ヨハネ受難曲
東京狛江エコマルホールでのプロムジカ使節団での演奏を聴いてきた。
コントラファゴットの低音が効き、素晴らしい演奏であった。バッハの傑作の一つであるこの曲を音響のいいホールと小編成のバロック楽器で聴くことができたのは上京した甲斐があった。
録音で聴くより臨場感がますのは当然であるにしてもバッハの壮麗なフーガ、繊細なアリア、感情豊かなコラールを集中して聞くことができた。
マタイ受難曲はこれからだろうか。まだなら楽しみである。
音楽に政治を持ち込みたくないが、まさに今、イスラエルが他国に軍事侵攻している今、ユダヤ人への目がアドルノなどの視線から見た同情的な視線からのターニングを迎える際、バッハのこの曲のユダヤ人のネガティブなところが目立って見えてきてしまうほどバッハの音楽の表出性が強い。
キリストへこのような報いをしたユダヤ人を音楽で煽っている、というわけである。
音楽の強さからくる純粋性は危険でもあり、ワーグナーを持ち出さなくても音楽に政治性は含まれ、演奏が素晴らしければ素晴らしいほど、望まなくてもそのプロパガンダにまきこまれていくのである。