見出し画像

CS-21工法 施工事例 / 共同溝 新設工事におけるコンクリートの更なる品質・耐久性向上対策

工事概要

工事名称:広島南共同溝出島西第2工事
工事場所:広島県広島市
発 注 者:国土交通省 中国地方整備局 広島国道事務所
工 期 :2008年(平成20年)11月~2010年(平成22年)3月
使用材料:CS-21(NETIS【旧】CB-020055-VR 設計比較対象技術)
施工仕様:CSⅠ工法(CS-21×1回塗布)
CS-21工法 施工会社:(有)トムワークス
施工数量:表面保護>約6,700m2
施工部位:ボックスカルバート内面(床・壁・頂板)
[コンクリートの種類:フライアッシュコンクリート(エコパウダー)

CS-21 荷姿5㎏缶

工法選定の経緯

 本工事は、広島南道路の事業に合わせて整備が進められた、広島南共同溝事業のうち、出島地区の工事である。
 共同溝は、上下水道管・電力ケーブル・通信ケーブル・ガス管等の公益施設を、道路の地下に収容するために造られる筒状のコンクリート構造物であり、個別に行われる道路の掘り返し工事の減少、無電柱化により、都市生活に不可欠なライフラインの安全性、信頼性が向上する。
 当該工事における共同溝は、長期間の供用が予定されている構造物であるため、総合評価方式の技術提案として、共同溝コンクリートの更なる品質・耐久性向上対策の項目が設定されており、表面保護工法の適用が検討された。
 
 表面保護工法の選定にあたっては、
土木学会の「表面保護工法設計施工指針(案)」に準拠して検討した結果、
① 施工後の外観変化がなく、施工後も躯体を直接目視点検可能であること
② 耐久性低下の要因となる目視では発見し難い微細なひび割れなどの空隙から、炭酸ガス等の劣化因子の侵入が抑制されること
③ 経年後に補修・補強対策が必要となった場合に対策工法が限定されないこと
から、表面含浸工法・けい酸塩系表面含浸工法(けい酸ナトリウム系表面含浸工法・反応型けい酸塩系表面含浸工法*)
が選定された。
 
*最新の土木学会:表面保護関連指針
コンクリートライブラリー137
けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)  における分類名

技術提案書(例):新設コンクリート構造物の表面保護
CS-21ネオ(NETIS:CG-160013-VE 活用促進技術)

使用材料の概要

 当該工事で使用された『CS-21』(けい酸ナトリウム系表面含浸材・反応型けい酸塩系表面含浸材)は、無色透明の水溶液であり、硬化コンクリート表面から塗布し、浸透させることで、目視では視認し難い微細ひび割れや打継目を含む表層部の空隙を充填して緻密化し、水や各種劣化因子の侵入(鋼材腐食)を長期にわたり抑制する。
  前述の要求性能①~③については、土木学会規準試験・実施工の追跡調査等により確認されており、要求性能を満たす材料として提案・採用された。

【 CS-21工法の概要については、資料: CS-21シリーズ製品・工法概要[pdf]  をご参照ください】

施工概要

◆表面保護工
1.下地処理(高圧洗浄)
2.CS-21(原液)塗布:200g/m2
3.湿潤散水
*「CS-21塗布」→「湿潤散水」は、指触乾燥確認後に実施

高圧洗浄
床面:下向き塗布
壁面:横向き塗布
頂板下面:上向き塗布

今後の展望

 当該工事では、施工範囲を16区画に分け、各区画単位で、塗布面積に対する使用数量を空缶検収により管理し、工期内に工事を完了した。その後の経過も良好である。
 当該工事で使用した『CS-21』(けい酸ナトリウム系表面含浸材・反応型けい酸塩系表面含浸材)は、コンクリート構造物の予防保全長寿命化対策に適した材料であり、ひび割れ補修や、打継目の耐久性向上対策などにも適用されている。

また、【新製品】施工性の良好なコンクリート表面保護材
・新設用:CS-21ネオNETIS:CG-160013-VE 活用促進技術
・既設用:CS-21ビルダーNETIS:CG-170009-A
も開発されている。

 今後は、コンクリート構造物の更なる品質向上・耐久性向上対策に有効な当該製品等を活用し、コンクリート構造物の長寿命化に貢献していきたい。
 
             アストン協会会員・(有)トムワークス 金谷 勉


最後までご覧いただきありがとうございました。

 CS-21工法による表面保護(予防保全・長寿命化)などの施工実績につきましては、資料「CS-21工法 施工実績表【pdf】」をご参照ください。
 【新製品】既設コンクリートの表面保護材 CS-21ビルダー(NETIS:CG-170009-A)など、CS-21シリーズ製品・工法の最新情報・詳細につきましては、アストン オフィシャル ウェブサイト をご覧いただけますようお願いいたします。