ミサンドリーとトランスヘイト
特に男性に、ミサンドリーとトランスヘイトの区別がついてない人が多いので書いておきます。
まずミサンドリーは、男性が嫌いなことです。男性から被害に遭わされて男性を警戒したり避けてしまうのは自然なことで、責められる筋合いはありません。心の中で男性が嫌いだと思っていても死んだりはしないし、社会適応力があれば仕事だってできるでしょう。
ここで、男性がミサンドリーとトランスヘイト、特にトランス女性へのヘイトを間違えるのは、差別がどういうことかお分かりではないからです。
差別は、権力勾配の上から下に向かう、嫌がらせや排除を行う言動のことです。今の社会では男性の力が強いので、権力勾配は男性の方が上になっています。だから、男性差別は存在しません。ときどき、男性が女性から嫌われることを男性差別だと称する人がいますが、それは間違っています。ただ嫌われているのと差別は異なります。
話をトランスヘイトに移すと、特にトランス女性を差別するのを男性差別だと間違える人もいますが、これも間違っています。上記のように、男性差別は存在しません。もしトランス女性差別が男性差別だとすると、トランス女性を男性だとミスジェンダリングしていることになります。トランス女性は女性なので、トランス女性差別は男性差別ではありません。
そして、ミサンドリストであっても、トランスヘイトを行わないことができます。男性が嫌いだとしても、トランスジェンダーについて知識があり、トランスジェンダーを同じ人間だと扱うことができるなら、トランスヘイトをせずにミサンドリストとして生きていくことができます。ミサンドリーは、男性の良心を信じられない状態ですが、だからといって男性に危害を加えるとも限りません。ミサンドリーは、事情があってそうなったので、責められることではありません。
ただし、トランスヘイトは、糾弾されなければいけません。トランス女性は女性だし、トランス男性は男性です。これは、出生時に割り当てられた性別に違和感があり、悩んだ結果出した答えなので、誰にも侵害される筋合いはありません。それなのにトランスヘイターは、トランス女性のことを男性、トランス男性のことを女性だとミスジェンダリングして、当事者の話を聞かないで勝手な解釈をぶつけて当事者を疲弊させます。これは、セクシャルハラスメントであるだけでなく、アイデンティティへのハラスメントでもあります。トランスヘイトはやめましょう。
ミサンドリーとトランスヘイトは別のことなので、混同して、ミサンドリストにトランスヘイターだと簡単に言わないでください。もちろん重なりもありますが、フェミニストになれないミサンドリストの人権も守られなければいけません。