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毎週水曜日はリバーレスキュー①

という取り組みを今年から始めました。
スタートしてまだ2回ですが、良い時間を過ごせております。

フェイスブックなどで狭い範囲からお声がけしておりますが、大変有難いことに反響もいただいております。その中で、「結局何をする会なんですか?」「自分も参加して良いんですか?」というご質問をいただくことも増えました。
しばらく走ってみて、少しずつ固めていく予定でしたが、あまりにも説明が少なすぎるのも申し訳ないなと思うに至りましたので、このタイミングでイメージをお伝えしておきます。背景的なところから行きますので、ちょっと長くなります。※追記:めっちゃ長いです

レースラフティング をやろうと御岳に引越しをしてきたのが2010年3月。ちょうどその年にご縁があり、東京消防庁の消防士さんたちと一緒にラフトボートの操船訓練をさせていただくことができました。今考えるとあり得ないぐらいの機会だったんですが、100名近い消防士の方々が、入れ替わり立ち替わり御岳に来られてラフティングのトレーニングをされました。確か、最初の2回は白丸湖での静水練習、次の2回が御岳エリアでの流水トレーニング、最後の5回目が効果測定の意味も込めて、レース形式で実施したと記憶しております。

懐かしい動画も引っ張り出しました!最後のBIG AIRは10年以上たっても全く色褪せないですね☆

西多摩エリアの山岳4署(あってますかね?)と呼ばれる、青梅・奥多摩・秋川・八王子の救助隊の皆さんがメインでしたが、それ以外にも都内色んなところから熱意ある方々が参加されていました。水難救助の現場にラフトボートが配備されていることもあり、レースラフティング のノウハウに可能性を感じてくださった方が消防署内にいらしたことで実現した企画でした。

「レースラフティング のノウハウが救助現場に活かされる」

期待にきちんと応えることができたかどうかはわかりませんが、こんな光栄なことはないと私自身毎回張り切っていたことは確かです。月曜から金曜まで本当にたくさんの消防士さんが来られました。翌年の東日本大震災の影響は大きく、イベントの開催は難しいということになり、同じような練習会の開催はその後なくなりましたが、この時に知り合いになった方々とのご縁は今も続いております。本当に有難いことです。

その後、消防の方々には年に数回ほど講習という形でラフティングやダッキーなどの操船講習をさせていただく関係性は続いていて、青梅消防署のレスキューの方々とは昨年の夏も一緒に川に出させていただくこともありました。ただ、様々な訓練で本当にお忙しい隊員の方々の時間をパドリングトレーニングに割くことは本当に難しく、なかなか思うような形でレースラフティング やパドルスポーツのノウハウを提供することができないもどかしさを感じる日々が続いておりました。

そんな中、今回の【毎週水曜日はリバーレスキュー】宣言をすることにつながった流れや出来事が昨年にありました。

  • ○奥(マルオク)チームとの出会い

  • 昨年夏の水難救助現場で感じたこと

順番に参ります。
まず、奥多摩消防署に所属されている現役消防士の方々が作られている"○奥(マルオク)"というチームがあります。隊長のO脇さんをはじめ、ナイスキャラかつ情熱に溢れるメンバーで構成されております。中でも、今は秋川に移ったO野さんは、20代の頃にオーストラリアでラフティングガイドをしていたこともある正真正銘のラフターです。隊長のO脇さんは学生時代は箱根駅伝を走ったランナー。東京消防庁って、すごいところですね。改めて。

この○奥チームは、プライベートでも時間を作って、練習をし、御岳カップへの参戦を続けてくださっております。以前も別の消防署チームが大会に出てくださったこともありましたが、事前練習をすることもままならず、大会では消防チームの苦戦が続いておりました。
○奥チームはこれまでの消防チームの中では自分が知る限り間違いなく最強です。

昨年春の御岳カップでは表彰台にも乗りました!!

○奥チームの皆さんには本当にたくさんの場面で助けていただいております。御岳のリバークリーンを楽しく続けてられているのも、このメンバーの存在によるところが大きいです。いつもありがとうございます。
仕事の訓練ではなく、プライベートに仲間と楽しんでラフティングに取り組むというスタイルを見せていただいております。年に何回かの講習だけではパドリングの上達は難しいと考えていたので、この○奥チームのスタイルは素晴らしいなと感じています。みたけレースラフティング クラブで以前やろうとして、うまくできなかったことがまさにこの点で、心からリスペクトしています。
クラブの話はまた別の機会に。

東京消防庁には実はパドラーもたくさんいらっしゃるんです。日本を代表するフリースタイルパドラーのK森さんもそうですし、ダッキーからスラロームC1へとみるみるうちにスタップアップし、東京都代表とまでなったT中さんもそのお一人です。
○奥チームのO脇さんとT中さんがペアで出場した昨年秋の御岳カップ、同期ドキダッキーも素晴らしかったです。
強豪ひしめくダッキー部門で堂々の第7位。消防士さんのチームがここまで漕ぐなんて、少し前じゃ正直考えられない驚きのパフォーマンスでした。

順調に長くなってきました。消防署の中に、パドルスポーツを愛し、スキルアップをしている隊員さんがいて、非常に仲良くさせて頂いている。そんな状況があります。

昨年、2021年の夏は

奥多摩、青梅エリアで水の事故が続きました。例年に比べて水量が多かったことも一因かとは思いますが、報道されたもので3件の死亡事故がありました。

9月にはパックラフトの事故もあり、その時には前述の○奥チームの皆さんとも、何かできることがないかと相談させて頂いたりしました。そんな状況の中で9月20日に自分も救助に関わった水難事故が御岳で発生しました。これまでどこにもまとめることをしていなかったので、この機会に少し事故のことにも触れていきます。

9月20日。ラフティングツアー後のスタッフミーティングを終え、17:00過ぎにカヌーを担いで川に向かいました。夏の繁忙期の疲れがちょっぴり癒え、久しぶりに自主練しようとしたわけです。珍しいですねと周りに言われるぐらいたまたまの行動でした。
御岳小橋付近で乗ろうとしたら、いつもと違う雰囲気を感じました。居合わせたカヌーの男性と何かあったのかもしれないと話しましたが、少し上流を見ると、普段を同じように河原で寛ぐグループもあり、なんだか不思議な空間でした。ふと上流の御岳橋を見上げると、赤色灯をつけた緊急車両が複数台見え、クイックアタッカーと呼ばれる消防のバイクが川に近くまで降りて情報収集をしている様子が見れました。
いよいよ何かあったと思い、急ぎ遊歩道まで戻ったところで、スタッフから「人が流されたらしい」という情報を得ました。何ができるかはわかりませんでしたが、急いでベースのA-yardにいる別のスタッフにダッキーを膨らまして欲しいと電話連絡をし、走って戻りました。救助用のライフジャケットに替えたことは褒めてあげたいですが、練習用の薄着ウェアで出発してしまったこと、照明機材を持たなかったことは反省点でした。

ダッキーを頭の上に乗せて走りながら、「タテチンは流されたらしい」という情報を聞き、タテチン下からボートを入れました。どこから・いつ・何人が流されたのかなどの正確な情報はなく、とにかく川に出たというのが正直なところでした。
御岳で人が流された場合に、沢井エリアの少し浅くなったところで引きあがるということが過去にはありました。この時もなんとなくエディーの様子を見ながら、沢井まで急ごうという気持ちでダッキーを漕いでいました。もうひとり、SUPで川に出たスタッフがいましたが、沢井まで急行しようとした自分とは別に、見落としがないように慎重に捜索をしてくれていました。

長い!!!でも続けます。だって個人のnoteだもん

沢井の楓橋で「消防の方ですか?」と声を掛けられました。違いますが、人を探していますと応えると、「人が流されていくのを見ました」との事。いよいよかと思い、先を急ぎましたが、何分前に通過したのかを確認しなかったことも反省点でした。

うっすら暗くなってきた多摩川。ふと流れの中に人の髪の毛が見えた気がしてちょっぴりビビりながら漕ぎました。そんな状況で軍畑大橋についたときに、橋の上から知り合いのリバーガイドが「消防が奥多摩橋に移動した」と教えてくれました。

端折ります。だって個人のnoteだもん

奥多摩橋まで行くと、右岸の河原にはものすごい人だかりができていました。注目を感じながら声を掛けると、ちょうど昨年の夏に1日講習をさせて頂いた隊の皆さんがいました。知った顔がたくさんあり、かなりホッとした記憶があります。何かお手伝いできますか?とお伝えしたところ、

ここまで書いて、もしかしたらオープンにしたらまずいこともあるかもしれないので、動きなどの詳細は端折ります。判断してくださった隊長さんにご迷惑がかかってしまうことは本意ではないので。

この件で、消防総監感謝状というものを後日頂戴しました。
今回の活動が、身を危険にさらしながらの行為であったこと、消防の皆さんが手が出せない(出しにくい)状況であったことなどが評価されたそうです。
救助された男性は亡くなられたので、もっと早い段階で何かできたのではないかという残念な記憶ではあります。

この日の体験の中で感じたことは、

  • 夏に訓練を一緒にしたことで、お互いの顔がわかる関係性があり、救助の現場でお声がけができ、申し出を受けてもらえることができた。

  • ダッキーの機動力は高く、捜索時にも有効。また要救助者の運搬にも適している。ダッキーのサイズは、この時に使用したものは1〜2人乗り用のため、少し小さかったが、もう少し大きいサイズであれば、要救助者の前後に漕ぎ手が乗ることができる。身体の固定方法などは状況によって工夫が必要。この時は、運搬時に再度落水するという最悪の事態を避けるために、しっかりとダッキーに固定。運搬時は慎重この上なく漕ぎました。

ここまで読んでくださった方いらしたら、本当にありがとうございます。
文章を添削してからアップしようかとも考えておりましたが、時間がかかりそうなのでこのままいきます。

パート2に続きます。
毎週水曜日はリバーレスキュー②

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