昔話: 僕は大学時代右翼雑誌を読んでいた→西部邁氏がお気に入りでした
学生の頃、「諸君」や「正論」などの右翼系雑誌を読んでいた。
なんでだろう?今はどちらかというと左なのに。と思う。
しばし思い出すと、だんだん思い出してきた。
当時、大学生になりたての僕は大学の教養の勉強では飽き足らず、NHKの市民大学講座の本を読みバイトから帰ってきたら気に入った番組を見ていた。
そこでわたしの興味を引いたのは西部邁氏!東大教養の経済学部。ソシオエコノミクスを標榜していた。
単純にダジャレのような話を織り交ぜて淡々と当時バブルへの警鐘を話していた。ガルブレイズのマネタリズム、レーガノミクス。オルテガ・イ・ガゼットの「大衆の反逆」の提示。それに氏は伝統、といった概念をわたしに伝えた。私の友達は当時アドルノに興味があり、伝統という概念には懸念を表明した。
その講義をテレビで聞いているうちに氏の全学連主流派幹部としての手記が本屋に出ていてそれがまた興味深かった。
さらに東大で事件が起きた。(私は東大生ではなかったし、関東にも住んでませんでした)東大駒場にあの中沢新一氏を連れてくる話。細部は覚えていないが、西部邁氏が連れてこようとしたらしい。ほとんどまとまってきたところにあれは学問なのか?という学内の批判の声が上がり、その人事はチャラになってしまったらしい。西部氏は責任をとって東大を辞職。諸君や正論にその顛末を書き記し、それを読みたい私はそれらの雑誌を買った。
おまけに中沢新一氏の著作も読むことになった。チベットのモーツァルトとか。当時はオウム真理教の評価が割れ、だんだんネガティブな印象になっていった頃である。オウム真理教は原始仏教を繰り返しているのか、とか。
中沢新一氏の著作も面白かったけどそんなにのめりこめず西部邁氏の文章を読んでいた。
朝まで生テレビなど懐かしいですね。
他にいかに日本的環境が経済を強くするかとか日本賛美記事に溢れていた。救いだったのは西部氏は保守を標榜していたが、批判精神に溢れ現状を理想状態と重ねていなかったことだ。
大学の3年生くらいから理系・工学部の専門課程にはいって行ったのでだんだんそれらを読む余裕も無くなってきて、私はある分野の専門教育をうけ専門的な論文を書く研究者になっていった。
その間経済はどんどん悪くなっていったので当時の諸君や正論の論壇の日本的経営がいかに優れているかは当てにならないこともわかった。
というわけで私は右の勉強していたのだけど、経済の悪化が原因だろうか、世の中はさらに右にいき、私は今左にいる感じである。
例えばハリーポッターは物語として面白いけど、純潔、とかいうのがイギリス人や白人の純潔を強調しているみたいで気持ちが悪い。(これは左ですね)
天皇は今ともても素晴らしい、自己統制が取れた人がやっているからいいけど野心があったり、イギリスみたいに離婚して愛人と結婚するような人でも天皇として象徴としていられるの?そうしたら制度としてそこに寄りかかっていいの?(これは左ですね)とか核兵器は持ちたくないけどアメリカがトランプさんを大統領にして日本に軍事的空白ができた時にウクライナのことやロシアの野心を考えたら外交頑張るから無くてもいい、と言えるの?(これは右でしょうか)
移民で大変なためヨーロッパでは極右傾化していると旧ツイッターでは煽っているが、それはビジネス右翼(ビジウヨ)らしい。大変な面はあるがメリットや人道的に受け入れているというように私は考えています。日本でも移民受け入れは進めるべきではないでしょうか。(左でしょうか?しかし、)この移民問題の面白いところは日本で右と目されていた安倍さんや自民党も推進していたということですね。ただし、管理された移民か、ヨーロッパのようにどっと押し寄せる移民はありなのか?とか現実の問題を考えてしまうのですが皆さんはいかがでしょうか。