか
やりたいか
やれるのか

公務員の仕事では、この3つを考えることが大事だと、流尾さんは話します。

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真剣に何かをすることは、恥ずかしいことなのか?

これは、流尾さんがずっと思っていることだそうです。
自分は楽しいと思うことをしているはずなのに、なぜ窮屈な思いをしなければならないのか。
窮屈な思いをするのは、周りの目が気になるから、周りの人に何か言われたから……理由は人それぞれかもしれません。
この先つまづかないように、と親切心から「やめておいたほうがいいのではないか」などと言う人もいるでしょう。
ですが、自分が真剣に取り組んでいることによって、この先自分にどのような変化が起こるかはわかりません。

流尾さんは、このことを『えんとつ町のプペル』に出てくる以下のセリフを引用して話してくれました。

だれか見たのかよ!あの煙の向こう側を、だれか見たのかよ。
だれも見てないだろ?だったらまだわからないじゃないか!

・わかったこと、気をつけていること

流尾さんが仕事を通してわかったこと。それは「案外みんな視野は広くないから、難しい言葉は届かない」ということです。
参加していた中学生にとっては、”案外”という言葉が印象的だったようでした。
最後に行われたフリップトークで、”案外”という言葉について話している中学生もいました。

また、以下の2つを気をつけている、と流尾さんは話します。

・実現する価値は何か、を見極める
・思考停止ワードを言わない

自分がやろうとしていることを実現する価値を見極めることが大事だ、と話してくれました。
また、思考停止ワードとは、「めんどくさい」や「わからない」など、否定的な意味を持つ言葉を指します。
思考停止ワードを言うことで、気分が後ろ向きになってしまうのです。
前向きな気分になるためにも、思考停止ワードを言わないようにしている、と流尾さんは言います。
思考停止ワードを言わない、というのは、未来教室の五か条の第4条である「言葉は自由、態度は前向き」に通じる考えではないでしょうか。

ゲストトークの最後に、流尾さんが紹介してくれたアフリカのことわざがあります。

早く行きたいのなら、ひとりで行け。遠くへ行きたいのなら、みんなで行け。( If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together. )

これは、未来教室を行なう理由にもつながることわざです。
筆者は、このことわざを聞いて中学生がどのように感じたのか、ということを聞きたくなりました。

課題解決チャレンジワーク

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第3回の未来教室では、課題解決チャレンジワークとして、SDGsカードゲームを行ないました。
未来教室のキーワードでもあるSDGsについて、きちんと説明をするのは今回が初めてです。
カードゲームを行なう前に、かっしー先生からSDGsについて説明をしてもらいました。

「SDGsカードゲーム X(クロス)」について
【カードの種類】
トレードオフカード:SDGsの目標に関係している1つの問題を解決すると起きた、別の問題について書いてあるカード。
リソースカード:トレードオフカードの問題を解決する方法を考えるときに、使える資源が書いてあるカード。
【ゲームのやりかた】
トレードオフカードの中にある問題を両方解決できるような案を、リソースカードからひねり出す。

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今回は、トレードオフカードを引く代わりに、流尾さんが解決してほしい困りごとについて、カードゲームを行ないました。
中学生が、大学生スタッフの力を借りながら、リソースカードを使った困りごとの解決方法を考えます。
中学生の「真剣に楽しく」考える姿は、第1回未来教室よりも頼もしく見えました。

最後に

第3回未来教室では、楽しみながらも真剣に考え、自分の意見を話す中学生の姿を見ることができました。
今回も、ひとりひとりにとって、それぞれに学びのある時間になったのではないかと感じます。

次回の未来教室は、8月20日(金)に開催されます。
回を追うごとに姿を変える中学生が次はどのような変化をするのか、とても楽しみです。






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