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バルコニアン(13) 竹が欲しいけれど

一時期、バルコニーには竹があった

竹。

バルコニーに似合うかどうかわからないが、一時期、竹がありました(図1)。数本の幹があり、高さは1.5メートルぐらい。あまりパッとしませんが、あるとそれなりに存在感があるので、竹は好きでした。

図1 一時期バルコニーにあった竹。写真の左にスッと立っているのが竹です。

何年か経つうちに、この竹は元気がなくなっていきました。鉢も大きなものに変えたりしてケアをしたのですが、結局処分してしまいました。

そうだ、竹を買いに行こう

そろそろ初夏の風情も漂い、園芸マニアには良い季節になってきました。バルコニーの様子を見ながら、次は何を買おうかなどと考えることになります。

昨日も天気が良く、園芸日和でした。そこで、特に当てもなく、近くの園芸店に行ってみることにしました。近いと言っても車で20分ぐらいかかるところです。行く道すがら、ふと思いました。

「そうだ、竹を買おう!」

園芸店に着いたら、早速店内で竹を探しました。三鉢あったのですが、どうもピンと来ません。

結局、モミジを買うことに

他の園芸店に行くか、考え始めたとき、一つの鉢植えに出会いました。それは竹ではありません。盆栽仕立てのような紅葉でした(図2)。

図2 先日購入した紅葉。「流泉」という札が付いていました。枝を真横に誘引しているので、盆栽のようにも見えます。

この紅葉には「流泉」という札が付いていました(図3)。もの紅葉はカエデ科で、耐寒性落葉中高木ということです。

図3 図2の紅葉に付いていた札。(左)札の表、(右)札の裏。

日当たりが良く、肥沃で水捌けの良い所を好むとあります。水やりについては、乾燥に注意とのことです。肥料は春に一回。ということは、もうあげなくて良いようです。盆栽風なので、室内でも楽しめるのも一つの特徴です。

この紅葉を見ていて思い出しました。似たような形状の紅葉が、もう一本バルコニーにあるのです(図4)。これは接木(つぎき)のテクニックで、2種類の紅葉になっているものです。

図4 バルコニーにある紅葉。黄色で囲った部分は普通の紅葉の葉ですが、赤色で囲った部分は細い葉の紅葉になっています。

見ると、普通の紅葉の葉と、細い紅葉の葉が一本の木としてあります。これは接木で作られたものです。接木をしたのは私ではなく、園芸店の方です。買ったときからこの状況になっていたものです。昔は細い葉の紅葉の方が大きかったのですが、不運にも途中で折れてしまい、今では普通の葉の紅葉が優勢になっています。

細い葉の紅葉は「青枝垂」系の紅葉で、おそらく「切錦」という種類だと思います。一時期、赤い葉色の細い紅葉があったのですが、そちらは「紅枝垂」系で、「稲葉枝垂」だったのだと思います。紅葉は種類が多く、楽しめますね。以前のnote「バルコニアン」(10)モミジとカエデを参照してください。https://note.com/astro_dialog/n/n985fa28003a0

いよいよ接木か?

このnote「バルコニアン」(10)で紹介した『カエデ、モミジ』(河原田邦彦、NHK出版、2006年)には、なんと「流泉」の説明がありました(25頁)。

イロハモミジの枝垂れ性品種は少ないが、本種(流泉のこと)は埼玉の生産・研究者、小林和治氏により、2002年に‘次郎枝垂’の実生から選抜された品種で、枝が垂直に枝垂れる。庭に植えると枝が這うので、高い斜面に植えるとよい。高つぎをすると素晴らしい樹形が楽しめる。紅葉は橙色。 (註:高つぎはつぎ木の一種で、台木の高い位置に穂木をつぐこと)

園芸店でたまたま見つけて買ってきた「流泉」ですが、結構貴重な種類のモミジだったようです。

私自身は接木をやったことはありません。今回買ってきた「流泉」を使って、接木体験をすると面白いかもしれませんね。まあ、素人なので、様子を見てからにします。

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