【天秤座新月&地球・木星の会合】9/26~10/25〈人からの影響を受け入れて、イニシエーションを巻き起こす〉
9月26日 06時55分頃。太陽と月は天秤座の位置で新月を迎えました。新月とは太陽と月が重なるとき。新たなスタート・種蒔きの時期ですが、月=感情が見えづらくなるため、今の自分の気持ちを内側へ深く探るときでもあります。
9月29日 クレセントムーンの頃に自分の気持ちが見え始めるので、この前後に新月のワークや目標を立てると良いでしょう。
10月3日 山羊座上弦の月では、今ある環境で自分が出来ることや人のためになることを意識すると良いでしょう。それによって、心の土台・居場所への意識が芽生えるはずです。
魚座満月から天秤座新月への転換
さて、ここからは天秤座新月のテーマについてお伝えします。テーマはインスタグラムに投稿しているので、良ければそちらもご参照ください。ここではもう少し踏み込んで、マニアックに(笑)お伝えしたいと思います。
それではまず、AC(テーマ)・太陽(行動)・月(気持ち)・MC(到達点)の基本的な情報からお伝えします。
AC(テーマ) :
天秤座18度(サビアン19度)
「隠れている泥棒集団」
→マイナーなもの・隠されたものを育てる
→集団の力で理想を叶えようとする
天秤座19度(サビアン20度)
「ユダヤ人のラビ」
→自分なりの生き方を確立する
→他の価値観を自分流にアレンジする
※ACの度数がチャートの計算ソフトによって差異がありました。どちらのシンボルも今回の新月図の特徴を良く表していると感じたので、両方の意味を採用しています。
太陽(行動) &月(気持ち):
天秤座2度(サビアン3度)
「新しい日の夜明け、全てが変わった」
→周囲の意見を取り入れてみる
→他者との関わりから真の個性を発見する
→突発的な変異・目覚め
【12ハウスに位置→水面下に隠してきた物質世界に依らないビジョン/エネルギー的に繋がる関係性/他の人の心を癒すことにスポットを当てて新たなスタートを切る】
MC(到達点):
蟹座21度(サビアン22度)
「ヨットを待つ女」
→相手を信じて静かに見守る
→伝えることを伝えたらただ待つ
サビアンシンボルを見ると、非常に静かなエネルギーが流れていることがわかります。先陣を切って相手へ攻め込むのではなく、心の扉をオープンにして、相手からの情報や影響がやって来るのを待つイメージです。
もちろん、「私はこうしたい」という気持ちも大切で、それがなければ自分はいったいどうしたら良いのか?進むべき道を見失ってしまうでしょう。ですが、「私が私が」だけでも、全てにおいて盲目的になりやすく、本当の意味で殻を破ることは難しくなります。
今回の新月は、自分がずっと大切に想ってきたことや、一般的ではないけれど、心の中で温め続けてきたビジョンを人々と分かち合うことが大きなテーマです。実はこの傾向は魚座満月でも見られましたが、その時はあくまでも「気持ちの自覚」に留まっていました。"魚座"なので、具体的に何かをすると言うよりも、まずは心を解放して癒し、明日への活力を取り戻すことにあったのです。
これに対して今回は"天秤座"がメインなので、より現実性を帯びて来ます。自分の夢やビジョンを自覚した上で、それを具体的に実現するにはどうしたら良いか?その答えは「天秤座=他者との協力関係である」と示しているのです。
一方で、今回の新月では、非常に神秘的でミステリアスなキーワードが随所に見て取れます。上述したACや新月のサビアンシンボルもそうですし、そもそも新月が起きた12ハウスはこの世ならざる場所です。
さらにいくつか事例をピックアップすると、
① 天秤座の支配星・金星のサビアンシンボルは「香炉を持つ少年」=精神的な教えをもたらすコミュニティから学ぶ
⇒新月(太陽&月)と金星は間接的に繋がっており、金星の働きは新月(太陽&月)にも影響する
② 新月(太陽&月) 天秤座2度(サビアン3度)のドデカテモリーは、蠍座3度(サビアン4度)。「火のともったろうそくを運ぶ若者」=親密な空気感で自己開示の儀式を行う
※ドデカテモリーとは各星座を2.5度ずつ12区分する方法。天体が位置する星座のより内面的な本質を示す
③ 新月12ハウス、土星4ハウス、天王星8ハウスでトールハンマーを形成。⇒ 4・8・12ハウスはいずれも心や精神に関わる場所。4ハウスが心のルーツや慣れ親しんだ場所を示し、8ハウスはその場所を形成するに至った受け継がれてきた深層心理の価値観を、12ハウスはさらに深くて壮大な私たち全員の想いを表す。
トールハンマーは90度スクエアの葛藤エネルギーが、135度セスキコードレートで三角形の頂点を形成するポイントへ凝縮されて注がれる。ハードな複合アスペクトで困難を伴いはするが、同時に現象打破の可能性を持っている。
土星4ハウス(精神的土台の安定)と天王星8ハウス(受け継がれた価値観)の変革が葛藤しあう体験は、新月にブレイクスルーをもたらす。
以上のように天秤座新月図を細かくみると「隠されたもの」「秘密」「儀式」といったキーワードを見つけることができます。
何とも非日常的な字面ばかりで戸惑いを覚えますが(笑)、つまりは、私たちが夢やビジョンを具体的に叶え、生き方・身を置く環境を本当の意味で変えるためには、かなり思いきった意識改革と自己開示が必要だということになります。これまでの常識や価値観にとらわれない、かつ、自分の心と共鳴する人々から学びやサポートを得る。その先にあるのは文字通り、「儀式-イニシエーション」による大きな変容なのかもしれません。
インスピレーションがもたらされる場所
では次に、こうした夢・ビジョンの行き着く先、具体的にどのような場面でインスピレーションを得て、想いを自覚しやすいか?を見ていきたいと思います。「まだ自分の夢やビジョン、願いがわからない」と感じている人もぜひ参考にしていただければと思います。
前述したように、今回の天秤座新月は12ハウスで起きています。12ハウスはインスピレーションと繋がる場所ですから、あなたの夢やビジョンは、頭をひねって出てくるものではなく、ふと自然に湧いてくる感覚がその道を示してくれることになります。(この辺りは秋分のテーマと共通していますね)
一方で12ハウスは別名:見えない場所とも言われることから、このハウスに位置する天体のエネルギーは体感しづらい一面もあります。
ただしその一方で、この状態の新月に対して、影響を与えている天体グループが2つあります。
まず、1つめは土星(安定)と天王星(変革)のスクエア(葛藤)です。前述した通り、それぞれ4ハウスと8ハウスに位置しているので、たとえば、社会情勢における日常生活の冷え込みや国際金融における緊張で意識改革が促される可能性もありますし、もう少し身近なところで、家族や家系的な問題で変化の必要性を感じるかもしれません。
そしてもう1つは、木星(社会的理想)&海王星(精神的理想)と新月のオポジション(明るみになるゆえの緊張)です。木星と海王星は6ハウスに位置しているので、職場のシステム体系や働き方、健全な生活習慣を求める際に、あなたの夢やビジョンを自覚するかもしれません。特にこの場合は、”私が得したい”よりも、”周囲の人の助けになりたい”意識で物事を見つめたときに、新たな可能性やビジョンを強く感じるでしょう。
今回の新月のMC(到達点)は蟹座22度 ― 母性的な愛情表現により環境を引き寄せることを目指しています。占星術において蟹座は非常に主体的です。つまり、自らの意志で積極的に周囲へ愛情を注ぐことができるのです。今回の天秤座新月におけるスタート地点・メインテーマは、人の力やサポートを得ながら精神的な意識改革を行い、夢を叶える足掛かりを掴むことにありますが、その最終的な行き先は、あなたが主体となって、誰かへ心を傾けてサポートすることなのです。
そして、この精神的成長、ビジョン・信念の転換は、実は宇宙意識の観点から見ても示唆されています。
地球と木星の会合から見る、天秤座新月と木星逆行の関係性
ここからはヘリオセントリック(宇宙意識)で星の流れを辿ってみます。
9月27日に地球と木星は結び(コンジャンクション)を迎えます。ヘリオセントリックの木星は様々な分野に知恵をシェアして応用すること。数日前には水星とも結びを迎えて、宇宙から得たインスピレーション(水星)を周囲へ広げるエネルギーがもたらされました。今回は地球と木星の結びなので、この知性の広がりは現実化へ向かっていることがわかります。
さらにこの地球と木星の結びは木星逆行にも強く関係しています。(この話は占星術家 高橋ともえさんのブログを参考にさせていただきました)
https://paxluna.net/?p=6271
木星逆行は7月29日~11月24日にかけて起こり、人生観や社会的なビジョンを見直す期間です。特に今回の逆行では、人生の新たな可能性をじっくり模索することがテーマであり、魚座と牡羊座の間を行ったり来たりして、潜在意識と顕在意識の境界線に揺らぎが起きやすくなっています。
先程、今回の天秤座新月では木星の作用により、「職場のシステム体系や働き方、健全な生活習慣を求める際に、自分の夢やビジョンを自覚する」とお伝えしました。そこにこの木星逆行との関わりも考慮すると、天秤座新月をキッカケに私たちが本当に目指したいことは、「潜在意識レベルで心から求める生き方の実現」ということがわかります。
天秤座新月から始まる新たな変容と共に、私たちは健全な働き方や役割の果たし方を見直すことで、人脈や活躍のフィールドが広がり、より理想的な人生への道を歩み始めるのではないでしょうか。