「マチネとソワレ」
旧Twitterでお試し漫画が回ってきた時に「あーコレは絶対好きな奴…」と思いながらなあなあにしていたのをDMMの夏のセールに乗っかって買ってしまった。
結果「もっと早く買っとけば良かった」と「続刊気になりすぎるからこのタイミングで良かった」がぐっちゃぐちゃになっている。あんまりにも好みだ…
とはいえ吐き出す場所がないのでがーーーーーーーーっとここに書きます。ここは好きになったものをがーーーーーーーーって吐く場所と決めているので。がーーーーーーーー!!!!!
主人公は売れない役者。天才役者の兄がいる。が兄は故人。
世間も身内もみんな「夭折した天才役者の弟」として主人公を見ています。主人公はそれに鬱屈とした感情を抱えています。劣等感はあるけれども潰れてはいない。素晴らしい。
それでもようやく手に入れた大役の報告に実家に帰ると母親は天才の兄の死から立ち直れずに弟と兄を逆に記憶しているし父親はそれを黙認、本人もそれを受けて兄の「演技」までして見せてしまう。八方塞がりで一生「兄の弟」として生きて行くのか?と失意に暮れて乗り込んだポップすぎる水玉のタクシーを降りるとそこは兄が生存している並行世界でした。
から始まる兄を凌駕する役者になるぞの物語。
演劇モチーフの漫画は「ダブル」も面白いなあと読んでいるのだけどこっちが生っぽい「ありそうな物語」なのに対してマチネとソワレは「こういうことがあって欲しい物語」だ。
主人公は兄の才能の華やかさで埋もれていただけでしっかり天才だし、どんどんキャラの強い奴が出てくるので展開が早くてリズムがいい。何よりたまに挟まるあまりに自己主張の強い決めゴマが最高に気持ちいい。主人公が受ける仕事の一つひとつがとても魅力的に見えるし劇中劇だけども全編観たい気持ちにさせる。これどうにか読めるようにならないかな…
荒唐無稽なトラ転系の始まりだったのにめちゃくちゃお芝居の話ばっかりしているし細かいサスペンス要素もワクワクするし、まだ水色タクシーの件も残っているしで情報量高い〜〜〜
基本的に漫画は主人公が好きじゃないと一切続きが入ってこないタイプの人間なので主人公がネガティブと見せかけた超絶エゴイストっぽいのも好きだ。主張は一貫しているしやりたい事もはっきりしているし。悩み方がストレートなのでストレスが少ない。その上テンポもいい。あまりに好み。
続刊は今年の冬らしく。
待ち遠しさしかないなーーーー楽しみだなーーーーーー
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